1-9 古き学び舎~エレベータールーム~
シュウ:「なぁリャーチャ、お前はパーティの生命線や。頼むからスカウトの前に出んといてや。」
リャーチャ:「わかりましたわー」
シュウ:「はい、復唱。スカウトから最低5m離れる」
テンクール:「また、もふもふされるぞ」
リャーチャ:「スカウトから5m離れる」
シュウ:「いくら危険感知が出来ても、罠解除やらなんやらは出来へんから。本当、頼むわ……はぁ」
リャーチャ:「すみませんでした、好奇心が勝ってしまいましたの……」しょぼん。
アシュリー:(実は私もかなり近かったんですけどね……)
シュウ:てな訳で回復タイムー。
リャーチャ:草わたすよー。あとね、お友達の光の妖精さんが最初の戦闘で帰っちゃってることに気が付きました。アシュリーさんにライトをお願いしますわ。あの子戦闘になると帰ってしまいますの。
これはGMがセッションと並行してリプレイ化している時に気づきました。本来はボガードとの戦闘を行った時点でフェアリーウィッシュの効果は消滅していますが、気づくのが遅かったのでこの戦闘の直後に解除されたという裁定で今回は動いています。
消えてしまった魔法の灯りは、アシュリーが真語魔法のライトをテンクールの拳にかけることで確保し、戦闘で減ったHPやMPをしっかりと回復した後、部屋の探索を始めます。
リャーチャ:凹んでますわ。耳がこうね、ロップイヤー状態。扉怖いですわ。
シュウ:部屋の中の探索ー、扉にモフモフされてたからな。部屋の中を罠感知するでー。
GM:んーっと、この場合は探索ですよー。まぁ、ボーナスは一緒ですけど(笑)。
シュウ:お、ごめんやで。したら探索ー。(ころころ)出目が回復しとる!
リャーチャ:よかったねー。
GM:罠も何もなく、貴重な資料が置かれている本棚と、机と椅子があります。
シュウ:じゃあ、テンと俺で先行。二人は扉付近で待っててや。本棚にモフられたくないやろ?
リャーチャ:わかりましたわ、アシュリーさんの服の裾でも持っておこう。
GM:リャーチャの頭をぽふぽふと撫でるアシュリー。
テンクール:おし行くか。
シュウ:本棚に近づきます。
GM:何も起こりません。
シュウ:……危険感知はないか。良かった。そしたら、机と椅子も確認。
GM:何も起こりません。
テンクール:椅子を叩いて固さの確認して座れそうなら座ろう
シュウ:ほい、大丈夫そうやな。したら、アシュリーさんとリャーチャを呼んで。
リャーチャ:ぽてぽてぽて。
GM:手をつないでてくてくと。
シュウ:「大丈夫そうや。本やらなんやらはようけ分からんし、見たってくれ」本をざらっと見てみますが、何語?
リャーチャ:ザラっと見上げます。
GM:魔動機文明語です。
リャーチャ:「この本今回の件とあまり関係ないようなきがしますわ? おそらくこの遺跡に元からあるものだとおもいます」
GM:そうですね。「真語魔法・初級」とか、そんな感じのタイトルばっかりです。あ~、リャーチャ的には「妖精大全」とかは気になるかもね。
リャーチャ:妖精さんに聞けばいいかな。直接。
シュウ:「ええと、まぁ、関係ない感じ……やろか?(読めない)」
リャーチャ:「おそらくボガートたちよりも上位の何かがいるはずですわ。どこかに」
シュウ:よし、そしたら反対側やね。
GM:どうぞどうぞ(良い笑顔)。
シュウ:ええか、後生やから下がっといてな(リャーチャに向かって念押し)。
リャーチャ:わかってましてよ!
GM:では、反対側の扉どうぞ?
シュウ:罠感知と鍵感知。(ころころ)
GM:良い出目。しっかりと分かりますね。
リャーチャ:(これは大事なところで乱れるフラグ)
GM:罠はありますが、鍵をちゃんと外さない場合にしか起動しません。鍵はアンロックで解除した後に、再度鍵を使って開けるタイプです。
シュウ:ふむふむ。アンロックが必須と。
GM:ということで、アシュリーがアンロックしてくれますよ。
シュウ:アシュリーさんにアンロックしてもろて、それから鍵開けかな。
GM:はい、アンロックは成功しました。鍵はシュウに渡してくれます。
シュウ:「お、あんがとな……って鍵、持ってたんや」ちょっとびっくりしつつ、鍵を受け取ります。
アシュリー:「元々、師匠が管理者の1人でしたから。脱出の際に回収したそうです」
シュウ:「さすが英雄と呼ばれるだけあって、その辺は抜かりないんやね。」んじゃお借りして開けるで。
GM:はい、どうぞ。
シュウ:カチャっとな。
GM:かちゃりと開きました。
リャーチャ:(うごいていい? 動いていい?)ピスピス。
シュウ:じゃあ、テンクールと俺先行。ウサギはステイ。
テンクール:ほいよ。
GM:では、扉を開けて中へどうぞ?
リャーチャ:っていうかうさぎじゃありませんわ! タビットとウサギは別のものでしてよ!
シュウ:アシュリーさん、そこのウサギ動かへんよう持ち上げといて。
アシュリー:「はいっ!」とっても良い笑顔で抱き上げます。
リャーチャ:もふうん。
GM:なでなでしながらにっこにこですね。
シュウ:「おーせやったなー(棒)」
リャーチャ:足ダンはむなしく空をきりました
この部屋は元々は事務室という設定で、イベントを一切設定していない部屋でした。右側に奥へ向かう通路があり、探索もそこそこに奥の区画へと進みます。
奥の部屋は30m四方の部屋で、真ん中に魔法陣、その横には高さ1mほどの四角い金属の柱が立っているという部屋。
シュウ:「あれやな。ものっすごく嫌な感じやね」
テンクール:「すっげえ嫌な予感。あの魔方陣」
リャーチャ:あー……
シュウ:(中の人発言)え? エレベーター的な?
テンクール:「下に行けるのか?」
GM:うふふ(すごく良い笑顔)。
リャーチャ:魔動機時代にはなんかもういろいろあってもおかしくありませんもの。
GM:ちょうど向かい側の壁の一部は、ものすごく頑丈そうな金属がありますね。
シュウの中の人があっさり看破してますが、エレベーターです。それ以外の何物でもありません。
向かい側の壁は、いわゆるシャッター。どう考えても搬入口です。
シュウ:「それと、全員一応確認な。例の聖印、すぐに取り出せるような状態にしとき」
テンクール:「了解」首にぶら下げておこう。
シュウ:「どうも嫌な感じがする」
リャーチャ:「かしこまりましたわ」
GM:では、どう動きますか?
シュウ:とりあえず、アシュリーさんに「この部屋のことについて、何か聞いたことあるん?」と聞いてみよう
アシュリー:「研究室の奥には資材搬入の大扉と、地下へ運び込むための“えれべぇたぁ”? という物があったそうです」
リャーチャ:失われた前文明の技術ですわね、たぶん。
シュウ:「えれべぇたぁ? 聞いたことない単語やね(すっとぼけ)」
テンクール:「えれべいた? か」
アシュリー:「はい、魔力を流し込んで制御装置のボタンを押すと昇降すると……」
リャーチャ:「エレベーターは資材搬入などで使っていたということは、上下に動くということでしょうか……」
リャーチャ:昇降機はわかるのかな、PC。
GM:セージで判定どうぞ。構造解析判定です。
構造解析判定は、その名の通り建物の構造を解析するという判定です。今回はエレベーターという“構造”を調べるので、この判定が該当したわけですね。
この判定はセージを持つキャラクターが有利なので、リャーチャがあっさりと看破。高さ1mの柱が制御装置で、昇降のボタンがあるのも確認します。
起動させるのにはマギスフィアが必要で、これはゲストNPCであるアシュリーが持っていることにしました。
リャーチャ:これって制御装置使っている誰かはここに残る感じです?
GM:んーっと、構造解析に成功していると分かりますが、昇降速度はゆっくりなので、動かしてからでも乗り込む余裕は十分にあります。ただ、一度動かすと1つ下の階層に降りきるまで止まることはありません。
リャーチャ:ほうほうピスピス。
リャーチャ:「アシュリーさん、これって下の階層にも同じ装置がきっとありますのよね?」
アシュリー:「聞いた話では、この装置がさらに下に下ると。一度地下1階で止まると聞きましたが」
リャーチャ:あとは、皆さんに使用形跡があるかどうかなど確認していただければ……ピスピス。
シュウ:よし、そしたら動かす前に大扉や装置を調べておきたいんやけど。
GM:はい、どうぞ。
シュウ:じゃあ念のため大扉も調べとこう。(ころころ)
GM:大扉とエレベーターの付近には足跡もなく、使用された痕跡も見当たりません。
シュウ:ふむふむ。んじゃ、行ってみるしかないか。先に準備しとき、地下の深いところの敵は手ごわいってのが相場や。
テンクール:「拳しかないからな~、準備がない! あ、あと尻尾」
リャーチャ:「動かすのは、アシュリーさんにお願いするのがいいと思いますわ。なにかあっても彼女なら自力で降りてこれますから」
シュウ:「アシュリーさんに動かしてもろて、ん? 自力って……」
GM:アシュリー:「はい、分かりました」
リャーチャ:「あら、言ってませんでした? 彼女、ヴァルキリーですわ」
今更、アシュリーの種族を暴露ですか。ノリノリで話し始めるプレイヤー陣に、GMは介入するタイミングを逃してしまいました。
テンクール:「?!」
シュウ:「えぇぇ!? いやいやいや、何ウサギしれっと言うとんねん!」
テンクール:「え!? そうなの!」
シュウ:「おま、いつ気づいた!」
リャーチャ:「ウサギじゃなくてタビットですわ!ていうか最初に……え、皆さん気が付いてませんでしたの?」
テンクール:「きづかん! そんなに気にしてないからな!!」
シュウ:「言えよ!!」(リャーチャの耳をつかむ)
リャーチャ:「耳掴むな!」ぷらーんぷらーん足ダンじたばた。
アシュリー:「いえ、いつもの事なので気にしてませんから。そろそろ降ろして良いですか?」
シュウ:よし、ではウサギを下ろして下に向かおう……覚えてろよ。
テンクール:「よく気が付くな~」
リャーチャ:「ええ……なんでシュウさんこんなに怒ってらっしゃるのかしら?」
テンクール:「なんでだろうな? そんな重要じゃないだろ?」
シュウ:「俺が知ってるタビットは、もっと賢いと思ってたんや……はぁ」
リャーチャ:降りましょう。ええ。GMがこの茶番に飲み込まれてる。
GM:では装置を起動させてすぐにアシュリーは魔法陣に飛び乗ります。魔法陣が掛かれた床がガコリと音が鳴ってゆっくりと降りていきます。下を覗くと4mほどで、降りきるには1分くらいかなー。と感じます。
シュウ:神経を尖らせます。
GM:下の部屋は……広すぎて分からんな! ライトの効果より遥かに広いです。
シュウ:ライトの効果範囲外もずっと続いている感じやね。
GM:ずっと閉ざされていたのか、少し埃っぽい感じがしますね。誰も出入りしていなかった感じ。
シュウ:全員にしーっとジェスチャーして、聞き耳。(ころころ)
GM:テンクールもどうぞ?
テンクール:(ころころ)
GM:はい、この部屋からは何も音は聞こえない……ですが、半分ほど降りきったところで、入り口に仕掛けた鳴子が鳴ります。
リャーチャ:上か!!
テンクール:「なんだと!」
GM:で、聞き耳してたから分かるけど、複数の足音がこちらに向かって走ってくるのが判るよ。
シュウ:それは上から? それともこの部屋の中から?
リャーチャ:からんころーん、たたたたたた。
GM:地上1Fからです。
リャーチャ:そんな気はしてた。