envy
微妙な気持ちを書きたくなって作りました。
多分、深夜のテンションで作ったので意味不明だと思います。笑
ある日、1人の少女が亡くなりました。
彼女は沢山の人から愛され、沢山の人から惜しまれながら亡くなりました。
少女には親友がいました。
彼女は少女のことが嫌いでした。
親友なのに、です。
誰よりも一緒にいたはずなのに、です。
少女はとても優しく、気さくで、明るくて、みんなに好かれていました。もちろん、親友の彼女に対してもです。
しかし彼女は少女が嫌いでした。
何度も、ずっと、好きになろうと努力しました。親友でいたかったから。
でも嫌いだと思ってしまう心は結局変えられませんでした。
少女はとても優しく、気さくで、明るくて、みんなに好かれていました。
こんな少女をなぜ自分だけが嫌いだと思ってしまうのか。
彼女は1人悩んでいました。
あんなにいい子なのに、嫌いだと思ってしまうなんて、私の心はなんて醜くて愚かなんだろう、と。
自分の心を否定するのは辛く、苦しいことでしたが、彼女は否定しながら必死で少女と親友であり続けました。
少女が亡くなった日、彼女は気づきました。
なぜ、自分が彼女を嫌いだと思っていたのか。
それは、「嫌い」とは少し違う感情だったということに。
少女はとても優しく、気さくで、明るくて、みんなに好かれていました。
彼女は少女が羨ましかったのです。
とても、とても。
彼女は少女とは違い、みんなに好かれるような人間ではありませんでした。
少女と一緒にいるとき、彼女は常に少女の影になっていました。
でも、そんな彼女にも少女は優しかった。
でも、それが余計、彼女にとっては辛くもあった。
みんなに好かれない彼女は、みんなに好かれる少女に優しくされることで、ひどく自分が惨めに思えたのです。
少女に全く悪気はないことも分かっていました。むしろ少女が彼女のことを好いていてくれたから、2人は親友になり得ました。
それでも彼女は少女に対して劣等感を抱かざるを得ませんでした。
今、彼女の棺の周りには沢山の人がいます。
彼女は考えます。
私が死ぬ時、こんなに人が集まってくれるだろうか。
なぜ、あの子が死ななければならないのだろう。
生きていればきっと、あの子はもっともっと沢山の人に惜しまれるような人間になれるのに。
なぜ、私ではないのだろう。
彼女は生きるのが苦しかった。
少女に対して劣等感を抱くことが辛かった。
羨ましいなんて思いたくなかった。
対等でいたかった。
少女が死んでも、その気持ちは変わりません。
そして少女の棺の前で、彼女はありのままの気持ちを伝えました。
一言伝えるごとに涙が止まりませんでした。
でも、彼女は必死で言葉を繋ぎます。
ごめんなさい、こんなこと言ってごめんなさい。困るよね。あなたは悪くないのに。
でもね、今気づいたの。
あなたが死ぬ時、劣等感を抱くことは無くなると思ってた。
でもそんなことなかった。今だって私よりあなたの方がずっとずっと素晴らしい人間だと思う。
でも、それは劣等感とも違うんだ。
今はただ、あなたがいなくなって悲しいの。
ずっと嫌いだと思ってたけど、それと同じくらい、私はあなたのことが好きだったの。
好きだから余計、あなたの良いところを沢山知っていたから、それだけ羨ましいと思ったの。
まとまってなくてごめんね。
あなたといてずっと辛かったと言ったけれど、でも、今思えばそれは辛いと言うよりもずっとずっと幸せなことだったんだ。
あなたがいないことの方が私はずっと辛いの。
彼女はしばらく泣いた後、涙を拭いて再び少女に話しかけます。
ごめんね。これじゃ安心して天国に行けないね。
大丈夫、私はもう大丈夫だから。
私があなたの分も生きてあげる。
あなたより優しくて、気さくで、明るくて、沢山の人から好かれるような人間になってみせるから。
そして、私が死ぬ時はここにいる何倍もの人から惜しまれながら死んでやるんだから。
どう、悔しい?
まぁ、あなたのことだからこんな私にも笑っておめでとうって言ってくれるんだろうな。
どうか見守っていてね。
そして、私が死ぬ時は、また親友になってね。
その時まで、私が羨ましかったあなたのままで、待っていてね。約束だよ。
そう言って彼女は少女と最後のお別れをしました。
最後に、ありがとう、大好きだよ。と添えて。
お読みいただきありがとうございます。
こんな気持ちになるのって私だけですかね?
私はすごく人に劣等感を覚えてしまって、羨ましくて人を素直に好きになれなくて、そんな自分が嫌いだったりします。
今回はもし劣等感を抱く相手が死ぬ時に、どんな気持ちになるのか想像して、なるべくプラスの方向になるように書きました。