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女性の悲劇と 男のマナー

作者: ケンタウロス

男4人組

行くべきではないところに行ってしまいました

彼らが目撃したものとは・・・

女性のお化粧 大変ですよね



暑い日が続いております

皆様

いかがお過ごしでしょうか



つくづく

男に生まれて

よかった


と 感じる季節です


暑い時に

喫茶店などで出された

おしぼりで

顔を拭う


思い切り

首筋から顔まで

こすり上げる


若干

オヤジっぽいですが


気持ちいいものです


エアコンの効いた店内


冷たいおしぼりもいいですが

熱いおしぼりもまた

気持ちいいものです



しかし

女性の場合は

そうもいきませんよね


カッコよくないのも確かですが


やはり

お化粧していらっしゃいますから


顔をゴシゴシ

とはできません




私 今の会社を始める前

長くサラリーマンを

しておりました


その時

社内で

ちょうど同年代

しかも

同じような立場で


仲のよかった

6人のグループがありまして


男性4名

女性2名


よく一緒に

飲みに行ったりしておった訳です



ある時

その中の女性の一人


坂上さん(31)

が 盲腸を患いまして

入院いたしました



ここはひとつ

仲のよかった友達で

お見舞いに行こう


と言う事になりまして


男4名で

果物 お花

など持ちまして

お見舞いに

出掛けた訳です


ちなみに

あと一人の女性は

どうしても都合があわず

別の日に

一人で行く


という事でした



さて

病院に到着いたしまして

受付にて

部屋番 確認いたしまして


エレベーターで

部屋のある階まで行く私達 男4人組



今から考えてみましたら

女性の入院なさっておられる所に

親族でもない男が

4名もぞろぞろと

雁首揃えて

行くものではなかったかも

知れません


他の一人の女性に

お見舞いの品と

気持ちを

託す


それでよかったような気がいたします



しかし

その時は

何も考えず


いってしまった訳です


ま 他の場面におきましても


いく時は

たいがい

何も考えず

我慢もできず


いってしまうもの

であるような

気もいたしますが


どのような場面で

いってしまうのか


今はちょっと

思い出せません



とにかく

むさ苦しい男が4人

部屋を探して

病院内を

徘徊していたわけです



あれ?

こっちじゃないみたいですよ

大野さん

向こうと違います?



え?

こっちじゃなかったですか?

さっきケンタさん

向こうじゃないって

言ってませんでしたか?



さっきはね

そう思ったんですけどね




あ こっちですよ

こっちの端の部屋みたいです



ぞろぞろと

そちらに向かう

中年カルテット

4人組



あ 本当ですね

書いてあります

坂上公代

6人部屋ですね



入ってみましょう




え~と・・・

坂上さん坂上さんっと

あれ?

いないかな?



いや・・・

ちゃんとベッドは埋まってますし

プレートには

名前も・・・



部屋を見回して

キョロキョロ探す

おバカ4人組



ベッドは

一応カーテンで

仕切れるように

なってはおりますが



よい天気の昼間

という事もあり


仕切りのカーテン

すべて

開け放たれておりまして

入り口から

全てのベッド

見渡せた訳なんです



私共

なんとなく

奥まで入りにくく

入り口で

キョロキョロしておりましたら



大野さんだけは

ズカズカと

一番奥の窓際まで

歩いていきまして


端のベッドから

一人一人

覗きつつ

こちらに

戻ってきております




ケンタさん

やっぱり違いますよ

坂上さん

いませんわ~

違う部屋探すか

ナースに聞いてみましょ



そうですね

もしかしたら

今日にでも部屋変わって

プレートだけ

そのままになってるとかね



じゃ私

ちょっとナースステーション

行って聞いてきますよ


などと

部屋の入り口で

ワイワイ騒ぐ野郎ども



しかし

その時


私は見てしまったのです

そうそれは


ちょうど

心霊番組で


よく言われるセリフ

そのもののような

光景でした





そのセリフとは




あなたには

見えただろうか


鏡に写り込んだ

異形の者の姿が



もう一度

ご覧いただこう


画面左端に

ご注意

いただきたい




そう

大部屋の左端


窓の手前で


私達に向かって

小さく胸の前で

手を振る


見知らぬ

おばさんの姿を



私は

見てしまったのです



私は

一瞬にして

その状況を飲み込み

理解いたしました



ワイワイ騒ぐ

皆を目で静止しつつ



ニコニコ

微笑みながら

見知らぬおばさんの方へと

歩いて行った私です


若干

声はうわずっておったかも知れません



さ・・・さ・・・坂上さん

お・・・お見舞いに

寄せてもらいました




ケンタさん

皆さん

わざわざ

ありがとうございます



声は


声だけは


確かに

聞きなれた

優しい

坂上さんの声でした



私は

自分の判断が

間違ってなかった事に

胸を撫で下ろしつつ

無事に


皆で

坂上さん・・・と思われる人の元へ



い・・・いや

さ・・・坂上さん

お元気そうじゃないですか

(まだ信じられないといった感じの大野さんの声)



ありがとうございます

大野さん

たかが盲腸ですからね

すぐに退院です




は・・・早く退院して

また元のきれいな

坂上さんに・・・

いや・・・

元気なさ・・・坂上さんに

戻ってくださいね




とにかく

ぎこちない内に

見知らぬおばさんの

お見舞いも終わり



皆 寡黙のうちに

病院を辞去いたしまして

車に乗り込んでから



口から出たひとこと




女の人って

大変なんやな~



全く

別人やったよな



目見た?

あんな小さかった?

一重やったし



なんか・・・

睫毛・・・どこにいったんやろ



うん・・・

おばあちゃんやったな


いやいや

大野さん

おばあちゃんは言い過ぎですよ

おばさんね

おばさん



肌も

なんか・・・



とにかく

恐ろしいもん・・・

見てしもた・・・



お見舞い・・・

行かん方が

よかったですね






皆様

暑い夏


ご自愛くださいませ


おしぼり

お貸し

いたしましょうか?



皆さん

暑い夏

充分 お体に気をつけておすごしください(笑)

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