自由なこころ その1
レンシー(以下:レ)「残してきて良かったんですか?」
ヒュドラ(以下:ヒュ)「エモに任せておけば大丈夫だろ。ニアスもネコもいるからな、問題ない。それにたまにはレンシーと話したいなと思ってな」
レ「なんです?」
ヒュ「それは酒買って宿に戻ってからだな」
街の光が邪魔してヒュドラの横顔は暗く見えた。
エモ(以下:エ)「こういう時は早く寝るに限るよ」
エモは少女に寝るよう仕向け、自らも傍らにあるソファに腰かけようとした。
ふと見るとニアスが少女が眠るはずのベッドの中でいつの間にか寝ていた。
ニアス(以下:二)「うーん、むにゃむにゃ・・・カニ・・・」
エ「カニ?」
二「カニ・・・食べたい・・・カブトムシ・・・」
寝言はさておき、起こすのは気が引けるのだが一旦退かさなければ。
エ「ちょっとニアス起きて、ここで寝ちゃ駄目でしょ」
少女「カブトムシおいしいですよね」
エ「食べた事ないし、訳分からん事言わないように」
少女「私は一緒に寝ますね、起こしちゃいけませんし」
エ「うーん、起きそうにないから仕方ないか」
妙に疲れているのでエモもソファに横になる。
警戒はしておくべきだろうが引きずられるように眠りについてしまった。
しばらくし、誰かの話し声が聞こえエモは飛び起きた。
ドアが閉まり、廊下の明るい光が遮られ誰かがこちらへ歩いてくる。
侵入者か?だとしたら時間はない、そう思うや否や槍を握った。
少女「あら、起こしてしまいましたか?」
何にも無かったかのような表情をしエモを見ている。
しかし、誰と話していたのだろうか。
今日襲われて軽率な行動はしないと思っていたのが間違いだった。
エ「誰と話してたの?」
少女「ええ、マネージャーですよ」
エ「マネージャー?」
少女「まぁね」
エ「そのマネージャーがこんな時間に?」
少女「ええ、来ることになってたんです」
少しイライラしながら来るなら来ると始めから言って欲しかったと思うのであった。
もしかしたらそのマネージャーとやらの声色を真似して騙すこともできるのだ、危険はまだ去ったわけではない。
エ「それで何て?」
少女「色々準備してくれるようです」
エ「まぁそれなら安心かもね、それはそうと少しは警戒してドア開けてくれない?今日襲われたばかりだよね?」
少女「襲われたのは昨日ですよ。それに開けたのはマネージャです(⌒-⌒)」
エ「え!?そ、そうなんだ」
少女「よくできたマネージャーですから」
よくできるマネージャーならこんな目に合わせないようにしなけりゃいけないのに今まで何やってたのやら。
とりあえず明日の・・・日付では今日の朝にそのマネージャーと会わなければいけないな。
少女「まだ朝には時間がありますし、寝ましょう。一緒に寝ます?」
エ「いや、私はここで」
なんだか心配だな、ドアを開けてしまって気づかなかったのは私の失態だった。
こんな時だからこそ起きていて対応しなければいけなかったのだ。
眠ってしまうとは情けない。
ソファに座り槍を握りしめ床につきたてた。
少女「大丈夫ですよここは安全ですし、寝ないと毒ですよ」
エ「そういう訳にはいかないよ、何が起こるか分からない」
少女「そうですか?私は寝ますよ。お休みなさい」
神経が図太いのかそれとも無知なのかエモには最早分からなかった。
よし、朝まで起きていよう、朝になればヒュドラ達も来るだろう、全てが片付いた時に休めばいい。
眠りについた少女と眠り続けているニアスを見て呆れ果てているが羨ましいと思った。




