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失われた宝石  作者: 田貫うどん
第八章
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OPTIMAL PERSONA その2

いつもの如く宝石についての情報はなかった。

この港町の名はブルーランド、その名の通り青い屋根の家が多い。

それはともかく教会にいた司祭が言うには、


ブルーランドの司祭(以下:ブル)「噂には聞いてますよ、屋台で売ってる石を使うと不思議な力が湧くらしいです。

私もどういった物か並んで見たのですが、結局買えずに仕事が入ってしまい分からずじまいでして、もし手に入れたら私に教えてください」


司祭という職業はいわゆる何でも屋なので忙しい。

長い時間教会を離れる訳にもいかず知りたい情報なのに分からない。

ただ石を売っているという情報だけを知っていても気になって仕方がないのだ。


レ「並んでみましょうか。でも並ぶのは一人でいいのでは?」


ヒュ「その心は?」


レ「いつ買えるとも知れない石の為に足止めを食うわけにはいかないでしょ?」


エ「確かに、それじゃレンシーよろしく」


ヒュ「お、レンシーやってくれるのか。よろしく」


二「お願いします」


レ「まぁいいですよ。並んでる間は何かしら情報掴んでおいてくださいよ」


ヒュ「分かってるって、さぁ行きましょか」


レ「たまには戻ってきてくださいよ。並ぶのも辛いんですからね」


そう言ったレンシーだったが、自由奔放な三人と別行動できる事が少し嬉しかった。

勤勉なレンシーは読書が好きでこの旅が始まってからはまともに読みふける事は出来なかったのである。

並ぶ時の時間つぶしは読書の時間に充てられる、情報集めは不安があるが任せられる束の間の休息。


エ「レストランの方まで行ってみようか、人が多いし何かしらあるかもよ」


レ「任せましたよ」


レンシーと別れるとヒュドラはおもむろに呟いた。


ヒュ「レンシーを一人にして大丈夫かな?先の洗脳事件もあるしちょっと不安だな」


二「大丈夫でしょ、人いっぱいいたから」


ニアスはウサギとカニの世話をレンシーに頼んでおいた、二匹が居れば安心だと思っている、ネコはニアスの横でまだ魔法が解けていないので大きいままである。

三人は買い食いしながら歩いていく、昼飯は食ったがおやつは別腹である。

ふと、大きなデパートの前に人だかりが出来ているのが目についた。

大安売りの旗がいくつも潮風でばたついていて音を立てる、それに目もくれず血眼でギラギラした男たちが興奮したように固まっていた。

時折歓声が上がり、町を往来する無関心な人々は何事だと振り返る。


エ「何かあるのかな?」


ヒュ「どうせろくでもないことだろ、見てみろ、あいつら何かにとりつかれた様な顔してるぞ。こら、あんまりジロジロ見るもんじゃありません。

と言ってるそばから、おいニアス戻ってこい」


ニアスは人だかりに近づき様子をうかがっている。

割って入っていけずウロウロと、一番外側にいた人を突き何事か尋ねている。

成程と頷き戻ってきた。


二「何か有名人がいるみたい。みんなそのファンだそうよ」


ヒュ「ほう、この国にも俺以上の有名人がいるのか」


エ「え?ヒュドラ有名だったの?どの界隈で?」


二「私は知ってたから有名かもしれない」


ヒュ「ま、まぁその話はよそうか・・・」


ヒュドラは思い出したくない記憶を呼び出してしまった。

これについては第七章「空蝉」辺りを参照を。


ヒュ「もう少し先を散策してレンシーのところ戻るか」


エ「ちょっとその有名人見てみたいな」


二「男が群がってるからたぶん女の子だろうね。男に群がるのは女だろうけどちょっと気持ちが分からない」


他愛もない話をしながら先に行ったが、得られた情報はそのデパートに現れた有名人についてばかりだった。

どのような話をしても有名人の話に繋がっていく、ここの住人達も少しは気になっているのだろう。

他に情報もなくガッカリしながらレンシーの元へ戻る。


レ「ああ、お帰りなさい。待ってましたよ」


ヒュ「おう帰ったぞ」


二「夫婦みたい」


エ「どっちがどっち?」


ヒュ「おいこら、それよりどうだった?」


レ「買えましたよ。これです」


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