SACRIFICE その2
レンシーを囮に使い悪魔っぽい奴を誘き出す作戦を立てる。
危険は伴うが避けては通れない事案なのだ。
夕方に行動を開始する。
ヒュ「さて、準備はいいか?」
エ「もちろん、丸太は持ったよ」
二「重いから持ってない」
ヒュ「要らないからね。真面目にやろうね」
微力ながらとブラウン島の司祭も協力してくれた。
レンシーがもしもの時はどうにか対処してくれるという。
レ「私の為に申し訳ないです」
面目なさそうに頭を下げたレンシー、だがこれは最早レンシーだけの問題では無いのだ。
ヒュ「やってやろうぜ」
陽は傾き街灯が点き始める。
昨日に比べると不穏な空気が漂っているように感じる。
これから起こるかもしれない成り行きに不安を覚えた。
レンシーを先頭に昨日ニアスが襲われたという場所へ向かう。
ヒュ「慎重にだ」
必要以上に敏感になるヒュドラ、それを感じ取ったのかエモもニアスも緊張している。
レ「この辺りであの人を見かけたんですが、今はいないみたいですね」
とりあえずレンシーが見たという場所を確認してから現場へ向かう。
しばらくして、急に街灯の電球が切れ辺りを照らすものが無くなると生暖かい風を感じた。
エ「何か嫌な感じ」
二「ネコが唸ってる、何かくるかも」
少し離れた場所で何かが動く、目を凝らすもよく見えない。
確か昨日の奴はぼやけた、靄のような存在であった。
しかし目標がその動いたものだと確信は無いがきっとそうに違いない。
ヒュ「こっちへ向かってくるな。慎重にだ」
レ「なんか、動悸が激しくなってきました」
エ「私達を信じて」
レンシーは頷く、不安で溢れる現状で救われる一言である。
もう二度と轍は踏まないと励まされた。
ニアスは目が良いのでいち早く相手の姿を捉え驚く。
二「え?何で?」
エモ達もその姿を確認すると同じように絶句する。
ヒュ「あの野郎、いつの間に目の前にいるんだよ」
目の前にいたのはレンシーだった。
ん?レンシーは後ろにいるはずだよな、振り返ると険しい顔のレンシーがいた。
ということは目の前にいるレンシーは生き別れの双子と考える事が正しいだろうか。
いや・・・そんなはずはない、双子なら地下室で仮面を被っているだろうし、目が見えないはずだ!
もしかすると・・・。
レ「あれは私のダミー人形かもしれません、悪魔なら作ることも可能でしょう」
第三章で登場した死霊術師は死体をアンデット化し生き返らせることができるが、
悪魔の場合はその死霊術とは違いダミー術を使う、人形に一時的な命を吹き込み意のままに操ることができると言われている。
これまた悪魔という存在自体胡散臭いので実際に見た事ある人はいないらしい(悪魔については第七章 Mortal その3を参照を)。
エ「見て!あのレンシーがレンシーの棍棒持ってるよ!」
ヒュ「なんだと?おいレンシー、あのレンシーが持ってる棍棒はレンシーのもので間違いないか?」
二「あのレンシーの棍棒は私が見る限りレンシーの棍棒に間違いないよ。柄のにレンシーのって書いてあるっぽいし」
ヒュ「確かにあれは私の棍棒です。勝手に人の物を盗るとはお仕置きが必要ですね」




