SACRIFICE その1
朝が来る、陽の光はまだ優しく照らしている。
焼けつくような日は今も知らない場所で突き刺さっているのだ。
目覚めは悪くない、だがここにレンシーはいない。
ヒュドラ(以下:ヒュ)「ニアス調子はどうだ?」
ニアス(以下:二)「良い方だよ。任せてよ」
レンシーと行動を共にできない事はご存じの通り、この状況を打破するにはエモ達だけでなんとかしなければいけないのだ。
今から情報を集める?いやそれは無駄だろう。
誰か囮になる?危険だが一番の案だろうか。
エモ(以下:エ)「明るいと敵は出てこないんじゃない?」
この島は観光客が多く朝から夕方はどこも人が多い、だからといって夜だけ敵が現れるとも限らない。
どうすればいい、朝一に行動するといった手前何かしら提案しないとグダグダになってしまうとヒュドラは思った。
ヒュ「レンシーの所へ行こうか」
二「うん」
昨日は思い出せなかったレンシーの記憶も夜を明かせば何か覚えているかもしれない。
早速エモ達は教会へ向かった。
ブラ「おはようございます皆さん」
ヒュ「早速だけどレンシーはどうしてる?」
ブラ「まだ眠っていますよ。かなり神経を使ったようですから」
二「起こしてきてもらおうよ」
エ「そういうことでお願いします」
ブラ「分かりました。少しお待ちください」
ブラウン島の司祭はレンシーを連れてきた。
レンシーは申し訳なさそうに頭を下げた。
エ「気分はどう?」
レ「優れませんね、皆さんにはご迷惑をおかけしました」
ヒュ「気にするな。ところで何か思い出したか?」
レ「昨日の夜はあれから断片的ですが思い出しました」
レンシーは語り出す。
ニアスを先頭にカニを捕まえに出た三人を見送った後、視線を感じ振り向いた時に近くの商店の裏へ何者かの影を見た。
気になってそこを調べに行って何かを見た、そこまでは覚えていると。
レ「その何かが思い出せないのです」
ヒュ「そいつが昨日対峙した奴かもしれないな」
ヒュドラとエモはレンシーに悪魔っぽい女の説明をした。
それを聞いたレンシーは目を見開き合点したように頷いた。
レ「思い出しました!多分その人と同じ人を私は見ました。間違いないと思います。でもそこから記憶がないのです」
ヒュ「それしか思い出せないか。大した情報じゃないな」
レ「待ってください、他にも何か・・・あるかもしれない・・・」
しかしいくら思い出そうとも何も出なかった。
ブラウン島の司祭のもてなしのお茶は出たが。
エ「どうする?探し回るにしても範囲が広すぎない?」
ヒュ「そうだな。夜まで待つか?」
二「夜は眠くなるからやだな」
早速行き詰ったエモ達。
ここでブラウン島の司祭が提案をだす。
ブラ「もしかするとレンシーさんを狙ってまた来るかもしれませんね。一度操った人は洗脳とか魅了に弱くなると聞きます」
ヒュ「レンシーを囮に使う?」
エ「それしかないならそうしようよ」
ブラ「ただ、レンシーさんや他の人達に危害が及ぶ可能性がありますので慎重に考えてください」
ヒュ「レンシーはきっと頷くさ。それしか名誉挽回することが出来ないんだからな」
レ「ええ、臨むところです」
4月3日に誤字等修正しました。




