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失われた宝石  作者: 田貫うどん
第七章
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SHADOW OF LOVE その3

レンシー「もっと蹴ってぇ!」


ブラウン島の司祭の手から放たれた光はレンシーを包み込み、失われていた正気をやっとのことで取り戻したようだ。

何か聞こえた気がしたが気のせいだっただろう。


エ「レンシーしっかりして」


レ「う・・うん・・・ここは?」


ヒュ「天国だよレンシー」


レ「ここが、天国ですか・・・なんとも殺伐とした・・・ああ・・・漏れそうです」


エ「レンシーが壊れた!」


ブラ「まだ幻影を見ているかもしれないですね。もう少し何とかしましょう」


ヒュ「それよりそこに倒れている人をお願いします」


一人は息絶えているが、もう一人の安否は不明である。

司祭は様子を見て安心する、外傷はあるが命は無事だと。

死んでしまった人の方の様子を確認する司祭。


ブラ「致命傷を受けてますね、残念ですが私の力ではどうすることはできません」


ついに死人が出てしまい沈痛な面持ちをする司祭。

何かで殴られているということはレンシーに疑いがかかる。

いつも所持している棍棒は手元にはなく、辺りは暗くて見つける事が出来なかった。


ヒュ「司祭さんよ、俺はレンシー連れて教会まで行くから彼らを頼むよ。エモ手伝え」


亡骸をネコの背に乗せエモと司祭は気絶している震える男を抱える。

ヒュドラはレンシーを担ぐと教会まで歩いて行った。



その後、正気を取り戻したレンシーは今までの事を覚えていなかった。

気を失っていた震える男も目を覚まし、事情を聞いた。


震える男「暗くて見えなかったけど、彼が悲鳴をあげる間もなく倒れていて、目の前にはこの司祭がいました」


ヒュ「この司祭ってことはレンシーのことだな。レンシーがやったんだな・・・」


震える男「殴っている所を見たわけではないですが・・・たぶん・・・」


レ「・・・」


震える男も記憶が定かではないようで、曖昧な受け答えをした。

レンシーは終始無言で俯いていた。


エ「まだレンシーがやったって証拠は無いんだし、ねぇ?」


ブラ「彼がやったとしても先程の状況では罪に問えません」


ヒュ「それはそれで・・・うーむ・・・」


ヒュドラが考えるに、死に至らしめたのはレンシーである事は間違いないだろう。

どうすればいい、不本意な終わり方をするわけにはいかない、今は解決を目指すべきだ。


エ「どうにかなるかな?」


レ「すみません、私のせいで」


ヒュ「レンシーを今連れていくことはできないだろう、ただ、少しだけ待ってくれ、何とかするから」


ブラ「分かりました、彼は一時私が預かりましょう」


エ「ねぇどうするの?」


ヒュ「戻ろう、ニアスにも説明しないと」


教会にレンシーと震える男を残しニアスのいる宿屋までの帰路、二人と一匹の足取りは重かった。

目の前にはどこからともなく現れる赤い炎、見えない鞭から放たれる音速のしなり。

絡みついて離れないその姿、坂道を転げ落ちるような、抗えない加速に飲み込まれてしまいそうだ。

ヒュドラは立ち止まり振り返ると涙目のエモが不安そうに見上げる。


ヒュ「そんな顔するなって、何とかなる」


エ「でも・・・」


次の言葉が見当たらない、たとえ罪がなかろうと司祭である以上事実だと確定されればレンシーの心には大きな穴が開いてしまうだろう。

どうして俺じゃなかったんだろうと繰り返し頭の中を渦巻いている。


ヒュ「大丈夫だ」



そんなこんなで宿屋に到着、レンシーもだがニアスの様子も気になる。


エ「ニアスただいま・・・ニアス!?」


目に飛び込んできたのはニアスがベッドの上で顔の辺りが血まみれになっている姿だった。

血はもう固まってしまっていた。


ヒュ「なんで・・・おい、おいニアス!」

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