表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
失われた宝石  作者: 田貫うどん
第七章
81/128

Mortal その6

ニアスが語ったのは到底信じられるものではなかった。

しかしそれは事実だと捕えるしかないだろう。

レンシーがニアスを襲ったのだ。


エモとヒュドラと別れたニアスは倒れていた場所辺りでレンシーを発見したのだ。

声をかけ近づくとレンシーの目は常人のものではなく真っ赤になっていたそうだ。

するといきなり襲いかかってきて、寸でのところで避け、ネコに魔法をかけ巨大化させた。

ネコはニアスをかばいレンシーの攻撃を受け怪我を負った。

ニアスの怪我は避けた時に出来た擦り傷のみである。

レンシーはネコに何度か攻撃をしたがしばらくすると森の中へ消えていったという。


ヒュドラ(以下:ヒュ)「レンシーがか?」


ニアス(以下:ニ)「そうなんよ、なんか様子がおかしかった」


エモ(以下:エ)「何かあったのかな?」


ヒュ「おかしかったってロープとロウソクは持ってたか?」


ニ「たぶん持ってた、眼鏡も掛けてた」


ヒュ「それは嘘だろう」


ニ「ねぇ、これからどうしよう」


ニアスは休ませておこう、エモとヒュドラだけでレンシーをどうにかしようと思う。

だが、どこにいるか分からない。

ニアスからネコを借りることにした。

ネコの怪我は軽度だったので嫌々ながらもニアスは承諾した。


ニ「今から行くの?」


日は沈み外は暗い、街灯はあるが明るくはない。

最近では多数の被害者が出ているので外出を控える人が多く商店も早々に閉店している。


ヒュ「放っておきたいのは山々だけど、これは早くどうにかしないとな」


エ「大丈夫、何とかなるって」



信心深い人ほど何かに没頭すると抜け出せなくなるもの。

そこには一片の隙もないのだが、ちょっとしたことで綻びは解れ穴が生じる。

目的地に着いた安堵、満腹からの気のゆるみ、どのような行動にも取り入る場所がある。

ほんの少しだけ隙間に入り込むことが出来ればたちまち私の玩具となる。

鞭を振るう無知ではない、最近発症した能力は人を操る事ができるのだ。

更に心の闇は深くなっていく。

今迄にない感覚が広がる。

見えるだろ?足元には死にゆく者の姿が。

もっと欲しい、もっとだ。

徐々に過激になっていく行動、狂いだしていく時間は止まらない。

心の底から溢れる悦び、渦巻く恐怖は島全体を覆い始める。

連鎖はまだ始まったばかり、終わりを知る者はまだ誰も知らないのだ。



どこからか悲鳴が聞こえた。

エモはその声を聞くと走り出した。


ヒュ「ニアス行ってくるよ」


ニ「無理しないでね」


エモの後を追うヒュドラ、声のした場所は遠くない。

直ぐに追いつき状況を確認する。

一人の男が倒れていて、近くには手の震えが止まらない男がいた。


エ「何があったの?」


震える男「今襲われたんだ、君たちが来たから逃げていったけど」


彼は怯えた様子で混乱していた。

倒れている男は何かで殴られたようだった。


ヒュ「まずいな、致命傷だ」


倒れている男は痙攣し、やがて動かなくなった。


震える男「なんてことだ・・・」


エ「どうしよう」


ヒュ「レンシーがいればなんとかなるんだがな」


相手が誰だか分からない、このまま無暗に行動すればどうなるか分からない。

このまま死んでしまった男を放っておくことはできない、だが今夜もまだ何かある予感がするのだ。

早くどうにかしなければ、でもどうしたらいい。


ヒュ「エモはここに居てくれ、教会へ行ってくる」


エ「分かった、急いで」


ヒュドラはヘイスト(移動加速の魔法)を唱え教会へ向かった。

エモは残された男をなだめながら辺りを見回した。

誰もいない、犯人はどこにいるのだ。

警戒している中で傍らにいたネコがうなり出す。


エ「誰かいるの?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ