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失われた宝石  作者: 田貫うどん
第一章
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出発進行 その3

情報によるとここから更に南の方に行くと少し寂れている町があって東に行くと少し発展した町があるという。


ヒュ「で、この情報は誰が持ってきたのかな?」


エ「私です」


自信満々なエモを見てまた不安になった。

得られた情報、それは南と東に町があるというだけのものだった。


エ「ちょっと待ってよ、これだけじゃないよ情報は」


勿体点けた言い方、ヒュドラを苛立たせるには十分だったが、そこは大人なので我慢した。


エ「南の方で宝石の欠片を拾ったという人がいるらしいんだよ」


レ「それはちょっと気になりますね」


エ「でしょ、それで手に入れた人は性格が変わってかしくなったらしいよ」


ヒュ「多分うつ病の始まりみたいなもんじゃない?俺も昔は・・・」


レ「その話は長くなりそうなので置いといて、性格が変わったのですか。そういえば宝石の欠片を持つ者を狂わせるとありましたね。

本当の事かは分かりませんけど」


ヒュ「調べてみる価値はあるんじゃないか?」




早速南下する。

今回の道中は食料を持ったので順調に進んだ。

まだ町は見えない、夜も暗く途中野宿することになった。

郊外だがそれでも町の中は灯りで溢れている。

しかし町から町へと繋ぐ道には外灯など無く、辺り一面真っ暗だ。

いつもは気にしていなかった空、その星明り、月が無い夜。

この夜が本当に無くなってしまうの?

当たり前の日常が無くなるってどうして?

疑問は尽きない。


レ「ヒュドラ、ファイアで薪に火をつけてください」


ヒュ「はいよ」


小さな光の玉は枯れ葉に燃え移り小さな枝を燃やす、そして小さいながらも暖かな炎が出来上がった。

安全な道でも夜になれば話は別、野犬の群れ、はたまた未知の生物がいるかもしれない。

旅を続けるには知識も必要になってくる。

ヒュドラとレンシーは以前共に旅をしているのである程度の知識を持っていた。

早く寝て早く出発する、暗くなったら移動しない、家で寝るこれが鉄則だ。

エモにとっては初野宿か、まぁこいつは神経が図太いから大丈夫だろう。


翌朝、疲れも取れ次の町を目指す。

まだ見えぬ町に、もしかしたら行く方向間違えたのか?と思えてきた。

きっと大丈夫、隣町で買った地図通りに行けばもうすぐだ。


エモ「ちょっと地図見せてよ」


ヒュ「はいよ」


手渡された地図に目を落とす。

エモの住んでいた町はレッド町とあった、隣町はグリーン町。

今から向かおうとしている町はモスグリーン町。


エ「こう見ると地名って適当につけられてるんだね。ずっとレッド町に住んでたから気にもしてなかったけど」


適当と言われちゃ黙っちゃいない、無いよりましだ。


エ「ちょっと待ってよ、この町の隣の海、私が知っている名前と違うよ!」


ヒュ「なんだと!?あの道具屋のジジイ、バッタモン掴ませやがったな」


レ「まぁいいじゃないですか、それでも十分使えるんですから」


ヒュ「そういう問題じゃない、これは俺たちの沽券に関わる問題だろ」


荒ぶるヒュドラを抑えようとしても言うことを聞かない。

レンシーはこのクソ野郎をちょっと黙らせるために棍棒を握った。


エ「ヒュドラ、レンシーが」


ヒュ「あ?なんだって?レンシー、お前は物分かりが悪いんだよ!・・・あ、ごめんなさい」


レ「ヒュドラは物分かりが良くていい子ですね」



さぁ先を急ぎますよとレンシーは二人の前を歩いて行った。

しばらくすると町に到着した。

工場が多いこの町は旅人の足を止める程の物が無いので宿は無く、ちょっとした商店があるのみだった。

早速基本の酒場で情報収集。

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