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失われた宝石  作者: 田貫うどん
第六章
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Who's clown? その6

小柄改めルリ姫(以下:ル)「何よ、また追いかけてきたの?相当私の事が好きみたいね」


老人改め執事(以下:執事)「当たり前です。怪我などなされたら旦那様がどんなに心配になることか」


姫と執事の話は堂々巡りで終わりが無く、双方折れる事を知らないらしい。

レンシーが思うにルリ姫は大人しく家に帰ってくれるはずもなく、執事の言い分も回りくどい。

これ以上は面倒なのでどうにか説得しようと考えた。


レ「ニアスちょっといいですか?」


ニ「何?」


レ「事態を収拾するためにウサギを捕まえる手助けをしてくれませんか?」


ニ「いいよ。捕まえてくる」


レ「いやいや、ニアスが捕まえるのではなく、ルリ姫に捕まえさせるのです」


他人から捕まえて貰ったウサギではなく自力で捕まえたウサギでなければ納得するわけがない。

金を出せば手に入れる事は簡単、しかし金の問題では無い自らの手で捕まえるからこそ達成感があるのだ。

ニアスに手伝いをさせる、言うことをきいてくれればいいのだが。


ヒュ「なぁ今が逃げ時じゃないか?」


エ「また逃げるの?レンシー置いて?」


レ「呆れた人達だ。もう足を突っ込んでしまったんですからどうにか解決しましょう。それではニアスよろしくお願いします」


ニ「へい」


執事に話をし、姫をもう少し見守ってくれと諭す。

そこまで言うなら仕方ないと納得しないまでも落ち着いてくれた。

姫にはニアスがウサギを見つけ誘きだせばすぐに捕まえられると唆した。


ル「あなた達の手助けなの必要ありません!が、そこまで言うならお願いしましょう」


ニ「素直じゃないね」


レ「素直に従ってヒュドラ達と逃げるニアスも大概ですよ」


エ「ははは」


レ「エモもですよ!」


ヒュ「怒られてやがる」


レ「・・・」


そして十数分後、ニアスが言われた通りウサギを姫の方へ誘導し捕獲に成功した。


ル「やりましたわ!おーなんて可愛いのでしょう。ナデーナデー」


執「流石は姫様です。皆様ご協力ありがとうございました」


レ「ニアスお疲れ様」


ニ「簡単なお仕事でした」


ニアスはやり遂げたのだ。

時は金なりと言い放って無益な仕事をやらずに逃げたニアスが。

こぼれたスープを勿体無いと言ってパンで汁気を吸っていたニアスが。

あのニアスが文句も言わずにやり遂げたのだ!

ニアスの小脇に姫のとは違うウサギが挟まれているのを見たのは気のせいだろう、きっとそうに違いない。


ヒュ「結構時間使っちまったな。先を急ごうぜ」


ル「次はあのアライグマよ(o'ω`σ)σ」


指差す方にアライグマはいたけども、つきあってはいられない。

皆執事の方を見ると彼は深々と頭を下げた。


執「大変ご迷惑をお掛けしまして本当に申し訳ありません」


レ「これで納得してくれるといいのですが、たぶん大丈夫で・・・すかね?」


執「ええ、言うことを聞かせますので」


エ「満足してればいいけど」


レ「そうですね、そう願うばかりです」


ニ「私は満足」


レ「そうでしょうね」


執事に姫を押し付け、これ以上は御免だとそれとなく伝えた。

どうにかなだめて押し付け別れの時、ものはついでだと恩着せがましく宝石について何か知っている事を聞いておくべきだろう。

しかしながら執事は宝石については何も知らないと首を振った。

私にできる事があれば喜んで力を貸しましょう、近くを通る際は是非とも寄ってくださいと屋敷のある場所を執事に教えられた。

こういった予想外の出会いが宝石の発見に近づく一歩なのだ。

繋がりというのは大事であるが、迷惑な姫とは係わりたくはないと思った。

姫と執事はここから近いホワイトローズ(教会従事者の町)へ行き、捕まえたウサギの保護と帰る手段を見つけるそうだ。

別れ際にルリ姫は


ル「まだ足りませんわщ(`Д´щ;)」


と叫んだのだが、振り返らず次の町を目指すため歩みを進めた。

どっと疲れが出たが、町の灯を見るにはまだ先になりそうである。

後戻りはせずただ邁進まいしんしていく。



レ「今更ですけど、どうして逃げたりしたんですか?」


エモヒュドラニアスは無言のままであった。


レ「理由を聞かせてもらいますよ。そうでなければ分かっているでしょうね?」


ヒュ「それはエモが」


エ「何言ってるのさ、ヒュドラが逃げろって言ったんじゃない」


ニ「ヒュドラが逃げろって言ったんよ」


レ「ヒュドラが言った事は間違いないですが、それに追随した二人も断ることは出来たはずです」


エ「でもヒュドラが」


ニ「猫が!」


ヒュ「猫は関係ないだろ、はいはい私が悪かったですよ。ごめんよレンシー」


レ「全く、ヒュドラには見本になるような行動をしてもらいたいですね。まぁいいでしょう、先を急ぎましょう」


夕闇の訪れは早く、足止めを食らったエモ達は次の町へたどり着けず途中で野宿をすることになった。

文句を言っているヒュドラを尻目に、レンシーの心は何故か清々しさで溢れていた。

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