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失われた宝石  作者: 田貫うどん
第六章
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Who's clown? その4

レンシーは倒れた小柄に近づいた。

たとえ相手が訳のわからない人物だとしても司祭という職業柄怪我をした人や困った人を放っておくことはできないのだ。


レ「大丈夫ですか?」


声をかけても反応はない。

打ち所が悪かったのだろうか、応急処置をし正確な対応をしなければいけない。

変に揺らさない方がいいと小柄を仰向けにしてエモ達の方を見た時、小柄の目が開きレンシーの脛を思いっきり蹴ったのだ。


小柄「油断しましたね。ほほほほ。(゜д゜)バーカ」


レ「うっ・・・な、なんてことを・・・」


悶えるような痛みが走り思わず座り込んでしまった。

すかさず小柄がレンシーの頭を引っ叩くと声高らかに、


小柄「私の勝ちね、さぁさっさとその猫をよこしなさい」


エモ達は呆然としてその光景を見ていた。


ヒュ「レンシーすまん、あとは頼んだ!逃げるぞ!」


エ「おう、走れ走れ!」


ニ「それじゃレンシーまた~!」


必ず受ける傷ならば出来るだけ最小限に留めることが何よりも重要だ。

これはどのような場合でも言える事で、誰しも買い物するなら出来るだけ安いものを選ぶことだろう。

それがいまレンシーを人身御供にするという最善?の手を使うことでこの場から離脱を図るのだ。

ヒュドラ達の性格を知っているとはいえこれほどの仕打ちは考えた事が無かった。


小柄「あ、ちょ、ちょっとーー!こいつどうすんのよ!」


ヒュドラは逃げながらつぶやいた「レンシーよ、逃げるが勝ちだ」と。

そんな言葉など聞こえるはずもなく、小柄と共に残されたレンシーは脛の痛みなど忘れていた。


小柄「あんたの仲間薄情だな」


レ「・・・」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


エモ「急げ急げ!」


ニアスは猫にまたがりヒュドラとエモより先に進んでいる。

ふと逃げる事に専念していたヒュドラだったが、果たしてこの選択は最良だったのかと考えた。

多分間違いなのは確かだし、レンシーを置いてきたのはちょっと自分でもどうかしてたと反省した。

しかし今更戻る訳にも行かなかった、何故なら今目指している場所は美術館がある町なのだから。

だったら先を急いだ方がいいに決まっている。


ヒュドラ「それは違うな、おいちょっと止まってくれ」


ニアスは見えなくなっていたがエモは素直に立ち止まった。


ヒュ「レンシーのことだけどさ、どうする?今更だけど」


エ「戻る?」


ヒュ「うーん」


命の危険はない事は分かる、しかしレンシーから何をされるか分からない。

顔は笑っているだろうが、握った拳は血で滲んでいるだろう。

殴られる前に戻って謝ろうか、でも小柄の持っていた光る物、あれは刃物なはずだ、殺されてしまう。

しかしながら実際には刃物ではなく、小柄の指にはめられた指輪が光に反射しただけだった事は今知る由もない。

色々考えていると、ニアスと老人を乗せた猫が戻ってきた。


ヒュ「ニアスこの人は?」


ニ「んー、おなかが空いて力が出ないみたい」


ヒュ「そうか、エモ何か持ってるか?」


エ「草まんじゅうがあるよ。これ食べる?」


老人「おお有り難い。なんと優しい方々なのだろう」


ヒュ「長旅するならさ、食料準備しないと駄目だよ」


そう偉そうに言っているヒュドラだったが、旅を始めた頃には駄々をこねていたのだ。

(詳しくは最初の方をご覧ください)


老人「申し訳ない、急いでいたもので。どうしても見つけなければいけない方がいるのです」


ヒュドラは嫌な予感がした。

このままこの老人の話を聞いてしまえば手伝わなければならないだろう。

エモが手伝うと言う前に話を終わらせなければ。


ヒュ「そうですか、それでは私たちは先を急ぐので」


老人「ああ、それは申し訳ない、先を急ぐのですね。これはこれは本当に失礼しました」


ニ「え?ヒュドラどこ行くの?」


ニアスは空気を読むことは出来なかった。

まったく、次から次へと厄介事が重なると気が滅入ってしまう。


老人「君たち少し時間がありますか?もしよかったら私を助けてはいただけませんでしょうか?」


面倒なことになった。

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