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失われた宝石  作者: 田貫うどん
第六章
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Who's clown? その2

遠目からでは分からなかったが、近づくとその異様さは明らかだった。


ヒュ「何かの罠かもしれない・・・少し様子を見よう」


レ「ですが、あれは・・・」


その切り株は左右に細かく動いている。

何故なのか、それは何とも馬鹿らしい事で簡単に言えば着ぐるみの切り株なのだ。

中に誰かが入っている。

何のために?

それはエモ達には分かるはずもなかった。


エ「石でも投げてみる?」


ニ「ウサギちゃん逃げちゃうよ」


石を投げれば切り株?の近くにいるウサギは逃げ出すだろう、様子を見ていたがこれからどうしようかと考えていた時に、切り株からにょろっと細い手が出てきた。

気配を消し切れていないので手がウサギに到達する前に逃げ出してしまいウサギは離れて行った。

「チッ」と舌打ちが聞こえもぞもぞと切り株が動いた。

まずい、こっちへ来るじゃないか。


ヒュ「おいレンシーどうにかしろ」


レ「無茶な事を。相手の正体が分からないと迂闊に近づけないです」


ヒュ「近づかなくていい、相手から寄ってきているんだからここに立っていれば」


レ「嫌ですよ」


エ「石でも投げてみる?」


ニ「切り株逃げちゃうよ」


別にいいかと、ヒュドラは手ごろな岩を拾い上げようとしたところをレンシーに止められた。

流石にそれはまずいでしょということで結局着かず離れずを保つことにした。

動いている切り株はまだこちらには気づいていないらしい。

後ずさりをしているかのような速度で進んでいたが、急に動きが止まり百八十度回転して今まで反対側にあった方がこちらを向いた。


「あ」


切り株は確かに言った。

知らない人が四人と猫一匹がそこにいるのだもの驚くに違いない、しかもエモと目が合ってしまったのだ。

切り株から頭を生やした、例えるなら亀が甲羅から頭だけを出した状態で。

その顔は一瞬戸惑っていた様だったが、すぐさま振り返るとそそくさと茂みの方へ行ってしまった。


レ「・・・どうしましょうか?」


ヒュ「・・・よし、何も見なかったことにしよう!」


ニ「ねぇウサギちゃんはどうするの?」


ヒュ「この状態じゃ無理だろ、あれはどう見ても頭のおかしい奴だ」


ヒソヒソ声で話していたが、この言葉に反応したのだろうか、切り株は立ち上がりこちらに走り寄ってきた。

それはもう形容することが難しいくらいの表情で、恥ずかしがっているのか怒っているのかわからない。


ヒュ「うわぁ」


「あんたたち何の用があってここにいるんです?」


その切り株だった奴は小柄の女の子であった。

しかも憎たらしい上から目線で睨んできたのである。


ヒュ「なんかゾクゾクする。あ、いや、なんか切り株があるなぁ~って見てました」


小柄の女の子(以下:小柄)「勝ってに見ないでいただけますか?こっちもタダで見世物にしてるわけではないのですよ、謝ってください」


ヒュドラは「なんだよこの阿婆擦れが」と言おうとしたがレンシーが止めた。

とりあえず下手に出て謝っておけばやり過ごせるのだ、無駄な争いなどしない方がいいと諭す。


レ「申し訳ありませんでした。私たちはもう去りますね」


穏便に済ませよう、それが例え不条理だと分かっていても。


小柄「分かればよろしい・・・ってよくなああああーーーい」


一同「えーーーー!?」


なんだこいつは、言っていることとやっていることが滅茶苦茶じゃないか。

面倒な相手に出会ってしまったと少し後悔し始めた。


小柄「こうなったら勝負よ!m9(・∀・)ビシッ!!」


ヒュ「いや、訳が分からないし」


レ「どうしてそうなるんですか?」


小柄「う、うるさーい!勝負っていったら勝負よ!」


参ったなという表情のエモ達、どうやって切り抜けようか。

何か足蹴あしげにもできないし、困ったものである。


小柄「っとその前にトイレに・・・ε=ε=ε=┌(;゜д゜)┘ササッ」


なんだかなー。


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