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失われた宝石  作者: 田貫うどん
第五章
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白く染まれ その2

ヒュドラ突入前のレンシーはというと、禿げた司祭シンガと共に謁見室へと来た。

今から会うのはレンシー直属の上司ではないがシンガと係わりのある教会幹部の一人だ。

レンシーはもちろんそいつを知っていた。


レ「いいですか?私たちの言うことを聞いてください」


シンガ「分かってます」


コンコン、ドアを叩くと中から声が聞こえた。


「どうぞ」


これからシンガが上司にレンシーを紹介し勧誘が始まるのだ。

信頼できる仲間という名目で。


上司「シンガか、さっきはどうだったんだ?」


シ「そ、それは滞りなく」


さっきの事とは、麻薬取引のことである。

納骨堂に仕掛けられたアラームによってシンガ達は誰かが取引所に来たことをしっている。

レンシー達はアラームがある事を知らずに進んで行ったのは言うまでもない。

上司との面会、近くに見知らぬレンシーと対面したので直接的な表現は避けているようだ。


上司「ところで、その方は?」


シ「ええ、レンシーといって司祭の一人で、私が学徒の時の友人です」


上司「お前が連れてくるということは・・・」


シ「ええ、信頼できる者です。それに彼は有能でお世辞ではなく私よりも冴えていると思います」


レンシーはその言葉に震えた。

嘘でも褒められた事は久しぶりだったからだ。

とりあえずもうちょっと聞いてみようと思ったレンシーだった。


上司「そうか・・・それでレンシー、どこまで知ってるんだ?」


レ「詳しいことはあまり」


上司「私としては野心ある者は歓迎している。それに私の為に働くのであれば司祭という地位に留まらず高みにその身を置くこともできよう」


レ「なるほど。それで私にどうしろと?」


シ「まずは私のサポートになるでしょうね」


上司「うむ、顔が広いようだし、更に販売ルートの拡大をしたいと思っている」


レ「私で良ければお手伝いします。ところで、その売る物とはいったい何なんです?」


とぼけたふりをして上司に話しかける。

少し考えシンガを見た。

シンガは小さく頷き、上司はそれはここにあると手招きをした。


レ「これは・・・なんですか?」


上司「薬物といえば分かるかな?」


レ「薬物?」


上司「そうだ」


直接上司からもっと言葉を引き出したい。

それにはもう少し突っ込んだ方がいいだろう。


レ「成程・・・少し考えさせてください。」


シ「君には才能あると思うよレンシー」


ニヤニヤしたシンガはレンシーを見、上司を見た。


レ「ところで他にこれに係わってる人はいるんですか?私の信用できる人がいるのなら喜んで手伝いましょう」


しかめっ面をした上司、だが彼の心にはそれをも上回る欲望があるからかすぐに顔を戻した。

少し考えて数人の名前を告げた。


レ「分かりました。彼らならよく知っています」


レンシーはこれは好機だとし、ヒュドラ達に合図を送る。



合図というのは魔法使いだから出来る魔法で、遠隔スイッチのようなものである。

納骨堂にあった人を感知し知らせるものと根本的に構造が違い、納骨堂の物はアナログ式で扉が開くと紐で引っ張られる奴です。

あとここでのやり取りはレンシーの信頼できる教会の人に筒抜けなのだ。

これまたヒュドラの魔法で会話を他の場所で聞けるというものである。

人をテレポートセンターで一瞬で移動させることが出来るんだから当たり前のようにできるのです(第一章 旅立ちの日その2、第五章 アポリアその4を参照)

さて、筒抜けについてはレンシーが教会の謁見室に入る前に「ちょっとトイレに行ってくる」とシンガから離れた時に取りつけたものです。

レンシーの真剣な表情を見た信頼のおける上司の上司、それを察知してくれたのは有り難かった。

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