晴れた終わり その1
ヒュドラ(以下:ヒュ)「やぁこんにちは。元気?」
司祭に話しかける。
物置部屋の中にいた司祭は怪訝な様子でヒュドラを見ている。
「いきなり来るなんてマナー違反ですよ。予め連絡入れてもらわないと困ります」
ヒュ「すまない」
「あなた見ない顔ですね。初めてですよね?誰から聞きました?」
ヒュドラは困惑した。そう言われても知るはずもない。
ここは適当に誤魔化してしまおう。
ヒュ「ああ、えーと名前はなんだっけかな。酒場の少し小さい奴だよ」
「えーと、酒場の小さい奴ねぇ・・・コナーズさんかな?」
よし、うまくいったぞ。そして曖昧に答えればなんとかいける!
ヒュ「確かそんな名前だったかな」
考え込むふりをして目線を逸らす。
そして司祭をよく見たら少し若いのにハゲ上がった頭をしている。
笑いが込み上げるが、ここは我慢のし時だ。
全てを台無しにすることは簡単だ、それをやってしまう子供ではない。
ヒュ「ぶふっ・・・あ、失礼」
「まぁいいでしょう。次からはいきなり来ないでくださいね、こっちにも準備があるんですから」
ヒュ「ああ、そうするよすまない」
どうにかこの場は誤魔化せた。
この次にどう出るかが問題だ。
こいつは何を企んでいるんだ、麻薬取引か?それとも別の事なのか?
「ところでどうします?」
ヒュ「な、何をですか?」
「何って、分かってるでしょ」
ヒュドラは考えた。
もしかして、俺を誘っているのだろうか、と。
いや待てよ、そんなはずはない、決して。
何と答えればいい、うまく対応できるだろうか。
ヒュ「モノを見せてくれ」
「いきなりですか?」
ヒュ「ああ、お前の持っているモノを見せてくれ」
熱の入った言葉は司祭の心を揺らし、異様な雰囲気を作り出した。
あれ?なんか変な方向にいってしまったぞ。
「分かりましたよ。ちょっと待っててください」
司祭は服のボタンを一つ、また一つ外し上着を脱いだ。
その光景に目を逸らすわけにもいかず、熱心に見ていたものだから司祭は少し顔を赤らめた。
彼の姿は当に吐き気を催すほどに!
それは置いといて、司祭の服に縫い込まれていたある小さな袋の中に、見慣れぬ透明な結晶があった。
これは、麻薬だ。
ヒュドラの目には分かる、ぺろっ、これは!と舐めずともその物質から放たれる禍々しいオーラは魔法使いだからこそ理解できた。




