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失われた宝石  作者: 田貫うどん
第四章
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傷あとをたどれば その4(第四章完結)

エ「あれ、レンシーじゃんお久しぶり」


ちょうど出口でエモとヒュドラに遭遇した。

奇遇というか、なんというか。


レ「さっき会ったばかりでしょ」


エ「そうだっけ?なんか表情が変わったような」


レ「気のせいですよ」


ヒュ「用事は済んだのか?それじゃ飯食いにいくか」


レ「そうですね、行きましょうか」


歩き出す三人。

近場の食堂へ行こうとしていた。


エ「それにしてもさ、どこ行っても工事ばかりなんだよね。もっと面白い場所ないの?」


レ「見当つきませんが、何も無かった所に家とか道が出来るとなんだか感動しません?」


ヒュ「しないな」


エ「あそこ、何か作ってるよ」


ヒュ「興味ない」


レ「あれ?あの作業員は女の人みたいですよ」


ヒュ「興味ある」


レ「本当ヒュドラは分かりやすいですね」


ヒュ「自分に正直なだけだ」


レ「羨ましいです」


工事している場所を通り過ぎる時に作業員を見た。

汗を流しながら疲れた表情もせずペンキを塗っていた。

ヒュドラは食い入るように見ていたらその人と目が合った。


ヒュ「意外とかわいかったな」


レ「そうですね、一生懸命な人は好意が持てます」


ヒュ「行為だと?」


レ「そんなことは言ってません」


そんな会話をしていると後ろの方で声がした。


「おーい、ねぇ、おーい、ヒュドラじゃない?」


呼ばれて振り返り声の主の方へ向かう。

さっきの作業員のようだった。

そういえば以前どこかで聞いたことのあるような声だった。


ヒュ「え?どこかでお会いしましたっけ?」


黒く焦げた色をした顔を覗きこむ、しかし分からずヒュドラは思い出そうとしていた。

しかしエモとレンシーはすぐ分かったようだ。


レ「ニアスですか?」


ニアス(以下:ニ)「そうそう」


ヒュ「なんだってーニアス?あ、本当だニアスだ、はは、アホ面は変わってないな。」


ニ「酷いよ忘れちゃうなんて」


作業員だった女の人は知り合いだった。

彼女はテイマー(猛獣使い)のニアス、三人とは面識がありエモとは仲が良かった。


ニ「へへ、久しぶり」


ヒュ「なんでこんなところでペンキ塗ってるんだ?」


ニ「あいやー、お金が無くてね、飼ってる子たちのご飯がないんよ」


ヒュ「こんな肉体労働しなくても他に仕事あるだろ?」


ニ「これが結構お金になるんよ」


エ「そうだったのか。大変でしょ肉体労働は」


ニ「てっとり早く稼ぐには仕方ないんよ、日払いだし何かと楽なんだよね」


レ「ヒュドラも見習ってほしいですよ」


ヒュ「そうは言ってもやることが俺らにはあるだろうが」


ニ「え?何かやってんの?薬?ヤバイやつ?」


エ「ちょっとした冒険なんだけどね、あ、そうだニアスも一緒に来ない?」


ニ「えーと、怪しいことやるならお断りします」


ヒュドラは考えていた。

今俺たちがやってる事は傍から見ると常軌を逸していると言っても過言ではない。

ということはニアスの言う怪しいことと同類のはずだ。

だったら仲間に誘う訳にはいかない。

さっき薬草ジュースを飲んだので薬をやってないとも言えない。

前の町でレンシーが人を生き返らせたのでヤバイやつと言われても仕方がない、レンシーが。

ちょっとした冒険とエモは言うが、ちょっとした冒険ではなく、無鉄砲な冒険で当てがないなんて言えやしない。

どうしたものか。


ニ「まぁ、そろそろ別の町に行こうとしてた所だから着いていくよ」


エ「本当?やったー」


レ「分かりました。それでは私たちはこの先の宿屋にいますので後で合流しましょう」


ニ「そうする。とりあえず仕事終わらせないといけないからまた後で」


ニアスと別れ食堂へ行った。

突然の出会い、というかなんでこの町にニアスがいるのか分からなかった。

元々はレンシーの居た町に住んでいて動物を飼いならし人々を楽しませ、時には凶暴な獣が出た時などはうまく操り元の住処へ帰していた。

心優しいがエモ同様の性格をしているが少々幼い感じがある。

それはそれとして、ニアスが来るまでの間、次に何処へ行くかを考えなければいけなかった。

時間は有限である。

誰しもその短い時の中でどれだけ爪痕を残せるかが勝負どころなのだ。

たった一秒でさえ無駄にしたくは無い、いつ来るとも知れない終わりを憎むように出来るだけ足掻いている。

レンシーはいつでもどうやったらうまくいくかを考えているが、ヒュドラはなるようになれとある意味自暴自棄の傾向を持っている。

相反する二人だが、結構相性は良いようだ。


レ「やはりもう少し情報集めましょうか」


ヒュ「そうだな、もう少しこの町に居るんだろ?焦っても仕方ないよ。道に落ちている物を全て拾うくらいのつもりでいないとね」


エ「さっきお金拾った」


ヒュ「でかした!」


レ「出来れば情報を」


エ「町はずれの納骨堂にオバケが出るらしいって」


レ「確かに情報ですけど、いつ仕入れたんですか?」


エ「町で話しをしている人の横を通った時に聞こえた」


ご飯をかき込みながらエモは平然と言った。

大した情報ではないが、もしかすると宝石に関するものかもしれないので率先して教えてくれればいいのにとレンシーは思った。

食事も終え、宿屋でニアスが来るのを待っていた。


ニアス「やぁお待たせ、あ、これお土産ね」


ヒュ「ありがとう、ってこれ小石にペンキで色つけたやつじゃん」


エ「ちょっと待って、もしかしたらこれが私たちが探している宝石かもよ」


レ「そんな訳ないでしょ。さて、ニアス早速ですが・・・」


レンシーは今旅をしている理由をニアスに話した。

話した内容は第三章と四章の間にある[ここまでのあらすじ]を参照してください。


ニ「なるほどなるほど。宝石見つけるのか。面白そう。一緒に行く」


エ「やったー」


ヒュ「ところでニアスの飼ってるペットはどうした?」


ニ「ああ、この子ね」


普通の猫だった。話によるとちょっと特殊な魔法が使えるという。


ヒュ「こんな小さい猫の餌も買えなかったのか?どんだけ食うんだよこいつは」


ニ「あいやー、魔法ででっかくなるんよ。そうしたら一週間くらい戻らなくてね」


エ「そうなんだ、見てみたいな」


ニ「それじゃちょっと待ってて」


ヒュ「おい、正気か?必要な時だけにしろ」


レ「さてと、歓談はここまでにして出発は明日にしましょう」


ヒュ「え?もう少しここに留まるんじゃないの?」


レ「エモの言っていた納骨堂へ行ってみましょう」


納骨堂にオバケが出るらしい、それがどんなものなのか分からない。

ちょっとした情報でも宝石に繋がるものなら手にしなければこの旅は終わることが無い。

ニアスが一緒に行動することになり今後はどうなるのだろう。


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