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失われた宝石  作者: 田貫うどん
第三章
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キラメキの中で...その1

ヒュ「どこ行ったんだあいつは」


男がどこにいるのかは分からなかったが、扉の外には踏み込んで出来た靴跡があった。

ずいぶんと力強いので相当急いでいたようだ。

エモ達が来た方向ではなく更に奥へと行っているようだ。


レ「奥ですね。行きましょう」


思っていた以上に近い部屋、施錠されていた。

この部屋に居るだろうって丸わかりだった。

ぶち破ってやろうか。


ヒュ「体当たりすっか」


思いっきりぶつかり扉が壊れる。

中にいたのは先ほどの男だけだった。


「しつこいな、僕には時間が無いんだ。誰にも邪魔させない」


男の周りに黒い靄がかかり不穏な気配を醸し出している。


「ところで、あいつらはどうしたのさ。二人いたでしょ」


レ「アンデッドのことですか?私が送りましたよ」


「送っただと?ん、その格好・・・あんた司祭か?」


レンシーは頷くと男は苛立った声をあげる。


「成程なぁ、司祭か、司祭には恨みがあるぞ」


ヒュ「見た目は大人だけど心は子供だぞ!半ズボンに蝶ネクタイはつけてないけど」


エ「犯人はお前だろ!」


「何の犯人かは知らないが、生き返らせたのは僕だ。彼らはブラックベリー(炭鉱の町の名前)で殺され捨てられたんだよ。

可哀そうだろ、だから僕が命をあげたんだよ」


レ「なんてことを」


「礼を言ってほしいな。彼らは皆僕にありがとうと言ってくれたよ。でもすぐ崩れていくんだ。まだまだ力が足りなかったのかな」


死んだ者が再び短い命を与えられる、これは最期の言葉を聞く願ってもない善意なのだと男は言う。

それは正しくもあり間違いでもある。

死んだ者が生き返る、家族からしたらとても嬉しいことだろう。

だが、本当にそうなのだろうか。

腐敗臭を放ちながらやがて朽ちていく、どこへ行くでもなくさ迷い歩き回る姿は耐えられるものではない。


「僕がやってる事は良いことだって分かるだろ?死んだ人たちを蘇らせてるんだからね!」


エ「何が良いことで悪いことかは私には分からないけど、あなたが生き返らせたという人の最期見た事あるの?」


「無いけど、それが何か問題でも?」


ヒュ「皆苦しんでいるんだ、歩き回って身体がすり減って。痛みを忘れてしまっているが、酷いものだよ」


「う、うるさいぞ!何がいけないんだ!僕はまだ生き返らせなければいけないんだ!」


男の足元には布で包まれた大きなものがあり、所々黒い染みが浮き出ている。

男は早口で呟く、布の下からは半分腐った死体があったのだ。

その死体は起き上がり辺りを見回す。


ヒュ「厄介だな。レンシーまた頼むぜ」


「司祭は邪魔だな、口封じしないとね」


男はそう言うが早く、レンシーは頭を締め付けられる衝撃でよろめいた。

とりあえず男の行動を止め押さえなければどうしようもなかった。

ここはエモの色仕掛けで・・・無理でした。

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