キラメキの中で...その1
ヒュ「どこ行ったんだあいつは」
男がどこにいるのかは分からなかったが、扉の外には踏み込んで出来た靴跡があった。
ずいぶんと力強いので相当急いでいたようだ。
エモ達が来た方向ではなく更に奥へと行っているようだ。
レ「奥ですね。行きましょう」
思っていた以上に近い部屋、施錠されていた。
この部屋に居るだろうって丸わかりだった。
ぶち破ってやろうか。
ヒュ「体当たりすっか」
思いっきりぶつかり扉が壊れる。
中にいたのは先ほどの男だけだった。
「しつこいな、僕には時間が無いんだ。誰にも邪魔させない」
男の周りに黒い靄がかかり不穏な気配を醸し出している。
「ところで、あいつらはどうしたのさ。二人いたでしょ」
レ「アンデッドのことですか?私が送りましたよ」
「送っただと?ん、その格好・・・あんた司祭か?」
レンシーは頷くと男は苛立った声をあげる。
「成程なぁ、司祭か、司祭には恨みがあるぞ」
ヒュ「見た目は大人だけど心は子供だぞ!半ズボンに蝶ネクタイはつけてないけど」
エ「犯人はお前だろ!」
「何の犯人かは知らないが、生き返らせたのは僕だ。彼らはブラックベリー(炭鉱の町の名前)で殺され捨てられたんだよ。
可哀そうだろ、だから僕が命をあげたんだよ」
レ「なんてことを」
「礼を言ってほしいな。彼らは皆僕にありがとうと言ってくれたよ。でもすぐ崩れていくんだ。まだまだ力が足りなかったのかな」
死んだ者が再び短い命を与えられる、これは最期の言葉を聞く願ってもない善意なのだと男は言う。
それは正しくもあり間違いでもある。
死んだ者が生き返る、家族からしたらとても嬉しいことだろう。
だが、本当にそうなのだろうか。
腐敗臭を放ちながらやがて朽ちていく、どこへ行くでもなくさ迷い歩き回る姿は耐えられるものではない。
「僕がやってる事は良いことだって分かるだろ?死んだ人たちを蘇らせてるんだからね!」
エ「何が良いことで悪いことかは私には分からないけど、あなたが生き返らせたという人の最期見た事あるの?」
「無いけど、それが何か問題でも?」
ヒュ「皆苦しんでいるんだ、歩き回って身体がすり減って。痛みを忘れてしまっているが、酷いものだよ」
「う、うるさいぞ!何がいけないんだ!僕はまだ生き返らせなければいけないんだ!」
男の足元には布で包まれた大きなものがあり、所々黒い染みが浮き出ている。
男は早口で呟く、布の下からは半分腐った死体があったのだ。
その死体は起き上がり辺りを見回す。
ヒュ「厄介だな。レンシーまた頼むぜ」
「司祭は邪魔だな、口封じしないとね」
男はそう言うが早く、レンシーは頭を締め付けられる衝撃でよろめいた。
とりあえず男の行動を止め押さえなければどうしようもなかった。
ここはエモの色仕掛けで・・・無理でした。




