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失われた宝石  作者: 田貫うどん
第三章
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真夜中の逃亡者 その3

これまでのあらすじ



黒ずくめの男に殴られ変な薬を飲まされたエモは、怪しい魔法を使うヒュドラの元に居候することになった。

エモの父親の友人であるレンシーに自分は本当はこんな体じゃないんだと言ったところ不審な目で見られるのであった。



それはさておき本編の続きです。


闇の中いつか

踊り続けて

さえぎる光も

永遠に彷徨う



一つの命が消える時、誰しもが悲しむ訳ではない。

誰かは喜び、誰かは蔑み、誰かは無関心で。

知らない場所でそのような姿で、きっと何かを思っているに違いない。

私が哀れみを一つあげよう。

崩れてて嫌な臭いがするがもう君は気にしていないだろう。

ほら、もう大丈夫。

元気に走り回ってくれよ。

さぁ、早く!!




帰り道を確保した一行。

次は中の探索である。

外見からは想像できない程中は広かった。

しかし今いる階には何も無かった。


ヒュドラ「上行ってみる?」


レンシー「上は何も無さそうですけど、行ってみますか」


エモ「ねぇ、ここ何かあるよ」


目ざといエモが何か見つけたようだ。

取っ手のような小さな窪みが隠されていた。

これに手をかけ開けると下の階へと続く階段がでてきた。


エ「なんか、お約束って感じだよね」


ヒュ「そそ、急に中から出てきて襲われるのな」


レ「楽しそうな所申し訳ないが、もうちょっと緊張感持ちましょうよ」


最早二人の父親と化したレンシーはため息をつく。

小休止の後、手にした松明をかざし下へと降りていく。

一段進む毎に異臭を感じる。

何か腐ったような、不快な臭いが。


ヒュ「臭いな、なぁレンシー」


レ「なんですかその目は」


ヒュドラの言いたいことは分かっているが乗らずに無視することも重要である。

階段を降りきり辺りを見回す。

暗くて何も見えない。

近くにあった燭台は油が枯れていたがまだ使えるようなのでエモが持っていた油を入れ活用する。

簡易松明もいつ使い切るか分からない、先を進むなら何事も節約していかなければいけない。

照らされた空間は所々朽ちているが何も無かった。

物が散乱していなかったので歩きやすい。

少し先にも同じ燭台が壁に掛かっているので少しずつ進む。


レ「ここは密室ですかね?光も届かない場所でこんなにも臭いがキツイですからね」


ヒュ「密室だったら松明も燃えないだろ。何か腐ってるんだろう、俺たちの目的の物じゃないか?」


エ「こんな場所に?」


閉ざされた監視塔に隠された地下階段、隠すには最適なのだが、このような場所に隠さずともここら一帯は廃村であり、誰も足を踏み入れない森の中にでも置いていても見つからずに済むだろう。

もしここに捜している人達が居るとするなら何か意図的な物を感じる。

嫌な気分は増していく、この状況で生存しているのは絶望的だ。

この臭い、以前にも嗅いだことのある、死臭だ。


ヒュ「ん?何か音がしたぞ。この先からだ」


レ「私も聞こえました。誰かいるのでしょうか」


エ「行ってみよう」


今いる場所は外から見ただけでは分からなかったが、監視塔の下に大きな地下施設になっている。

何かの実験施設かもしれない、以前行った食品工場(第一章参照を)よりも大きいかもしれない。

いくつもの部屋があるようだが、燭台があっても小さな明かりなので通路の先は見えてこない。

少しずつ歩いていくと、近くで何か大きな音が聞こえた。


レ「誰か居そうですね」


ヒュ「そうだな。こんな場所に誰がいるんだか」


エ「私はここにいるぞ!」


ヒュ「知ってるし、声でかい」


それは何かを引きずっているような、そして何かをぶつけているような音だった。


レ「この部屋の方から聞こえますね、行ってみますか」


ヒュ「ちょっと待て準備する」


音は今いる部屋の奥にある扉の中から聞こえている。

つまり隣の部屋というわけだ。

このまま中に入るとして、もしその音の出どころが敵と思われる者だとしたら準備を怠るわけにはいかない。

まずは部屋を明るくしてこちらの行動を妨げる物が何か判断してから突入するか、もしくは暗闇に乗じて気づかれないように侵入するのかだ。

どちらを選んだとしてもやることは変わらないが。


エ「やっぱり明るい方がいいよね。暗いと見えないじゃん」


ヒュドラは辺りを見て明かりになりそうな物を探しファイアの呪文を唱える。

部屋は明るくなった。

ドアを蹴破ろうか、それともゆっくり開けようか。


レ「ゆっくり開けましょうか」


扉の取っ手を握りゆっくり開いていく。

錆びた蝶番がギィと音を立てる。

中は暗く何も見えなかった。

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