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失われた宝石  作者: 田貫うどん
第三章
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真夜中の逃亡者 その2

日は沈み辺りが暗くなった頃、監視塔の前で中に入ろうとヒュドラが浮かんでいた。

ロープを持ち窓ガラスを確かめる。

閉まっていたので鍵がある部分を割り、開けて入ろうとする。

小さいと思っていたが近くに寄ったらそうでもなかった。

入る前に中の様子をうかがう。

窓の下は階段であり、螺旋状になっていた。

安全な事を確認し中へ入る、ロープを固定できそうな場所は無かった。


ヒュ「OK、入ってこい」


ロープを体に巻きつけ二人に合図をする。


ヒュ「まずはエモからだ。レンシーは重いからな」


引っ張り上げるのと昇るので時間を短縮、難なく入ることが出来た。

次はレンシーの番で今度はエモも一緒にロープを手繰るのを手伝っている。


レ「ありがとう。それにしても暗いですね。ロウソクが必要でしょ?」


窓枠を乗り越え階段に着地する。


ヒュ「ロウソクはいらん、棍棒を出せ」


レ「棍棒ですか?」


嫌な予感がしたが素直に差し出した。

ヒュドラはファイアの呪文を唱え棍棒の先に火をつけようとした。


レ「ちょっと待て、そう簡単に火なんてつきませんよ、ってエモ何するんですか!?」


エ「これで大丈夫だし」


手際よく棍棒の先に布を巻き、持ってた燃料を染み込ませた。

これで簡易松明たいまつの完成である。

レンシーはこの場当たり的な対応力を称賛しながらも、予めそこいらにあった木の棒を拾っておけば棍棒を無駄にすることは無かったと思った。

頭が良いのか悪いのか分からない、ヒュドラならまた外に出て拾って帰ってくることは簡単だがそれをしなったのはやはり頭がおかしいからだろう。

ため息をつくレンシーは火のついた棍棒を掲げ何も考えずに進むことにした。

これ以上考えると頭が痛くなりそうだ。


ヒュ「ちょっと待て、出口を探しておこう」


レ「出口ですか?この窓からじゃ駄目ですか?」


ヒュ「もしもの時があるだろ、何事も考えておかないとね」


変な所で気が付くのがヒュドラである。木の棒の準備はしていなくても帰る準備は万端なのだ。

入口が閉ざされて、他に入る場所が無かったから窓から侵入したのに出口なんてそうそう見つかるはずもなし。

階段を降り少し広めのエントランス。扉はあるがここは鎖で固定されていた所だ。


エ「ねぇ、何かここにあるよ」


レ「本当ですね、何でしょうか?」


見るからに怪しい紐が垂れている。

これを引けと言わんばかりにだらんと壁際に。


エ「引っ張ってみよう」


レ「ちょっと待った!だからいつも言ってるじゃないですか!安易に行動しちゃいけませんよ!」


エ「分かったよ、と見せかけて!」


エモが紐に手を伸ばす前にヒュドラが引いていた。

すると音を立て壁がゆっくり持ち上がった。

観音開きの扉ではなく引き戸でもなく、下から上に開くタイプの扉だった。

外から見ても分からなかったが、よく見ると開けた形跡が見られた。


レ「扉を開ける紐だったんですね、ってヒュドラも少しは慎重に行動してください」


ヒュ「早く帰りたいからな、気になるものはさっさと片付けるべし」


帰り道は確保できた。



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