斜陽の緋 その3
きっとそこには形の崩れたモノだけがあるのだろう。
誰も口にはしないが三人ともそう思っていた。
ただ見つけてあげる事が何よりも救いになるのだ。
ヒュ「ここで終点か、さて、探すとするか」
レ「頑張りましょう」
時間短縮の為三人で手分けをして探す。
この地域には殆どモンスターと言われる動物やそれらはいないらしい。
とりあえず三十分後にこの場所でと、それぞれ歩き出した。
ヒュドラ「それにしても木があるだけで他は何もないな
歩き出して数分、辺りを見回しても何にも気になるところはなかった。
大体この杖が目的の場所を見つけるのに役立てばいいのだが、そのような機能は無い。
地道に歩き探すしかないだろう。
少しでも手がかりがあれば楽なんだが、大雑把すぎる情報は逆に混乱を招くのだ。
トロッコの終点がある場所は少しだけ拓けていて、古びた資材等が置かれていた。
この場所で何を見たというのだろう。そもそも何の為にここに来たのだろうか。
ヒュドラは近くにあった大き目の石に座り込み考え込んでしまった。
エモ「槍が邪魔だな、置いて来れば良かった」
こちらも何も見つける事は出来ていない。
持ってきた槍は茂った草むらをかき分けるのに便利だが、遮蔽物がある場所では使い勝手が悪い。
そうは言っても置いていくという選択はなかった。
これについては番組後半で。
何も無い、探し方を少々間違えている事が原因かもしれないが、本人は分かっていない。
レンシー「まずは足跡を辿りましょうか」
分かれて早々、足跡を探すため視線を落としながら歩く。
幸いにも先日の雨によって象られ、乾ききっていない土の上に見つけることが出来た。
複数の跡、そして強く踏み込んだようなものもある。
この近くにあるのか?それとも埋められたのだろうか。
情報では何かあったと聞く、それを信用すればすぐに分かる場所にあるはず。
そろそろ集合する時間だ、戻って進行状況を聞きに行きましょう。
三人は得た情報を交換した。有用なのはレンシーのだけだったので全員で足跡があった場所へ移動する。
レンシーは足跡と共に見つけたモノを見せる。
レ「血が染みているようです、よく見てください」
見逃してしまいそうな程少量の血痕があった。
しかし、その場所にはそれ以外の手がかりは無い。
有るとすれば足跡くらいなもの。
エ「ペロっ、これはっ!!??」
レ「花の蜜吸ってる場合じゃないですよ」
ヒュ「なぁ、探している男は大柄だったよな?これは小さくないか?」
確かに足跡はエモの靴と同じくらいの大きさだった。
子供のものか?
レ「別の足跡もあるのは分かりますか?小さい足跡が上からつけられて分かりづらいですが」
大きさは大人のものと同じくらい、例えるならヒュドラくらい。
もちろん目の前にある足跡はヒュドラとエモのではない。
エ「言われてみれば違うね」
この場所に誰か居たのは確かだったが、その後いくら探しても見つける事は出来なかった。
ヒュ「どう探してもいないな。キリがないからそろそろ廃村の方も捜索しないか?」
気が済むまで探したい気持ちはあるが、言われた通り区切りをつけなければ心が折れてしまう。
ということで意気消沈しながらトロッコまで戻り廃村へ行く。
廃村前のレールは途中で分岐している。
一方は終点へ向かいもう一方は村へと延びている。
当たり前のことだが、当時は何台もトロッコが走っていただろう。
更に村に近づくといくつもの分岐点があった。
数台繋げて移動させ、目的別に各々のレールへと移動させるのだ。
詳しいことは必要ないので省略。
エ「着いたー」
レ「ここでも頑張りましょう」
到着したのはまだ夕方には早い時間だった。
鉱山町に戻るよりもここで夜を越した方がいいのではとレンシーは提案した。
もちろんヒュドラとエモは嫌だと言ったが、レンシーは準備をしてきたので問題ないと答えた。
それに廃村とは言っても家屋はそれほど朽ちてはいなかったので雨風程度は防げるのだ。
ヒュ「それで、捜索のついでに良さそうな家を探して侵入するんだな?分かった任せておけ」
レ「だいたい合ってます」
またしても三つ手に分かれ行動する。
どうでもいい説明を少しばかり。
エモは槍遣いです、その槍はいつも背中に担いでいます。
通常では重い槍ですが、ヒュドラに物質が軽くなる魔法をかけてもらっているので軽々扱えるようになっています。
ヒュドラの杖も魔法がかかっていますが、レンシーの棍棒にはかかっていません。
ちなみに、この槍はヒュドラが仕事の報酬として受け取ったもので、結構な良品です。
それをエモにあげました。
エモにとっては愛着があり、手放すことはもうできないのです。




