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失われた宝石  作者: 田貫うどん
第三章
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Beauty Blood Monstar その1

静寂の中にひたひたと足音だけが響いている。

通りの等間隔ではない街灯と家々の窓から漏れる明かりだけで暗い道。

霧が出ているので更に視界は悪くなっている。

歩いていく、そして行く手を遮るように立っている人を捉えた。


「こんばんは、こんな遅くに出歩いてちゃ危険ですよ、へへ」


笑みを浮かべながらいきなり右手で首を掴んできた。

そのまま後ろに引きずられ壁に打ち付けられた。


「や、やめ・・・やめ・・・」


激しく足掻くも無駄な抵抗だった。

みるみる顔は赤く膨れ上がり奇妙な音を出しだ。

それでもまだ力を抜かず指を動かしたらあらぬ方向に曲がってしまった。

チッと舌打ちするとつまらなそうに真顔になる。

日に日に大きくなるその欲望、もう止められそうにない。

まだ欲しい、まだ治まらない。

少し前までは遊び終わった玩具を片付けていたのだが、今は適当に隠しておくだけになった。

今更隠したところでこの町では知られている、だがまだ俺がやっていることは知られていないだろう。

そんなことどうでもいい、快楽に身を任せ大きな声で叫ぶのだ。




遠吠えが聞こえる。

それは狼のような、それでいて野太い声だった。

近くで聞いたら震えるような、逃げ出さなければ殺されてしまう感じを覚える。

エモ達は準備を整え終わって教会の外にいた。


レ「危険な事は分かってますね?」


ヒュ「分かってる、任せておけ」


エモはやる気満々だった。

恐怖に動じないその心は見事だが、気を抜けば死ぬことがある。

いざという時は助けに入らないといけないだろう。

作戦は至って簡単、エモをおとりに使い犯人を誘い出すのだ。

相手が何者か分からない、しかも人を殺している。

無謀な作戦だが、誰かが殺されるならその前に私がなんとかしたいとエモは言った。

ヒュドラはエモにありったけの補助魔法をかけた。

詳しい事は省略するが、ガードや不意打ち回避などである。

それでも不十分だったが、あとは野となれ山となれ。

レンシーもなんとかの加護[司祭独特の補助魔法の一つ]ってのをかけてた、効果は知らないけど。

襲われた時のシミュレーションをしてみる。

エモが襲われる、何とか耐える、ヒュドラとレンシーが現れる。

シンプルで分かりやすい。これが成功するかは別の話だが。


エ「よし行こう」


エモが先を行き、離れた場所で後を追う二人。

どこから狙われるか分からない、そもそも町中で襲われる前提として行動している。

不意を突かれればそれまでだろう。もしかしたらエモではなくヒュドラとレンシーが襲われるかもしれない。


レ「やっぱり止めにしませんか?」


ヒュ「何を今更」


弱音を吐くレンシーはあまり見た事がない。それほど不安なのだろう。

俺がいるから何とかなるよ、とヒュドラ。

しばらく歩いているとエモが立ち止まる。

見づらいが誰かが居るようだ。


「やぁこんばんは、こんな遅くに一人は危険ですよ、最近物騒ですからねぇ」


咄嗟に身構えたエモ、対峙した瞬間寒気が走った。

しまっていた宝石の欠片が熱くなった気がした、こいつが例の犯人だとすぐに分かった。

男はありったけの力でエモの首を狙う。

すかさずかわし槍の先を向ける。


エモ「お前だな、逃がさないぞ」


男「おや?これは驚いた。そうですよ、よく躱せましたね。」


男はがたいの良い傭兵のようだった。

戦闘には慣れていそうで腕力ではかないそうにない。

実際男は傭兵だった、この町で道場を開き子供達に格闘術を教えていた。

その模範たる人物がどうしてこのような蛮行を行うのかは分からないが、手強い相手である。

そんなことを知らない三人、現れた男をどうにかしなければならない。


男「まぁいいでしょう、少しは手ごたえがありそうだ。へへ、みなぎってきた、これだ、俺が求めていたものは!」


こちらをじっと見つめる。焦点は合っている。

前に食品工場で戦った奴らとは少し違うようだ。

レンシーとヒュドラは顔を見合わせエモに駆け寄った。


男「三人か・・・構わないぜ、楽しませてくれ」


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