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失われた宝石  作者: 田貫うどん
第三章
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気づかないのは罪 その3

町中を探索するヒュドラとエモ。

曇り空の下、何か起こりそうな不穏な気配がしてきた。

少し歩き、途中でちょっとした食べ物を買う。

これで落ち着いた様子のエモ、単純である。

それが魅力の一つと言えるが、どうでもいい話だ。


エ「ちょっと気になってる事があるんだけど」


足を止めエモは袋の中から宝石の欠片を取り出す。


エ「前見た時と比べて色が変わってるみたいなんだよ、ほら」


ヒュ「確かに変わって・・・るか?光の加減で色が変わって見えるだろうが、俺には区別つかないな」


エ「そうかなぁ。変わってると思うんだけどな」


ヒュ「それより何か持ってて感じる事ないか?別の宝石があると震えるとか光るとか」


前にヒュドラはこの宝石の欠片を手に取った時、これには魔法がかけられていることを知った。

元に戻ろうと宝石同士が共鳴する可能性があるので探索機として使えるかもしれない。


エ「今は特に感じないな。持ってみる?」


ヒュ「いや、お前が持ってろ」


ヒュドラは面倒そうな顔をして拒否した。

試してみてよとエモはしつこく迫る。

また今度だ、無くさないようにしまっておけとあしらった。




レンシーは情報を整理して考え込んでいた。

殆ど目撃情報がないということは夜に何か起こっている。

早急に解決する為の提案はすぐに思い浮かんだが、危険なので実行するかどうかが問題だ。

ヒュドラに言ってもすぐには頷いてはくれないだろう。

犠牲者が増えない為に決断は必要です。


ヒュ「帰ってきたぞ」


小一時間歩き回り感情の昂りが治まったエモを連れてきた。

早速ですがとレンシーは考えていた提案をヒュドラに告げた。

やはり二つ返事はしてくれなかったが、エモはやる気十分で渋々ヒュドラは折れた。


夜を待つ。

地面からの熱は風と共に消えていき、その後を覆いかぶさるように霧が立ち込めている。

視界が悪い。この時期の夜は霧が多く発生するらしい。

しかしそれ程酷くは無くすぐに消えてしまうらしいのだが、最近の、人が居なくなリ始めた頃から深く濃くなっているという。

何かの影響か、それともただの自然現象か。

誰もまだ答えを知らない。

一人では無力な時がある。

どうやったって覆らないことは山ほど存在している。

誰かいれば思ってもいない力を発揮できて解決できるかもしれない。



その獣も夜を待っている。

気配を殺し、様子をうかがっていた。

足早に通り過ぎる人を品定めし、どれがいいかと迷いながら目をぎらつかせて。

今夜はあれにしよう。

好みとは違うが丁度いい。

世の中はうまく出来ている。

強い者が生き弱い者が死んでいく。

ただそれを自ら実行しているだけなのだ。

私は誰よりも強く賢い。

思うまま、力を試す度に何故か人は死んでしまう。

力が全身から溢れるだし抑えきれない、いや抑える事などはしない。

少し捻れば脆く壊れてしまう人形はまだ沢山いる。

そして感情は徐々に昂ってきている。

ああ、もっと、もっとだ。

誰かを傷つけたい、絞めたい、殺したい。

私は生きる価値のある存在だ。

誰も止めることは出来ないだろう。

夜でも獣の様に全てが見え、霧の中でも鼻が利く。

誰も私を捉える事はできないだろう。

私は強者だ。

さぁ始めようか。

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