HOLOGRAM ROSE その2
ヒュ「よく喋る執事だな。それで問題の像はここ庭にあるってことでいいんだな?」
執事「その通りです」
ヒュ「早速案内してくれ」
執事「もう少し話がありますので少し付き合ってくださいませ」
二「もう眠い」
執事「おや、そうですか、それではこの話は明日にしましょうか?」
女「ニアスのことは気にせず続けてください」
執事「その像というのはなんともセクシーな像で、私の象さんも興味津々でして・・・」
エ「そんな話はいいから教えてくださいよ」
執事「失礼しました。その像を調べると一部に亀裂が入っていまして、中を覗いてみると何か埋まっているじゃないですか」
ヒュ「その亀裂はどこに入っていました?」
執事「聞きます?」
ヒュ「股間ですか?」
このヒュドラという男は頭がおかしいようだ。
エモが呆れているとお茶を持ってルリ姫が現れた。
執事の仕事だろ?と思ったが、それは置いといて。
一服は気分転換になった。
お茶は今まで飲んだことのない味がした。
心なしか今までの疲れが和らいだ気がした。
姫「それでどこまで話が進みました?」
レ「像に亀裂があって中に何かあるかもしれないという所までです」
姫「そうです、胸のあたりに小さな亀裂がありまして」
ヒュ「それは興味深い」
姫「執事が私を呼んできまして、この中になにか埋まっているので確認したいと言い出したのです。もちろん私は心が広いので少し壊そうとしたのです」
執事「そうしたら、それを見ていた旦那様が怒りだしてですね『像が動くわけないだろ。バカも休み休み言え』と、その場で取り押さえられてしまいました」
姫「私はそれから気になって仕方なく、夜中こっそりこのハンマーでガツンとやったわけです。流石でしょ?」
エ「え?ああ、そうですねー」
姫「中を覗いたらなんと光る物が見えるじゃないですか。私はこれはアレです、聞いた通りのアレだと思いました。ですがそれからは確認できていないのです」
少しがっかりした様子のルリ姫と執事、この流れはここの主人を説得して確認しなければいけないのか。
この姫の父親が主人だろう、どうしたものか。
と、これまでの流れで宝石の欠片が像の中にあるようだと分かった。
像という無機物が欠片の影響を受け動き出したというとことは驚きである。
どこかの国では人形の髪の毛が伸びたり、瞬きをしたりすることが報告されている。
無機物にも命があり人間と同じような行動をするのかもしれない。
実際見てみないことには信じられないが、ヒュドラの魔法ならそういったことは可能だろう。
ヒュ「俺の魔法でも大理石でできた像を歩かせるなんて無理だよ。ニアスの拾ってきた汚い人形なら動かせるかな」
ニ「汚くないし、ユニ子(第十章 月下麗人 その5を参照を)だし!」
レ「とりあえずご主人に説明しに行きましょう。納得してくれるといいのですが」
姫「それじゃ早速呼んできますね」
ヒュ「いや、執事の仕事だろそれは」
さっきのお茶といい呼び出しといい、執事は何をしているのだろうか。
だから姫に隙を与えるんだぞと思う一同であった。
え?というような顔をしている執事を行かせた。
しばらくして執事が戻ってきた。
執事「お前らが来い、とのことです」
この無能執事がっ!
だから連れてくると言ったのにとルリ姫が怒りだした。
まぁ説得するのに出向いてこいというのは筋が違うだろう。
レ「案内してください」
こちらです、と執事に案内されて三階の執務室へ。
予想とは裏腹、満面の笑みを浮かべた主人が出迎えてくれた。
主人「遠いところまでご足労でした。さ、どうぞこちらへ」
あれ?ずいぶんと腰が低いな、と感じた。
話を聞けばルリ姫の友達が遊びに来てくれて嬉しいという内容だった。
執事が言ってた命令口調などありはしなかった。
まさか、この執事が腹いせの為に放ったのだろうか。
主人「ルリから話は聞いていますが、どうにも信用できなくてね。まさかルリにこのような友人がいたとは」
像の事ではなく友人の話か、ルリ姫に友人はいないのだろうか。
それはさておき、
ヒュ「友人っちゃ友人ですけど、とりあえず動く像のことで来ました」
主人「ああ、それも話は聞いてるよ。壊そうとして止めたんだが、どうもルリは納得しない様子で」
レ「そうですか。これだけの像です、かなりの値段しそうですからね」
主人「値段はどうってことないんだが、ルリの行動にはいつも頭を抱えていてね。そこの執事にも」
エ「なるほど、心中察します」
主人「壊す前にその理由を誰かに聞かせてもらおうと思った次第ですよ」
レ「それで私たちが呼ばれたのですか」
部屋の隅で小さくなっている姫と執事を一瞥する。
この主人は話が分かる人だと分かった。
ここに来た理由と今エモ達がやろうとしていることを説明すると大いに賛同してくれた。
屋敷から出ている悪い噂を断ち切りたいと常々思っているらしく、宝石の欠片についても半信半疑だが興味津々のようだ。




