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失われた宝石  作者: 田貫うどん
第十一章
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HOLOGRAM ROSE その1

賑やかな昼間と違い夜には静かになる町、仲間と飲んでいた町人が酒場から帰る途中に「ドスッ、ドスッ」と低い音を聞いた。

聞きなれない異音にその場にいた人や、宿の窓から顔を覗かせる人達が辺りを見回していた。

「あれは何だ?」「人か?いやそれにしては大きいぞ」

そう言い合っているのも束の間、その音が近づいてきて正体を知るのである。

高さは三メートル以上、手には槍を持っていた無機質の人の形をした何かだった。

「何か持っているぞ!逃げろ!」

「殺される!」

逃げ惑う人は叫ぶ。

実際に危害が及ぶことはなかったが恐怖を感じた人々は次の朝には教会に駆け込み真相解明して欲しいと訴えかけた。

司祭は夜に怪しい物が出てきた辺りを調べたが特に何もなく、その日は過ぎていった。

町民は何かあるといけないので夜の外出を控えるようになった。

調査は何日にも及び、ある夜にまた人々が聞いた音が響いたのだった。

「司祭様、早くこっちです」

待機していた司祭は慌てて戸外へ行き音の正体を見た。

「これは、石像か?」

「石像?なんでここに?」

「なんで動いてるんだ?」

司祭はその石像から距離を置き観察する。

成程、歩き回っているだけで危害を加えるものではないようだ。

生物ではない物でも命を宿すと言われているが実際に見たのは初めてだった。

何処から来たのだろうか、確かめなければいけない。

恐怖はあったが町人の為なんとかしようと行動に出た。

「司祭様やめた方がいいって、危ないよ」

「何処から来たのか調べないといけないです、今は大丈夫そうですが今後どうなるか分かりませんから」

司祭が石像の後について行くとルリ姫の屋敷に入っていったという。





執事「実はずっと前にも噂にはなっていたのですが、最近になってまた動きだしたようなのです」


ヒュ「ところで、門番はその時何してたんだ?石像は屋敷に入っていったんだろ?」


執事「門番は常駐してました。ですがその姿を見てはいないのです」


レ「入っていったというと、屋敷内の石像が外に出たってことですかね?」


執事「恐らくは」


ヒュ「門番いるのに見てないっておかしくないか?」


執事「そこが問題なのです。これは私たちの沽券に関わるのです」


門から入れば門番は必ず目撃する。

しかし見てないということは門番がさぼっていたか、それとも別の要因があるのか。


ヒュ「ところで、その像がどれなのか把握してるのか?」


執事「ええ、この町の司祭様と協力して特定いたしました」



-----------------------------------


「え?この屋敷の石像が歩き回ってるのは確かなのですか?」

「ええ、確かにここに入って行きました」

執事は少し考えてから、

「分かりました、調査いたしましょう」

司祭から詳細を聞き、屋敷従事者(執事の部下)に指示を出し一体一体調べていった。

しかし、どれが動いているのか把握することはできなかった。

「そうですね・・・動いているのですから少しはその場所からずれている可能性がありますね」

「なるほど、完全には同じ位置にいるわけでもないのか」

改めて指示を出したが発見できなかった。

「こうなったら夜に見張っていなければいけないですね。今夜から行動しましょう」

執事は夜中の外出は忍びないと思い固辞しようとしたが、主人の命令で司祭との行動を許可された。

一週間は何事もなく過ぎ、屋敷の厳戒態勢は更に強くなろうとしていた。

「他の人たちには普段と変わりない行動するようにしてもらえませんか?もしかすると気を張っていると感づかれてしまっているのかもしれないです」

そうかもしれないが、何事もない方が良いに決まってるので監視の目は途切れさせないようにしていた。

が、主人の命令でいつも通りの体制になった。

するとどうでしょう、その日の夜町にに石像が現れたのである。

「司祭様、これは幻ではないのでしょうか?」

「そうだといいのですが、見てくださいこの足跡を」

「残ってますね大きいのが。それでは本当なのですね」

「さ、行きましょう。特定しなければ」


----------------------------------


ヒュ「それで特定できたんだな?」


執事「はい」


エ「その石像は薪を背負って本読んでなかった?」


レ「今はその類の像は撤去されてますよ」


執事「時代とはそういうものです」


二「ねぇ、それって鼻長くなかった?」


レ「動物ですよそれは」


執事「動いてる石像を見たときこう思いました。ゾゥっとしました」


レ「・・・」

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