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失われた宝石  作者: 田貫うどん
第十一章
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Somewhere Wonderful その1

気がつくといくつか月日が過ぎていて、何の進展もないまま同じ日を繰り返している。

まだ大丈夫だという思いと、もう駄目だという思いに挟まれいつ精神が崩壊するか分からない状況に陥ってしまう。

それでも歩みをやめないのは、何とか出来るという漠然とした気持ちが上回っているからだろう。

大丈夫だ、きっと大丈夫。

そう言い聞かせて自分を奮い立たせる。

保障なんてない、出来るだけのことはやっているつもりだ。

私は一人ではない、信頼できる仲間がいる。

しかし、何もない日々というのは無情にも過ぎていき、体感では何もやってない時よりも早く感じる。

美術館のあった町を出て早四か月、宝石の欠片の情報を求めいくつかの村や町を訪れるも何の成果も得られなかった。

ニアスの捕まえた子供の狼もたくましく育ち冬に備えて見た目がモコモコとしてきた。


ニアス(以下:ニ)「この子ね、かわいいんよね」


訪れる村や町、そこではニアスの狼が人気で触らせてと声をかけられる。

機嫌がいいのは喜ばしい、ろくなことをしでかさないでいいからだ。

たまに「触ってもいいですか?」という言葉に反応したヒュドラの下ネタにエモがツッコミみ、レンシーが見守るという構図が見られるが、ニアスはそれも楽しそうに見ていた。



ヒュドラ(以下:ヒュ)「しっかし、こう何も無いとやる気が起きませんなー」


エモ(以下:エ)「だるーい」


ニ「ワサワサ(狼をなでながら)」


口では文句は言うものの目的を果たす為に今日もまた次の町へ向けて出発する。

移動手段はテレポーターではなく歩きである。

魔法の力で町から町へと瞬間移動できるテレポーターは利用料は高い。

それに大都市間での移動しかできなく、小さな村には行くことができないので不向きである。

歩くしか方法がないが、すれ違う旅人との情報交換が出来るから最も良い選択であることには間違い。


レンシー(以下:レ)「ここらで休憩しましょう」


エ「そうだな、先は長そうだし」


各々気ままに座る場所を探し休憩する。

長旅に慣れてしまったので硬い石の上でも構わずに、ヒュドラは木の実を探しているし、エモは大の字になって転がっている。

レンシーは本を読み、ニアスは狼や猫と遊んでいる。

あの美術館で盗まれた欠片はどうなったのだろうかとか、次に行く町には欠片の情報があるかとか考えては徒労に終わっている現状を悲観するわけでもなしにどうにかなると考えているエモであった。


ふと顔を上げニアスの様子を見守っているエモであったが、ニアスの見る先には狼が居てその狼が遊ぶのをやめ近くに飛んできた鳥を捕まえようと身構えていた。


エ「あれ?獲物を狙ってるね」


二「静かにっ」


その言葉に気づいたヒュドラが興味津々で狼に注視した。

普段は見られない動物が獲物を狙う瞬間である。

いつも野宿をすれば襲われるのは私達なのだが立場が変われば暇つぶしにはなる。


二「頑張れ」


ニアスは呟く。子供だった狼の初めてに狩りだろうか。

ヒュドラがお前も見てみろとレンシーを小突き、レンシーも仕方なくジッと見つめた。

が、何かを思い出したかのように叫んだ。


レ「ま、待ってください!」


声に驚いた鳥が逃げて行ってしまった。


ヒュ「おいこら、空気読めよ。折角良いものが見られるかもしれなかったのによ」


二「残念・・・」


待てと言ったが狼相手である。

言葉が通じる訳でもなし、興を削がれた狼はそっぽを向いて寝転んでしまった。


レ「あのですね・・・」


何か言いかけた時に飛んで行った鳥戻ってきてがレンシーの肩に止まった。


レ「やはりそうでしたか。この鳥、鳩ですけど、伝書鳩ですよ」


ヒュ「ほう、で、何故レンシーに?」


レンシーはホッとした様子で話し始めた。

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