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失われた宝石  作者: 田貫うどん
第十章
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水と油 その2

ニアス(以下:ニ)「とりあえずここに水撒いておこう」


宿屋の廊下に水をぶちまけたニアス、何を考えているのか未だに理解できないが「今じゃないでしょ」とレンシーが言い聞かせる。

調査の結果、対象のE、L、Hは犯人ではないだろうと結論を出した。

まだ少し疑わしいところはあるが断定材料が見当たらないので保留ということで。


ニ「猫ちゃんたちが水飲みたいらしいんよ」


エ「そうだとしてもお皿に入れようよ。ここじゃ汚いでしょ」


ヒュ「ニアスあっちに行ってくれ、頭が痛くなる」


ニ「えー」


準備が必要だ、時間もかかるだろう、焦っていても仕方がない。

ヒュドラとレンシーは今後の計画を練っている最中だ。


レ「やることは単純です、エモの持っている欠片を美術館に展示します」


エ「な、なんだってー!? あ、続けてどうぞ」


ヒュ「おとり作戦だな。獲物をエモの欠片でおびき寄せるって訳よ」


ニ「エモの!」


単純だが、おびき寄せた後の計画はどうしようかが問題だ。

水を伝って逃げられないようにするにはどうしたらいいか。

色々な案を出したが納得できるものは無かった。


ヒュ「しばらくは良い案が浮かんできてからだな。明日以降は町を散策しながら考えてくれ」


レ「館長にはなんて話します?」


ヒュ「レンシーはもうちょっと警備の仕事で内部を探って欲しい。計画については館長には内緒で」


レ「分かりました。エモとニアスはどうします?」


ヒュ「うーん、また厄介なことになると困るなぁ・・・」


エ「今度は大丈夫だよ」


ニ「うんうん」


エモだけなら問題ないのだが、ニアスが一緒になると予測が不可能なので、美術館で「ふれあい動物園」みたいな催しが出来ないか館長に聞いてみることにする。

ニアスを一か所に拘束できるし、レンシーの目も届くだろう。

もうそろそろ夕方になるが、まだ美術館は開いているので現在の進捗具合を報告がてら全員で館長に会いに行く。



館長「そうですか、手掛かりはないですか」


エ「もうちょっと時間がかかりそう」


ヒュ「犯人は再び現場に現れると昔から言われているからレンシーにはもう少し警備として内部捜査をしてもらおうと思う、それでニアスなんですがね」


なんとなくそれなりの説明をしたら意外とノリノリの館長だった。

ここ最近宝石の欠片が盗まれてから警備員同士がギクシャクしているらしく動物を使ったアニマルセラピーなるものをやってみようかと思っていたらしい。

館長は大の動物好きで美術館の敷地の雑草はヤギを放し飼いにして食べさせているくらいに。

はて、それが動物好きといえるのかはさておき、場所は用意してもらえるのでニアスの一件は片づけることができた。

ニアスは「え~?」と言っているが満更でもない表情をしていた。


ヒュ「ニアスにしかできないことだぞ」


ニ「もう、仕方ないなぁ」


レ「こっちは任せてください」


ヒュ「とりあえず明日からかな」


エ「しばらくはヒュドラと行動するのか」


少し嫌そうなエモだった。

美術館を後にし、町へ繰り出す。

怪しい点はないだろうか。

もう一度初心に戻って酒場で情報を集めてみようか。

夜の酒場、昼間と違って活気があるので情報も仕入れやすいだろう。

ニアスがぐずる前に夕飯と洒落込もうか。


酒場に入り適当な物を注文して客の話に耳を傾けた。


レ「どうでもいいような話ばかりですね」


ヒュ「そうだな、あそこで一人で飲んでる奴に話しかけてみるか」


と、近づこうとした時、別の客が声を荒げ、周りにいた者は注目した。


客「おいオヤジ!この水、変なにおいがするんだがよ!どうなってるんだ!」


店主「え?水ですか?本当に?」


その言葉を発端に、「この料理も変なにおいがするぞ」と言い始めた。

辺りは騒然となり、店主は困惑していた。


客「毒でも入ってるんじゃないのか?」


客「マジか、血の味がするぞ、何かヤバい感じがするわ」


ヒュ「おいレンシー何とかしろ」


レ「え!?無茶振りですね。ですが水を調べましょう」


レンシーは店主に説明し水を出した。

色は少し白濁していて鉄の匂いがした。

どこかで水道管が錆びているのだろうか、それとも水源に別の原因があるのか。

そういえば近くで工事があったせいかもしれない。

事態を収めるために工事の影響だと店主に伝えた。


客「え?ああ、あの工事のせいか。まぁ町が良くなる為だからこれくらいは我慢するか」


店主「ご迷惑をかけて申し訳ない。今夜は少しサービスしますので」


工事が原因なら仕方ないと客たちは納得した。

十中八九工事が原因に間違いない。

こういうことはよくあることである。


エ「さすがレンシーだね」


ニ「うんうん」


ヒュ「水の汚染か・・・」


ヒュドラは少し考えこみ、良いアイディアが思いついたと告げた


ヒュ「もしかしたら水に何か入れておけば移動を阻害できるかもしれないな」


水の中を通るということは体中濡れているのかもしれない、水に何か油とか色素とか含まれていたのならそこに留まらせることも可能ではないのか。

見たこともない能力、単なる仮説でしかないが、今はこれくらいしか対策が思いつかなかった。


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