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失われた宝石  作者: 田貫うどん
第一章
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工場見学 その2

獣人・・・この国では忌み嫌われているモンスター的な存在だ。

人とは非なるこの獣人は獰猛な性格をしていて森の奥の方に住んでいるという。

言葉を理解していると言われているが定かではない。

時に町まで来て暴れ回り被害が及ばないようにと追い払うことがある。




知らなければ良かったと思う時がある。

貴方の顔がとても醜く歪んで見えて、私はもう何も分からなくなってしまう。

気づかなければ良かったって、本当に思ったんだ。

信じていたのに裏切られた気分だった。

知った真実を否定するために私の手はこうして汚れていってしまうんでしょうね。

それでも私は正しいとはっきり言えるでしょうか。

分からない、でも知らなければならなかった。

この悲劇は繰り返されていたということに。



レ「ちょっと待ってください」


レンシーは作業員に声をかけた。

驚いた様子の作業員、こちらには気づいていなかったらしい。


作業員「なんだお前たち、ここは関係者以外・・・て見学者か。何か用か?」


レ「どこへ行くんですか?」


作業員「可笑しな質問だな、仕事だよ、詳しいことは企業秘密ってやつだ」


そう答えると笑いながら行ってしまった。

何か引っ掛かる、レンシーはなんとなく思う所があるようで少し考え込んだ。


エ「何か変な所あった?」


ヒュ「色々怪しいぜここ。獣人が食品工場に居ること自体おかしい」


レンシーも頷いた。何かよからぬことをしているに違いない。

しかしそれを見つける手立ては無い。

工場内を自由に動き回れる訳でなく、長居をすれば出ていけと言われるだろう。

もう少し調べたい、どうすればいい。


エ「それにしてもさ、何でそんなに冴えてるの?私にはそれほど怪しさなんて感じなかったんだけど」


レ「それはですね、企業秘密ですよ」


エ「そう言われると知りたくなるし」


ヒュ「止めておけ、企業は企業でも教会だぞ。消されるぞ!」


レ「簡単な事ですよ、町の教会の司祭に聞いたからです」


成程、合点がいった。

教会の横の繋がりは強く、あらゆる情報は共有されていく。

今回はまだ旅立っていなかった司祭から色々情報が聞けた。

始めから酒場ではなく教会で情報仕入れれば良かったなんて、灯台下暗しだ。

いや、酒場での情報集めにはちゃんとした理由がある。

町の人の生の声が聞けるし酒が飲める、腹に物がたまるし、なにより楽しい。

教会なんて心の貧しい者だけが行けばいいんだ、俺には関係ないとヒュドラは思った。


レ「この町でも少し話題になってましてね、何かモンスターでも現れて人々を襲ってるんじゃないかってね。

でもそんな事実は無いので気になりはしたもののそのままだったそうです」


エ「いいかげんなものだな」


それでも情報の一部、無いよりはまし。

ちょっとした情報も見逃せない、何故なら私たちが求めている宝石というものが本当にあるのかどうかまだ分からないからだ。

こんな適当なひそひそ話をしているとき、後ろから声がかかった。


門番「やぁ昨日はどうも、来たんですね」


エ「昨夜の門番だ」


昨日色々やり取りをした門番が食堂に現れた。

どうしてこんなところにいるんだと考えたが、別に不思議なことはない、ここで働いている門番だから当たり前だ。


門番「へへ、ここに住み込みでいるんですよ」


レンシーは良い所に来たと思った。この門番意外とノリノリだし、話せば分かる人だ。

頼み込むには最適だ。


レ「ちょっと頼みたいことがあるんです。聞いてくれますか?」


門番「何だい?面白そうなことかな?」


ヒュ「とびきりのね」


レンシーは簡単に説明した。そうしたら門番は嬉しそうに任せなさいと一言。



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