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555字の掌編

聞かせてラプソディー

作者:
掲載日:2025/12/10

 うるさいなぁ。今日もうるさい。ずっとずっとうるさい。

 ここで私が立ち上がったら、何か変わるだろうか。ガタッと大きな音を立てて、椅子を倒す勢いで立ち上がれば、少しは静かになるのかな。私に視線が集中して、誰もが口を噤むのかな。それならやってみる価値はあるかもしれないけれど、それとも、イジメの標的になるだけかな?

 四月からもうずっと学級崩壊状態。先生は諦めているのか、問題にするのが面倒なのか、素知らぬ顔で黒板に白い文字を書き、教科書を見ながら説明を続ける。

 ねぇ、先生。どうして放置するんですか? うるさくないんですか? 静かに授業をしたくないんですか? 私はいつも先生をじっと見つめている。目が合うことは決してない。きっとこのクラスに教室自体の存在意義がないから。

 先生、この状態じゃ、あなたの声が、聞こえないんです。あなたの低くて少し鼻にかかった、愛してやまない声が聞こえないんです。私、やっちゃっていいですか? いじめられるかもしれないけど、あなたがせめてこっちを見てくれるなら。心の中で三つ数える。三つ数えたら立ち上がるんだ。

 一つ、二つ、三……

「じゃあ、今日はここまで」

 その声さえ、授業終了の合図で掻き消された。さっさと教科書や辞典を抱えて出て行く。

 もしかして先生、わざとですか?

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