表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死ぬまで君を愛してる  作者: 白唯奏


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/8

好きとかじゃないし

 「救う、ってどういうこと?」

アリスは目を閉じいて、下を向いた。再び、アリスが目を開けると瞳の中は紫色で満ちていた。気づけば、海も遠くに映るビル群も紫色

「なんでもない。忘れて」

冗談を言った後のように微笑んだ。アリスの瞳は、青色に戻っていた。

「帰らなくていいの?」

「…いや、帰るけど。ってか、どうやって」

「わたしとキスしないと帰れないよ」

アリスはさらりとそう言った。

「え…。他に方法ないの?ほら、どこかに扉があるとか」

「ないよ」

「…………マジで?」

「マジってなに」

「………」

「カエデ、目を閉じて」

アリスの柔らかな声に促されるまま、私は目を閉じた。左手の薬指に何かがはめられる気がしたのと同時に、唇に温かいものが当たった。

「また来てね」


 _目を開くと、アリスの姿は見えなかった。

そこはさっき水たまりがあった路地裏だった。だけど、水たまりはもうなかった。

「夢じゃ、ないよね………痛っ」

頬をつねったけど、普通に痛い。

「うわーびしょ濡れ」

立ち上がって制服を絞っていると、アリスにはめられた指輪が目に止まった。指輪に付いた小さなピンク色の宝石が輝いている。

_また来てね。

「…また来るよ、アリス」


 路地裏を抜けて家に帰る頃にはもう日は落ちていた。代わりに、星が一つ輝いていた。

「ただいまー」

「おかえりかえで…って、びしょ濡れじゃない。もーどうしたのよ。今タオル持ってくるから、そこで待っててね」

玄関まで迎えに来た母が、わたしの姿を見て慌ててタオルを持ってきた。

「もう高校生だし自分で拭けるってば」

「いいのいいの」

母はそう言いながら、私の頭にタオルを乗せた。

「今日はかえでの好きなシチューだよ」

「ほんと!やったー!」

そういえば、アリスってご飯食べてるのかな。てか、食べれるのかな。

「お母さん、シチューをタッパーに入れて欲しいの。食べさせたい人がいるんだ」

母が私の指輪を見た気がした。慌てて指輪を手で押さえたが、もう遅かった。

「もちろん。カエデが恋した相手なら」

「えっ」

「恋は世界を変えるからね。お母さんには分かっちゃうんだー」

ニコッと母は笑って台所に戻っていった。そんな母の後ろ姿に私は思いっ切り叫んだ。

「そんなんじゃないってば!」

母は振り返って「そうなの?」と言ったが、まるで分かってるとでも言うように笑っていた。

「好きとかじゃないし…」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ