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死ぬまで君を愛してる  作者: 白唯奏


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3/8

救われる人と救う人

 どこまでも青かった。私が住んでいる世界と鏡合わせにしたかのようにそっくりだ。建物もあるのに、人や虫、動物は見当たらない。強いていえば、前を歩く少女の姿だけ。

少女は飾り気のない白いワンピースを着ていた。

「ここは、どこなの?君は誰なの?」

青とも金とも言える白銀の髪を揺らしながら少女が立ち止まった。

「わたしはアリス。ここは…『わたしの世界』」

振り返ることなくアリスは再び私の手を引っ張って歩き出した。何処かに向かっているみたい。アリスの裸足の足音と、私のローファーの音が交わって静寂な世界に消えていく。

「アリスはどうしてここにいるの?」

「…………」

「『わたしの世界』って何?」

「…………」

何を喋ってもアリスは何も答えなかった。

「…ファーストキスだったのに」

ぽつりと呟いた声も水の中に消えてしまいそうだった。

「……ごめん?」

「まあ、良いけど…」

急に返事が帰ってきて照れくさくなった私は、アリスの背中から視線を外した。その時、視界の隅で何かが光った。

「あ、さっきの蝶」

「どこ」

「えーっと、あそこ。てか、距離近くない?」

女同士だとしても明らかに距離が近すぎる気がする。

「?ごめん。初めて人に会ったから距離感分からない」

そっとアリスが離れた。アリスの顔には不思議そうな表情が残った。

「おいで、不亡蝶」

「ふなきちょう?」

白く淡く光っている蝶_不亡蝶がアリスの伸ばした指に止まった。

「ここで生きていた人たちの名残。不亡蝶はいっぱいいるよ」

でもどこで生まれていつからいるか分からない、とアリスは言った。不亡蝶はアリスの指先から飛び立っていった。

「いこう。もうすぐ日が暮れるよ」


 ビル群を抜けると、視界が青く広がった。

「海だ」

思わず息を呑んだ。現実の世界と違って波は一つもなく、ただ遠くまで水平線が広がっていた。それと、海の中から出た崩壊したビルや電波塔の一部が見える。

「こっち」

アリスは砂浜に無造作に置かれたベンチを指さした。古びていて、白いペンキがところどころ剥がれていた。

「ここは?」

「わたしの好きな場所。あそこからいつも違う世界を見ているの」

「…この世界が全てじゃないから?」

昔、母に言われた言葉だ。もしかして、ここは_

「それ誰から聞いたの」

「お母さんから。私が小さかったときに」

アリスは何も言わずに、古びたベンチに座った。

「待ってたよ、カエデ」

「どういうこと?それに、どうして私の名前を」

アリスと目が合った。その目は青く澄んでいた。

「ねえ、カエデ」

アリスは私の問には答えずに、そっと手を握ってきた。

「わたしを救って」

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