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第1話①『学園へ!』

「次のニュースです。研究所の謎の爆破から2ヶ月が経過しましたがいまだにその原因が解明されていません…。今後は王国の騎士団も捜査に…」


ニュースを見ながら眠たそうな顔をした高校生が眠たそうに朝ごはんを食べている。


「あのね司…もう高校生なのよ!シャキッとしなさい!シャキッと!!」


今日から高校一年生になる龍崎司。

龍崎はパンを食べながら


「おはよう〜…義母さん」


エルフの美女にそう言う。母と呼ばれるまでは絶対に母の気づかれないルックスだが歳結構はとっているらしい…。


「よし…それじゃあ行ってくるよ」


一通り準備を済ませた龍崎はスーツケースやバッグなどの荷物を持った。


「これから3年間がんばるのよっ!!」


「行ってきます…義母も気をつけて」


そう言って手を振りながら龍崎は出発した。

義母は背中が見えなくなるまでず〜っと手を振った。


「がんばるのよ…司」


最後に改めてつぶやいた。


ポッポッーー!!


駅では人が多く龍崎は切符を何度も確認しながら間違えず汽車に乗ることに成功した。なんとか席を確保した。

しかも窓際だ!景色を見ながら龍崎はこれから始まる学園生活にワクワクしていた。


「おいおい…見ろよアイツの制服!」


「マジかっ!あれデザイワ学園のじゃん!」


「まともな学生じゃねえなっ!」


龍崎から斜め前に座っている別の高校生が龍崎を指差してヒソヒソと…いやかなり大きな声で話している。

すると汽車の中の人たちは声こそかけてこないがチラチラと横目で龍崎を見る。


「やれやれ…ひどい言われようだ」


龍崎は小声でつぶやいた。

これから行く学園の評価の悪さにさっきまでのワクワク気分から一転して最悪の気分になった。そのまま目的地の駅に着いて龍崎は素早く駅を出た。学園に向かっていると…


「あの本当に結構ですので…」


「いいじゃん〜!どうせデザイワ学園なんでしょ?」


見なくてもわかる…そうナンパだ。チャラチャラした男が女子高生をナンパしているのだ。


「わるい…待たせたな」


龍崎はそう言って女子高生に声をかけた。

するとそのチャラ男はチッと舌打ちをして


「んだよ…彼氏いんのかよ」


そう言って立ち去っていった。すぐにその女子高生は龍崎に頭を下げた。


「助けていただいてありがとうございます…」


女子高生は龍崎が同じ制服を着ているのに気がついた。


「あっ!同じ高校なんですね…私、堺優衣って言います」


「俺は龍崎司、よろしく」


平然をよそおう龍崎であったが内心では突然の美少女とイベントに心が舞い上がっていた。

黒髪ロングで目元にチャーミングなほくろがある、ナンパされるのも納得の美少女だ。


「堺優衣って名前だからニホンの先祖?」


「えっ…あっ…はい」


聞いたら不味かったのだろうか。龍崎は少し焦る。こんな美女との仲良くなるチャンスを逃してはいけないからだ。


「すごいよな…ニホンの人って。この国から突然召喚された救世主でもあり英雄で色んなニホンの知識でこの国の常識をどんどん変えていったんだから…」 


とりあえず話題を作ることが大事だ…大事なはずだ。龍崎はそう言って堺の顔色をうかがう。


「確かにそうですね…名前的に龍崎さんもそうですよね?」


「はい、そうです…」


しゅ〜う〜りょ〜う〜!!


心の中でそう声が聞こえた気がした。

これ以上いると逆に悪い印象をあたえると思った龍崎は名残惜しくも


「そんじゃ…」


クールに立ち去って行った…。


「あの待ってくださいっ!」


これはまさかっ!龍崎はポーカーフェイスで振り返る。


「よかったら、ご一緒に行きませんか?」


「っ!!」


信じられないっ!今、俺は一緒に学園に登校している!!まるで夢のようだ!…と龍崎はとても感動した。

それにさっきよりも会話が盛り上がっている!

あの会話は地雷だったのかもしれない…。


「…堺はなんでデザイワ学園に?」


相変わらずのポーカーフェイスで質問した。


「私は…ね…」


さっきまでは明るかった堺の表現が突然くもる。龍崎焦る。


「第一志望は風邪で受けれなくて第二、三はインフルで…あれだけ特訓したのに……あっごめんなさい、思い出しただけで涙が…」


堺の目がうるっとした。流石のポーカーフェイスもちょっとくずれた。


「い、いやごめんなっ!俺が変なこと聞いたせいで…」


「龍崎くんはどうして…?」


すると龍崎は少しだけ沈黙した…。そして視線をそらしながら


「兄が…兄さんが行ってたんだ…」


「そっか…仲がいいんだね」


緊急イベント!タメ口解禁!…だが龍崎はそんなことを考える余裕がなくただ黙った…。

そのあとは何気ない会話ばかりを繰り返したながら学園に向かった。


「そっか…堺の両親はどちらともヒューマンだから魔法は使えないのか」


「そうなの、だからさっきみたいに男の人に声をかけられた時、いっつも一人だと諦めてくれなくて…」


「だったら俺が守ってやんよっ!」と言いたい龍崎であったが絶対にひかれると思ったので心の中だけにとどめた。


「あっ!見て!!」


堺が指をさした。その方向を見ると思わず龍崎も


「おお〜!!」


壁に囲まれた大きな円形が空高くに浮かんでいた。あれこそ龍崎たちが通うデザイワ学園である。


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