迷うよ、長い道なんだから。
「迷うよ、長い道なんだから。」
心にすうっと染み込んで来た闇。
追い出さずに優しく抱きしめた。
未来を掻き消して、ひしゃげた今を見つめた。
こくり俯くと、何かが零れた。落ちてった。
その何かは夜、月に寄り添う星へと変わる。
見上げるものは遠く遠く。
いくら手を伸ばしても届きゃしない。
しまいには足場が崩れちまい、もっと遠くに。
絶望にだけは溺れたくないんだけどなぁ。
心がはぁぁと吐き出した溜息。
幸せが一つ逃げ出していったらしい。
明かりをすぐ消して、消えかけた痕跡を見つめた。
あっちらへんに、何かがあった。ボクのかも。
けど雨が降って、すぐに霞んで見えなくなった。
追いかけるものは遠く遠く。
いくら走っても辿り着きゃしない。
しまいには道を間違えて、ここ何処なんだって。
それは道化のボクが聞きたいんだけどなぁ。
振り返る。ゆっくり空飛ぶヒカリが見えたよ。
おや、幸せは闇と一緒にポケットの中にいた。
なんだ、そうか。そうなんだ。
迷うよ、長い道なんだから。
よし、じゃあ行こっか。
なんでもかんでも遠く遠く。
いつか掴めりゃそれでいいよ。
しまいには笑えること出来れば、もっと良いよね。
結局は、とにかく進むしかないんだよなぁ。