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良いスポーツ!!  作者: 文丸文夫
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プロローグ




「現実を見なさい!」

後ろから送られる叱咤から逃げるように自室ドアを閉めた。

部屋はカーテンーを全て閉め切っているため昼間でも薄暗い。

布団を被りスマホをいじる、動画投稿サイトを見て時間を潰す、それでも飽きが来たので布団の横に置いてあるVRゴーグルを手に取った。

____________________


「現実はクソ」

「それ毎日いってね?」

日々の鬱憤をゲームで晴らす。

「まじでこっちが現実になんねぇかな」

「それも毎日いってるよな」

惰性、暇つぶし。

「ここでだべってないでなんかクエストいこうよ」

「ええー」

「面倒くさがんなよ、ほら行くぞ!」

「ひん」


VRゲームが一斉を風靡したのは5年前の事だった、今では数多のVRゲームが存在しており、ゲームジャンルの一種として定着した。

今俺がやっているのは王道のVRMMORPG、4年前から配信を初めて今でも運営を続けているゲームだ。

「お前ゲーム下手じゃないのになんでそんなやる気ないんだよ」

クエスト失敗

原因は俺の余所見だった。

「そんな怒んなよ」

「いや、マジでちゃんとやって、おもんないから」

「、、、」

ギスギスした空気が流れる。

「ごめん、俺落ちるわ」

耐えられず俺は逃げた。

____________________


ため息が漏れる。

自分はなんなんだろう。

ネガティブ思考に陥る。


スマホを眺めながら時間を潰す。

そこでふと一つのネットニュースが目に入った。


『VRバトルロワイヤル Xリング 第1会世界大会優勝 賞金1億円獲得』


「ハッ」

鼻で笑う、1億とかw


それでもこの記事が妙に気になった、記事を読む。

読んでる内に自分がプロゲーマーだったら、そんなことを妄想する。

くだらないことだ、いつもの現実逃避のための妄想、そんなことを心のどこかでわかっていても妄想は止まない。

誰もが俺を称える、俺の凄いプレイに解説は驚く、そんな安い妄想。

ああ、こうなれたら、きっと人生は素晴らしい。


このゲームの公式サイトに飛んだ。

最近配信が始まったゲームでハイスペックVRの機能をふんだんに使ったゲームらしい、多くの大手ゲームメーカーが共同で作り上げたバトルロワイヤル式のローグライクゲーム。


俺は衝動的にこのゲームがやりたくなりダウンロードのボタンをクリックした。しかし


このVRゴーグルでは利用できません aqos 9 1130X以上のCPUが必要です。


4年前買ったVRゴーグルではスペック不足だった。

「なんだよ」

無性に腹が立つ手にあるVRゴーグルを投げたくなるがそれを抑え、横にあるエナジードリンクを飲み干し怒りを沈めた。


「、、、クッソ」

ふて寝した。


朝起きてキッチンへ向かい冷蔵庫を開け、エナジードリンクを飲んだ。

まだ、妄想を続けている。

スマホで最新のVRゴーグルを調べる。


最新VR

Oqulus me 3

300,000


「ブッ!」

エナジードリンクを吹き出す。

30万!?

馬鹿げている、引きこもりのニートが買えるような値段ではない。

諦めよう。

そうタブをスライドさせようとした時。


「何吹き出してんの!」

母が現れた。

俺は全力で逃げるを選択。

「ちょっと待ちなさい」

逃げられない。


母に捕まった俺は吹き出したエナジードリンクを拭かされていた。

「何これ、あんたまたゲーム買うの?」

母は人のスマホを勝手に見た。

「いや、買う金が無いよ」

俺は手早く拭き終わり、そそくさと逃げる。

「なら、バイトすればいいじゃない、30万なんて2ヶ月頑張ればすぐよ」

俺は自室に戻った。

____________________


「バイトか、」

バカバカしい、今更働いてどうするんだ。

そう考え動画投稿サイトを開いた。

飽きた。

妄想が始まる。

みんなが俺を称える、みんなが俺を褒める。

俺はバイト求人を開いた。


「赤坂 乃吉くん今日から2ヶ月間短い間だけど、よろしくね」

俺はバイトを始めた。


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