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World Piece  作者: アキラ
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第4話 城内をご案内いたします♪

ミネルバとアオラがラムリア王国の説明を一通り終えると、ミネルバが確認のためにザルトに質問する。


「確認だけど、ザルトは今日からここで住むんだよね?」


「ああ。そのつもりだが…」


ザルトはミネルバの守護騎士になったため、当然のように今日からこのラムリア城に住むことにしているのだ。


「そういうことなら、アオラ。ザルトを部屋に案内してあげてくれる?」


「かしこまりました!ザルトさん、行きましょう!」


ミネルバに指示されたアオラは椅子から立ち上がるとザルトの方を見ながら言う。ザルトはそれに応じる形で椅子から立ち上がる。


「あ、ああ…」


ザルトはミネルバを見ると、彼女はそのまま椅子に座って紅茶を飲んでいた。ザルトはアオラについていくと、ミネルバの私室の隣の部屋の前で立ち止まる。


「ここが今日からザルトさんの部屋となります!どうぞ~」


アオラは笑顔でそう言いながら部屋の扉を開ける。次の瞬間、ザルトの目に飛び込んできたのはかなりの広さのある部屋だった。


「これは…凄いな」


「ミネルバ様が用意してくださったんですよ~!最初は私と同じ部屋が良いかと思ったのですが、ザルトさんは男性で私は女性なのでそういった意味でも部屋は別の方が何かと良いのではないかとミネルバ様からのご配慮をいただいたので、ここがザルトさんのためのお部屋です♪」


「そうなのか…」


ザルトはそう言いながら辺りを見渡す。案内されてきた部屋は洋室で一人部屋にしては充分すぎる広さに一人で寝るには充分すぎる大きさのベッド、何人かの衣服をしまえるくらいの大きいタンスにクロゼット、テーブルに椅子やソファ、テレビ等が備え付けてある。


「なにか必要な物があれば遠慮なく申し付けください!物によってはミネルバ様に相談が必要かもしれませんが、基本的にそういった判断は私に一任されておりますので!」


「ああ、ありがとな」


「お荷物はどこか適当に置いてくださいね。この後は城の中を案内いたしますので、ついてきてくれますか?」


「わかった」


ザルトは持ってきていた荷物を部屋の端に置いてアオラのところに来る。するとアオラはポケットから何かを取り出してザルトに差し出す。


「こちら、この部屋の鍵となっております。必要に応じてお使いくださいね♪」


「ああ」


アオラはそう言いながらザルトにこの部屋の鍵を予備も含めて渡すと、ザルトはそれを受け取る。


「それでは、これから城内を案内しますので私についてきてくださいね!」


アオラはそう言うとザルトを連れて部屋を出て、廊下に出る。このラムリア城は洋風な城であり、かなり大きく広いため初見では迷ってもおかしくはない。


「何から何まで、すまないな。アオラ」


「良いんですよ~。私はミネルバ様に言われたことを遂行しているだけなので!それでは、行きますよ!ちゃんとついてきてくださいね!」


「お、おう」


それからザルトはアオラにラムリア城の中を案内してもらった。最初に来た玉座の間からお手洗い、大浴場、厨房等を案内してくれた。


「一通り城内を案内しましたが…どこに何があるか、わかっていただけましたか?」


「まあ、大体はな」


ザルトはアオラに案内してもらったおかげで、ラムリア城の内部を大体把握することができた。


「それなら良かったです~!それではミネルバ様のところに戻りましょうか」


「そうだな」


ザルトとアオラはラムリア城の内部を巡り終えると、ミネルバがいる部屋に戻っていく。移動する時は廊下を歩いていくのだが、城の中ということだけあって廊下もなかなか長い。


「ミネルバ様!ただいま戻りました~!」


「あっ、2人共おかえりなさい。遅かったということは、城内の案内も一緒にやってたのかな?」


ミネルバはアオラが用意していたクッキーを食べ終えて紅茶も飲み終えたためか、本を読んでいた。2人が戻ってくると顔を上げて微笑みながら出迎えた。


「そうですね!ついでなので案内してさしあげました!」


「そうだったんだ。お疲れ様。ザルトは城の中は大体把握できた?」


「ああ。大体はな」


「そっか。それなら良かったよ」


アオラはミネルバの隣に座ろうとすると、ティーカップとお皿が空になっていることに気付く。


「あら、紅茶とお茶請けのお菓子がなくなってしまいましたね。淹れ直してきましょうか?」


「うん。お願いね」


「了解しました!しばらくお待ちくださいね!」


アオラは空になったティーカップとお皿を下げると部屋から退室していった。すると部屋にはアオラとミネルバの2人が残る形となる。


「あ、そうだ。ザルト」


「ん?」


「これからよろしくね」


「ああ。こちらこそ、よろしく」


こうして、ザルトの守護騎士としての生活がここラムリア王国で始まったのだった。



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