第3話 ラムリア王国について
ザルトが話を聞いてくれる姿勢になると、ミネルバが先に口を開く。
「その前に聞きたいけど、ザルトってどこの出身なの?」
「俺は…」
「それについては、ここに書いてありますよ!」
ミネルバがザルトに出身国を聞いたため、アオラがザルトのプロフィールについて書かれている書類を見せながら声を掛けた。
「どれどれ…?えっ!ザルトってアストロ王国の出身なの!?」
「あっ、はい。そうですけど」
アストロ王国というのはラムリア王国の隣に位置する大国であり、ラムリア王国と同様この世界における三大強国の1つとされている。地形的には平地が多く、多くの国と隣接していることから海とは面していない大陸国家でもある。ラムリア王国と同様、比較的平和な国であるため、戦が少ないが戦闘に秀でた者が多いことも特徴である。
「そうなんだ。それなら隣国であるこの国のことについて少しは知っていたりするのかな?」
「まあ、少しは知っていますがせっかくなのでお二方に色々、話していただけると嬉しいですね」
「そういうことであれば私とミネルバ様にお任せを!」
「そうだね。それじゃあ、まずは基礎的なことからかな?ここラムリア王国は世界三大強国の1つで、水が豊かな国なんだ。水の国、水の都ともいわれているね」
まずはこの国の王女であるミネルバが自らラムリア王国についての説明を始める。ミネルバの言うとおりラムリア王国は水が豊かな国であり、景観がとても綺麗な街が多い。現実世界に当てはめるとヴェネチアに近いイメージである。
「さらに!ミネルバ様は国民の皆さんから愛される王女様であり、優しくもお美しいお方なんですよ!」
「それは見ればわかる」
アオラが言ったことに対してザルトは冷静にツッコミを入れる。アオラに褒め言葉のオンパレードをもらったミネルバは照れ臭いのか、頬を少し赤くしている。
「それとザルトは私にだけ敬語を使うけど、話しづらいのなら素の口調で良いよ?」
「ですが…!ミネルバ様は俺の主なのでそういうわけには…」
「それじゃあ、主命令。私と話す時にも素の口調で話して。こうすれば、断る理由もないでしょ?」
ミネルバはここで主としての命令を初めて出す。守護騎士は主の命令は絶対であるため、こうすれば嫌でも従ってくれるだろうと思ったのである。
「…さすがはミネルバ様だ」
「様付けもダメ。これも主命令」
「うぐっ…わかったよ。ミネルバ…これでいいか?」
「はい。よくできました♪」
「さすがはミネルバ様!主命令を見事に使いこなしていますね!」
ザルトとミネルバのやりとりを見てアオラが楽しそうに笑う。ミネルバは主命令を早速、使いこなしているためザルトはタジタジの様子である。
(ザルトさんとミネルバ様…良い関係になれたらいいですね)
「そういえば、まだ説明の途中ですよ!ミネルバ様」
「そうだったね。アオラ、頼める?」
「はい!お任せを!ここラムリア王国は各国との交易の中心地として栄えていて、近隣諸国とは良好な関係を築いていますね」
ミネルバに国の説明を求められたアオラはザルトにそう説明する。ミネルバだけではなくアオラも話すことでそれぞれの目線での説明ができているため、ザルトが得られる情報は多かった。
「あとは光の女神伝説だけど…ザルトは聞いたことあるかな?」
「ああ、それってたしか…今から500年前に起こった光の女神と闇の女神による世界大戦のことか?」
「あっ、知ってるんだ」
ザルトが光の女神伝説を知っていることに対してミネルバが意外そうな顔をするが、アオラは笑顔で言ってくる。
「まあ、これは有名ですからね~!ザルトさんの出身国はお隣ですし、知っていてもおかしくはないかと」
「そういえば、そうだね」
それからザルトはミネルバとアオラからラムリア王国に関する色々な説明を聞いていた。ザルトに対してのラムリア王国の特徴や情勢等の説明を一通り終えると、ミネルバは一息つく。
「…と、こんなところかな。どうかな?大体わかった?」
「ああ。ミネルバとアオラのおかげで色々知ることができたよ。ありがとう」
「それなら良かった」
ザルトにラムリア王国のことを理解してもらえたことで、ミネルバとアオラは説明した甲斐があったと微笑んだ。




