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World Piece  作者: アキラ
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第13話 賑やかな朝

翌朝、最初に目を覚ましたのはアオラだ。アオラはミネルバの筆頭メイドであるため、その仕事をこなすために早起きなのである。


「ふわ~あ…よく寝ました。お二人は…まだ寝ていらっしゃいますね」


アオラはまだ気持ち良さそうに眠っているミネルバとシャーロットの寝顔を眺めながら優しく微笑む。そして2人を起こさないようにゆっくりベッドから出ると、いつものように髪を整えてから寝間着からメイド服に着替える。


「♪~」


アオラは静かに鼻歌を歌いながら身支度を整えていく。鼻歌が静かなのはベッドで気持ち良さそうに眠っているミネルバとシャーロットを起こさないようにするためである。身支度を整えたアオラはできるだけ音を出さないように部屋から出ると、廊下でザルトとオルクに遭遇した。


「あっ、ザルトさんにオルクさん。おはようございます!」


「おはよう。アオラ」


「ああ、アオラ。早速で悪いが、シャロを見なかったか?」


「シャーロット王女なら、ミネルバ様のお部屋で一緒にお休みになっていますよ。気持ち良さそうに眠っていらっしゃったので、まだ起こさないであげてくださいね?」


オルクにシャーロットの居場所を聞かれたため、隠すことなく答えた。するとオルクは納得したような表情になる。


「なるほど。いねぇと思ったらミネルバ姫の部屋で寝てたのか…」


「はい!昨夜は女子会をしておりましたので!」


アオラは昨夜のことを女子会と称したが、あながち間違いではない。お酒が入ってはいたものの、女性だけで仲良くおしゃべりして楽しいひと時を過ごしたのだから。


「女子会か。まあ、シャロも気楽に話せる同性のダチができて嬉しいんだろうな」


「そうだな。そういえば、アオラ。ミネルバもまだ寝てるのか?」


「はい!シャーロット王女と仲良く一緒にお休みになっていますよ。何かご用がおありでしょうか?」


アオラはザルトがミネルバに急を要する用事があるのかどうか気になったためにそんな質問をする。


「ああ、いや、そうじゃないんだ。まだ寝ているなら無理に起こさなくていい」


「わかりました!お二人に関しては朝食ができましたらまた起こしに行くつもりですので、ゆっくり寝かせてあげてください。特にシャーロット王女はこの国までの遠征と昨日の戦闘でお疲れみたいでしたので」


アオラはミネルバのことはもちろんだが、シャーロットのことも気にかけているようでザルトとオルクにそう言う。


「なんか、わりぃな。シャロのこと、気にしてもらっちまってよ」


「いえいえ!むしろ気にさせてください!シャーロット王女は国賓であり、お二人の幼馴染みでもありますからね!」


アオラはシャーロットのことを国賓と思っているのもあるが、昨夜に色々話して仲良くなったのもあるため、気にかけているのだ。


「俺からも礼を言わせてもらおう。ありがとう、アオラ」


「いえいえ~どういたしまして。それでは私は朝食を作りに行ってきますね!」


それから少し時が経ち、アオラは朝食を作り終えた後にミネルバとシャーロットを起こすために部屋に戻ってくる。


「ミネルバ様!シャーロット王女!朝ご飯ができましたよ~」


「あっ、アオラ。おはよう」


アオラが部屋に入るとミネルバは既に起きており、服はいつものドレスに着替えて髪を整えているところだった。


「おはようございます!あっ、髪なら私にお任せを!」


「自分でできるから良いよ」


「いいえ!私にやらせてください!」


「私のことは良いから、シャーロットを起こしてあげてくれない?」


ミネルバはそう言いながらもベッドの方を見ると、そこにはシャーロットがまだ気持ち良さそうに眠っていた。


「わかりました!」


アオラはミネルバの指示を受けたことで、ベッドに行って未だに寝ているシャーロットを起こしにかかる。


「シャーロット王女~、朝ですよ~。起きてくださ~い!」


「ううん…誰?」


「アオラですよ!昨日、一緒にお話させていただいた…」


アオラが元気なトーンで声をかけるとシャーロットはそこで少しばかり目が覚めたのか、アオラに視点を合わせた。


「あっ…うん、アオラだよね。ちゃんと覚えてるよ~…おはよう」


「はい!おはようございます!」


シャーロットはアオラに挨拶をしながらベッドから起き上がった。アオラはシャーロットが起きたことでベッドから離れる。


「おはよう、シャーロット。昨日はよく眠れた?」


「おはよう、ミネルバ。昨日はベッドを貸してくれてありがとね」


「良いよ。昨日はシャーロットと一緒に寝られて良かったし」


ミネルバは朝の支度を整えつつもシャーロットとの会話に応じる。シャーロットはミネルバと会話しながらベッドから出てきていた。


「シャーロット王女。よろしければ身支度のお手伝いをいたしましょうか?」


「良いの?」


「はい!ミネルバ様は既に終えられてしまったので、お手伝いいたしますね!」


アオラはミネルバが朝の身支度を終えてしまっていることで手持無沙汰な様子でシャーロットに提案する。


「それじゃあ、お願いしようかな」


「お任せを~!」


シャーロットがアオラに朝の身支度を頼んだことで、アオラは喜んでシャーロットの朝の身支度の手伝いをしてあげるのだった。

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