第11話 幼馴染との出会い
アオラが盃を持って戻ってくると、シャーロットがそれぞれの盃にお酒を注いでいく。そのお酒は透き通った透明な色をしていた。
「全員に行き渡った?」
「うん」
「大丈夫です!」
「それじゃあ、我がアストロ王国とラムリア王国の友好関係成立を祝って…乾杯!」
『乾杯!!』
シャーロットが音頭を取ると彼女とミネルバとアオラの3人は乾杯をしてお酒を飲む。するとミネルバとアオラは少し驚いたような表情になった。
「あっ、美味しい…」
「美味しいですね、このお酒!しかも、とっても飲みやすいです!」
「良かった~!これ、すっごく美味しくて飲みやすいからあたしもよく飲んでいるんだよね。それでよく飲みすぎる人が多いから、飲みすぎには注意して!」
アストロ王国の地酒でシャーロットが特にオススメのお酒を持ってきたため、ミネルバとアオラはその美味しさと飲みやすさに驚いていた。
「たしかに飲みすぎちゃいそうだよね。癖になりそうな味でもあるし」
「飲みやすさからして、アルコール度数は低いように思えますけどね」
「正解。これ、アルコール度数がそこまで高くないから、お酒に強くない人でも飲めるお酒なんだ。それであたしが好きでオススメのやつにしてみたんだけど、気に入ってくれた?」
シャーロットが今回、持ってきたのはアストロ王国の地酒でも彼女のお気に入りであり、よく飲んでいる物を持ってきたのだ。
「うん。気に入ったよ」
「私も気に入りました!シャーロット王女、ありがとうございます!」
「これ、ザルトも好きなお酒だから差し入れに持ってきたんだけど、ミネルバとアオラも気に入ってくれて良かった」
「そのザルトさんのことで質問があるのですが、よろしいでしょうか?」
「うん。良いけど、なに?」
質問があるとアオラが言ってきたため、シャーロットは早くも2杯目を飲みながらも応対する。
「シャーロット王女はザルトさんとどのように知り合って、今に至るのですか?」
「その質問に対する答えは長くなるから、お酒を飲みながらでも良い?」
「もちろんです!あっ、ですが呂律が回らなくなるまでは飲まないでくださると…」
「心配しなくても大丈夫。あたし、こう見えても結構強いんだよ?むしろ飲んだ方が喋れることもあるからさ」
シャーロットは再び空になった盃に酒を入れながらアオラに話す。シャーロットは自分で言うとおり酒には強いようで未だに顔が赤くなったり、呂律が回らなくなったり等の変化は見られない。
「それなら、良いのですが…」
「私も聞きたいな、その話。ザルトのことを知られる良い機会だし」
「2人共、ザルトに興味津々だねぇ。それじゃあ、どこから話そうかな…」
シャーロットは盃に入れてある酒を少しずつ口にしながらザルトとの知り合ったことについて話し始めるのだった。ミネルバとアオラはそれを黙って真剣に聞く姿勢になっている。
「あたしの国であるアストロ王国は比較的、平和な国なんだけど、昔は場所によっては治安があんまり良くなかったところがあってね。スリや切り裂き事件とかあったところがあるなんていう話を聞かされていたんだ」
シャーロットの国であるアストロ王国は現在、平和な国であるが少し昔は治安の悪い場所がいくつか存在しており、場所によってはスリやカツアゲ、切り裂き事件などが起こっていた。
「そんな話を聞いてから少し経った後、そんな治安の悪い場所で起きていた事件や小競り合いがだんだんなくなってきたという報告を受けて、さらに誰かがそれを解決しているという話を聞いてね。うちの国の兵士がやったわけじゃないから、気になったあたしは数人の護衛を連れて治安が改善されている場所に行ってまずは情報を集めた」
シャーロットはそこで盃に入っている酒をまた少し飲んで、そこから続きを話し始める。
「どうやら二人組の男がそういった事件をことごとく解決していっているという話を聞いたあたしは街を歩いていたら近くでちょうど揉め事が起きている現場に遭遇して、そこであたしは少し遠くから見ていたら話にあった2人組が現れたんだ。それがザルトとオルクだったというわけ」
「それはつまり、2人はアストロ王国の治安を良くするために戦っていたということ?」
先の話が少し読めたミネルバがそう聞くと、シャーロットは頷いた。アストロ王国の治安が良いのはザルトとオルクのおかげであるらしい。
「その通り。あたしはそんな二人に話に行って、治安を良くしてくれていることに関するお礼を言ったの。そこからだね、2人との関係が始まったのは」
「素敵なお話ですね!話してくださり、ありがとうございました!」
「いいよ、これくらいならいくらでも話すから」
シャーロットは話し終えたことでお酒をもう一杯を盃に注ぐと今度は一気に飲み干していた。ミネルバとアオラはザルトの知られざる一面を知れたことに喜んでいた。




