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Is there a reason? モラトリアム  作者: UU(うゆう)
2章
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2章 であれば、手紙は必要ない

犬石過去編二回目です。前回より少し長いです。

「じゃあ、安静にしときなさい。」

「うん、ありがとう。」

昨日海に飛び込んだ後、しばらく濡れた制服のままで行動していたので、ただいま風邪で寝込んでいる。もちろん学校は休ませてもらい、運よく仕事は入れていなかったので、おとなしくベッドに引き籠っている。母の看病もあり、朝と比べてだいぶ楽になった。このまま行ったら、明日には復帰できるだろう。学校は正直休んでもいいが、午後の仕事をキャンセルするのは大勢の人に迷惑が掛かるので、なるべく避けたい。

もう一度寝付こうと電気を消しに行くとき、携帯が鳴った。確認してみると、魔利からのメールだった。今朝風邪をひいたことを伝えたら、放課後お見舞いに来ると言ってくれ、今着いたらしい。


「わざわざごめんね。」

「なによ、水臭い。はい、プリン、私の分も買って来たから一緒に食べよ。」

「ありがとう。」

彼女はいつも通りの様子だった。二人でリビングに戻り、彼女が買ってきてくれたプリンをいただくことにした。

「お母さんは?」

「さっき仕事で出て言ったところ。」

「そっか。じゃあ、お母さん帰ってくるまで一緒にいてあげるね、一人じゃ不便でしょ。」

「ありがとう。でも、大分よくなったから大丈夫だよ。うつったら申し訳ないし。」

「満作さんは風邪をひかないから、心配ご無用。今日は仕事ないし、付き合うよ。」

「ありがとう。魔利は優しいね。」

「困ったときはお互い様。早速食べよ。」

「うん、いただきます。」

金銭的な理由で、プリンなんて普段食べないので、私にとっては初めての味だった。想像していた数倍美味しく、主成分が卵と言うことで、食べるときの罪悪感も少なかった。

「おいしい。」

普段食べ物に対して感想を上げないので、それを知っている魔利は少し驚いていた。

「おいしいけど、これコンビニのだよ。まあ、買ってきた身からしては、おいしそうに食べてくれると嬉しいけど。」

「うん、ありがとう。こんなの初めてだよ。」

「そ、そう。それは良かった。」

母が作ってくれる料理ももちろん美味しいが、甘い、と言う味をあまり知らなかった私は、プリンとシロップの相性の良さと、その美味しさに感動した。


「ごちそうさまです。本当にありがとう、すっごくおいしかった。」

「はいよ。お金に余裕が出来たら、カフェとかでもっと高級なの食べようね。」

「いや、私はコンビニので十分美味しかったよ。これ以上美味しいもの知っちゃったら、いつも作ってるお母さんの料理で満足できなくなっちゃうよ。」

「謙虚だねー、六海は。」

さっき言ったことは本当だが、高級な料理になると厳選した食材になる分、食べるのが申し訳なるのも断った理由の一つだ。コンビニのプリンは材料がラベルに書いてあるが、カフェとかになると分からない。私には庶民的なものが似合っているのだ。

「今日配られたプリントと、宿題のメモ入れといたから。ま、六海の頭だったらすぐ終わると思うよ。」

「ごめんね、何から何まで。」

「もう、いいって言ってるでしょ。もう今日は謝るの禁止ね、対等じゃなくなるよ。」

「あはは、ありがとう。」

彼女がまとめてくれただろうファイルを受け取り、会話を続ける。

「でさあ、今朝は聞かなかったけど、教えてよ、何でいきなり海に飛び込んだのか。なんか落としたの?」

「あ、えっとね。」

今朝風邪の理由を聞かれ、“海に入ったから”としか書いておらず、それ以外の情報はまだ伝えていなかった。とりあえず嘘偽りなく、私の知る情報を伝えることにした。

「なるほどね、今朝メール見たときはストレスで気が狂ったのかと思ったよ、制服のまま海に入るなんて。」

「あはは、そんなことしないよ。」

「志垣先輩、今日ちゃんと学校に来てたよ。」

「そうなの、良かった。」

彼の無事に胸をなでおろす。昨日の夜からずっと心配していたので、これでようやく何も気にせず休めるというものだ。

「ははーん、さては六海、志垣先輩のこと好きでしょ?」

私の反応が大げさだったのか、彼女がしたり顔で聞いてきた。

「う、うん。じつは、ね。」

「ひゅーひゅー、好きな人の命を救うためなら、そりゃ海にも飛び込むよね。」

「ちょっと、からかわないでよ。」

「ごめんごめん。で、どうなの、付き合ってんの?」

「いやいや、マネージャーさんに恋愛NGって言われてるし、そもそも私のこと彼は知らないだろうし。」

「そりゃ知らないでしょ。知ってたらもう付き合ってるよ。」

「いやいや、ないよ。」

「あるって。六海、あんた自分がどれだけ男子にモテるか知らないでしょ。」

「いや、男子からは嫌われてるよ、私。思いっきり避けられてるし。」

「それは、男子内であんたに手を出さないルールを作ったからよ。あんた知らないの、昔六海のために男子の大半が喧嘩したこと。」

「あ、あのときのね。あれ、そんなことが原因だったの?」

「そうよ。だから、六海はモテるの。自信持ちなさい。」

「でも、仮にそうだとしても、仕事があるから。それに、志垣先輩今受験で忙しい時期だし。」

「ばれなきゃいいのよ。それに、彼女は受験の妨げにはならないわよ。逆にモチベ保つ存在になるんだよ、知らなかった―?」

「知らないよ、っていうか本当なの、それ?」

「ホントホント。満作さんは何でも知ってるんだよ。」

そのまま話は続き、魔利の勢いに押され、彼への気持ちを全部話す羽目になった。いろいろアドバイスされたが、何を言われようと彼と付き合うことは諦めている。もちろんできることならお付き合いをしたいが、その行為でいろいろな人に迷惑が掛かる。私は隠し事とか下手だし、危ない橋を渡るつもりはない。

「もーじれったいなー。知ってるよ、六海がモデルでストレス溜めてるの。幸せのためなら、モデル辞めてもいいんじゃない?六海がいろいろ苦労してるの知ってるから、私はあんたが幸せになって欲しいのよ。」

「ありがとう。でも、お金稼がないと、お母さんの負担増えちゃうし、さっき言ったように、志垣先輩の笛の演奏を聴けるだけで十分幸せだよ。それに、魔利みたいな最高な親友もいるし、今の状態で満足だよ、私は。」

「もー、いい子ちゃんだな、六海は。ま、六海がいいならいいけどさ、気が変わったら言いなさいよ、いつでも背中押してあげるから。」

「ありがとう。その時はお願いね。」

「任された!なら、私はそろそろ帰るわ、六海が元気そうでよかった。」

「うん、今日はありがとう。」

「じゃ、また明日。」

「うん、帰り気を付けてね。」

彼女とたんまり話、少し疲れた。魔利はお人よしと言うかなんというか、いつも私のことを気にかけてくれる。彼女に出会えて、私は本当に幸せ者だ。辛いことはあるが、楽しいこともある。この人生も、案外悪くないのかもしれない。彼女と一緒にいるために、モデルは続けないといけない。志垣先輩への愛は偽りないが、同時に魔利との友情も掛け替えのないものだ。モデル業自体は嫌いだが、魔利と一緒の仕事をしていることは嬉しい。元から先輩と付き合うことは諦めているし、私はこのままでいいのだ。その為にも、今日はしっかり寝て、明日ちゃんと学校に戻れるようするのが賢明だろう。恋心は一旦棚に上げ、宿題をなるべく早く終わらせ、しっかり休養を取るよう切り替えた。


「行ってきます。今日も仕事で遅くなるから。」

「行ってらっしゃい。病み上がりなんだから、無理しないでね。」

「うん。」

母との挨拶を終え、学校へと向かう。昨日一日中休んだおかげで、風邪はすっかり治った、と言いたいところだが、まだ本調子ではない。学校を休むとマネージャーさんに心配がかかるので、学校に行くように決めた。今日は体育もないし、大丈夫だろう。学業も余裕があるわけではないし、休み過ぎると何かとまずい。県外からの依頼もこの頃何件かいただいているので、出席数を私的理由で削るのはあまりよろしくない。

電車内で、魔利からメールが来て、学校に行くことを伝え、いつも通り駅で待ち合わせすることにした。彼女に風邪がうつっていないようで、安心した。

「六海、おっはよー。」

「おはよう、魔利。」

「真面目だねー、ちゃんと登校して。満作さんならもう二日は休んでるね。ま、風邪ひかないけど。」

「毎年皆勤賞取ってる魔利は、ホント凄いよ。」

「まあまあ、そう褒めなさんなって。」

登校から最後の授業まで、特に変わったことは無く、いつも通りに進んでいった。友人が魔利以外いない分、風邪で休んでも特に心配の言葉は無いし、本当にいつもの、何の変哲もない六時間だった。教室掃除に残っているのは私と魔利のみで、二人なので時間がかかる。この学校には教師内、生徒内両方で上下関係が出来ており、皆はヒエラルキーだの、カーストだのと呼んでいる。教師がどうかは知らないが、生徒ではその上下関係に参加していない者もいる。そう言う人は何かしら特別な理由があり、この関係の一番上に立っている人があえて省いているらしい。私は学年で唯一省かれており、それに対しては特に不満はない。あまりいじめをしたいとは思わないし、逆に下の方に配置されていじめられるのも嫌だし、このポジションはありがたいと思っている。魔利は、学年内でかなり上の方にいるらしい。だからと言って彼女が他の人をいじめている姿は見たことが無いし、掃除も真面目にする。このランキングを作ったのは先輩方なので、案外うちの学年は気にしない人が多いのかもしれない。

「ごめん六海、満作さんちょっとトイレ行ってくる。ダッシュで行くから。」

「分かった、別に急がなくていいからね。」

彼女は箒を置いて、言ったとおりに走りだし、視界から消えていった。彼女は私と違い運動神経が良く、体力も女子の中では多い方だ。体力を惜しまずいつもハイテンションでいる彼女を見ていると、シンプルにすごいと思う。私はどちらかと言うと運動音痴で、水泳がある一学期以外の体育の成績は割と悲惨だ。運動能力が低いのは多分あまり食べないからで、案の定不健康と言われているほど痩せているし、昨日のように割と頻繁に体調を崩す。まだ若い分、回復が早いのでそれほど支障をきたしていないが、将来のことを考えると、しっかりと肉を付けていかないと、いつか苦しい目を見るだろう。人間の三大欲求である食欲が欠けているのは、結構大きな問題なのかもしれない。

健康のことについての一人議論の後、少しの間何も考えずに箒を動かしていた。何も考えないでいると、つい志垣先輩のことが頭に浮かんでしまう。彼とは付き合えないときっぱり諦めたつもりでいたが、昨日の魔利との会話を思い出すと、つい思い出してしまう。私が彼の命を救ったことを伝えれば、間違いなく付き合えると魔利は言ったが、正直それは卑怯かな、と思った。彼が私のことが嫌い、もしくはどうでもいいと思っているのなら、ちゃんと断って欲しい、そう思っている。まあ、付き合うことを諦めたからそう思えるのかもしれない。初めての恋ということで、いろいろな葛藤があるが、諦めるべきだ。それに、昨日聞いた、私の学年の男子の喧嘩のことが本当であれば、他学年であれど男子と付き合うのはあまりよろしくないと思う。嫉妬と言う感情が怖いものだと私は身をもって知っているし、好きな人に迷惑はかけたくない。このように、いくら考えても私の中では彼と付き合わない、と言う結論に至る。

「お待たせ―。満作さん、ただいまトイレから帰宅しました。」

「おかえりなさい。ある程度掃除したから、もうそろそろ終わろ。」

「ありがとー。あとさ、明日仕事入ってる?」

「いや、無いけど。」

「そっか、じゃあさ、放課後ちょっと時間空けといて。」

「いいけど、何で?」

「それは明日のお楽しみ。」

「分かった、楽しみにしてるね。」

「じゃあ、また明日。」

「うん、また明日。」

今日の撮影地はいつもの電車を使うと遠回りになるので、魔利とは学校で別れた。電車で二十分、そこから吉田さんの車で十五分、移動だけでもそこそこ時間がかかる。通勤費は事務所から出るのはありがたいが、帰りが遅くなるのは学生としてもったいないと思う。電車での時間は勉強に使えるが、車では酔いやすい体質のせいで時間をうまく使えない。まあ、その間の吉田さんとの会話は、嫌いではないのだが。


「はいオッケー。一旦休憩挟むよ。犬石ちゃん、弁当食べ終わったら次の衣装に着替えといてね。」

スタッフさんに一礼し、吉田さんの方に向かい、弁当をいただく。仕事は相変わらず苦痛だ。しかし、何か一つでも心の支えがあると、苦しいことも乗り越えられる、そう感じた。私は今のところ、完全に一人になったことは無い。家では母が、仕事場ではマネージャーの吉田さんが、学校では魔利が、皆私を支えてくれる。それはとてもありがたく、嬉しいことなのだが、もし私を支えてくれている人がいなくなったら、どうなるのか考えてしまった。しっかりとしたビジョンは出てこなかったが、逆に見えなくてよかったと思う。孤独と言うものは、本当に恐ろしいものなのだろう。

「浮かない顔して、大丈夫?」

どうやら考えていたことが表情に出ていたらしく、吉田さんが心配してくれた。考え事もそうだが、いかんせん風邪が治りきっていないので、いつものペースでやっていても結構体力を持っていかれた。

「大丈夫です、心配かけてごめんなさい。」

「何かあったら相談しなさいね。あなたはスターになれる逸材なんだから、その才能を無駄にしちゃだめよ。」

「はい。」

「次の衣装の準備しとくから、食べ終わったら来てね。」

「はい、お願いします。」

あまり心配を掛けまいと思っていても、難しいものだ。私がもっと器用な人だったら、気持ちの整理とかも上手くできるのだろうが、あいにく私が恵まれているのは外見だけだ。まあ、一つでも恵まれている点があることに感謝しよう。

「お待たせしました。」

食事を終え、更衣場まで来た。私のために用意された衣装を見て、少し驚いた。基本私に来る依頼は、“海”というテーマに合うものが大半で、そのジャンルの需要が高いおかげで、同じクライアントさんからの申し出が多く、それだけで十分忙しい。

今回用意された衣装は、黒色をメインとしたドレスだった。ヴェールも用意されており、ヘッドに紫色の花の飾り付けが付いている。

「これ、私にですか?」

こういう衣装は初めてで、依頼ミスかと思った。

「そうよ。六海ちゃんも大人の魅力が出てきたから、これからはこういうの増えるかもね。」

「大人の魅力って、私まだ高校生ですよ。」

「友達から言われない?大人っぽいって。」

「あまり、無いですね。」

そもそも友達が魔利以外いないので、私が他者からどう見えているか、あまり聞く機会がない。

「ま、大人から見てもあなたは魅力的ってことよ。さ、着替えちゃいましょ。」

吉田さんに手伝ってもらい、着替え終えた姿を鏡で見る。ドレスは足を覆い隠す長さで、全体的に露出度は低い。ヘッドの花はワンポイントに集中されており、他が黒色なのもあって結構目立つ。正直似合っているのか私には分からないが、似合っていなくてもそれは私の責任ではない。

「まだ完成じゃないから、一旦座って。まず、マニキュア塗るからね。」

そういい、彼女は白色のマニキュアを持ってきた。普段の撮影は青色のマニキュアが多いのだが、今回は何もかもが新しい。

「あの、今回の依頼主さんって、何処なのですか?」

おそらくいつものクライアントさんではないので、聞いてみた。

「名前はGYMNASTERで、新しくできる会社らしいよ。会社のイメージとして定着したら、どんどん依頼来るだろうから、頑張ってね。」

「はい、頑張ります。」

衣装が完成し、現場に戻る。カメラマンさんの指示通りに動き、いろいろとポーズを試す。何枚か取り終えた後、ある道具をもって写真を撮ることになった。ごく一般のサイズの手紙で、緑のインクで会社名が書かれている。正直、会社名をアピールするには手紙が小さい気がするが、取る側の人間ではない私の考えは浅いのだろう。クライアントさんの期待を裏切らないよう、指示通りに動いた。

「ラスト、ヘッドのミヤコワスレを前にして撮るから。」

どうやらヘッドの花飾りのモチーフとなった花はミヤコワスレと言う名前らしい。花に詳しくない私は、花を抽象的なものとしかとらえられず、品種に拘る理由がイマイチ分からない。

「体もうちょっと右に、そうそうそう、ストップ。何枚か取るよー…オッケー、お疲れ様。いやー、犬石ちゃんは何着せても似合うねー。」

「ホント、この会社もいいセンスしてますよ。成長途中のスターはつぎ込んだ数倍の元取れるから、良いところに目を付けましたね。」

撮影が終わると、スタッフさんの雑談が始まる。深く一礼し、足早に更衣場へと帰っていった。取り終わった被写体の話題で盛り上がるのが普通なのかは知らないが、大抵の場合そう言う流れになる。正直、言い方が悪いが、いい年のおじさんたちが私を話題に話しているのを聞くのは、あまり心地よくない。

「カメラマンから大人気だね、六海ちゃん。」

また心情が顔に出てしまったのか、吉田さんに言われた。

「ありがたいことです。」

「仕事上はね。ま、天才ゆえの苦痛ってやつだね。」

「苦痛なんて、そんな。」

「いいのよ、正直言っちゃって。誰にも言わないから。」

私にとって吉田さんは第二のお母さん見たいな存在で、よく心を読まれる。悩み事は気軽に話せるし、この地域では珍しい、頼れる大人だ。そんな彼女だが、結婚していて子供を授かっていたのだが、お子さんは家出して、かかわるな、と言われた後二度と会ってないらしい。私は母が好きだから、家出するなんて考えたことないし、お子さんが吉田さんのどこに不満を抱いていたのか想像もつかない。そう言う過去があって、吉田さんは私を我が子のように接してくれる。それが一般的にいいことなのか悪いことなのかは分からないが、人とのかかわりが少ない私は、彼女の接し方に感謝している。


一昨日のこともあって、今日は吉田さんが来るまで家まで送ってくれた。撮影が長引いて、夜に一人で帰るのは少し不安だったのでありがたい。道中、今後のことをいろいろ話した。高校卒業後どうしたいか、このままモデルとしての人生を続けるのか、いつかは決めないといけないことがいっぱいだった。今の私に答えられるものは少なく、彼女も決断を急いでいるわけではなかったので、あまり深くは考えなかった。

将来。今を生きるのに精一杯な私は、全く考えていなかった。自分の進む道は、自分で決めないといけない、吉田さんはそう言った。彼女からして、私がモデルを辞めたら大分困るだろうに、彼女は私の一人生を尊重し、そう言ってくれた。

「もしお仕事キャンセルしたかったら、ちゃんと言ってね。絶対仕事は増えていくから、遠慮してたら学校通えないぐらい忙しくなっちゃうからね。」

「分かりました。肝に銘じておきます。」

「うん、偉い偉い。じゃ、早めに寝るんだよ。」

「はい、ありがとうございました。おやすみなさい。」

別れの挨拶を済ませ、帰宅する。時刻は九時半、宿題も終わっていないので、今日は寝るのが遅くなることを覚悟した。まあ、明日は仕事が無いし、夜更かしなんていつものことだ。私のことを支えてくれる人のために、頑張ろうと思った。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。いつも同じ感謝の仕方ですが、毎回そう思って書いてます。

今回は知らないことが多く、付け焼刃の知識が多くなっています、申し訳ございません。物語に深みを作るべく、なるべく妥協せずに書きますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

過去と現在を交互に書いているのは、私の好きな作品を真似してやっているのですが、読みにくいですかね?プロと違い、交互に書くっことによって生まれる効果をイマイチ理解せずにやっている初心者なので、不快にお思いになった方には、この場で謝罪させてください。申し訳ございませんん。

もう一つ懸念してることがありまして、一章と二章、内容違い過ぎないか、ってことです。正直犬石編に入るのが早すぎた気がしないでもないのですが、とりあえず当初の予定通りに進行しております。なので、急に間に新たに投稿するかもしれませんが、するにしても、しばらくはしないつもりです。

言い訳のしようがないぐらい経験不足なので、読者様方を振り回す方法になりかねませんが、とりあえず頭の中でできている“骨組み”をすべて書き、その後に修正する形を考えています。ド素人の作品ですが、最後までお付き合いいただけたら幸いです。次章は出来上がっているのですが、眠いので、明日投稿します。それでは。

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