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未来恋愛 Future Love

作者: ND


時は24XX年、生活の全てが機械化した世界

食事はロボットが作り、勝手に筋トレしてくれる機械があり、学校も存在せず、国から渡されるタブレットで課題や仕事をする時代

もちろんこんな時代に運命の出会いというものは存在せず、ネット、主にSNSで気が合い、会って見るというのが最早普通の事と化していた....

そんな時代の話をしよう....



俺の名前は先駆(さきがけ) (しょう)!18歳!ネット名は、ショート!

趣味は生配信を見る事!恋愛はした事ない!

「さて、新規の配信者さん漁りするか....」

そう言って俺は面白そうな配信者さんを探す

そして、面白そうな配信者さんを見つける、ミライと言う配信者だ....

雑談枠か..コメントしてみよう

『初見です』

これは、初めて見た時にするコメントの定礼儀みたいなものだ

「初見さんいらっしゃいです、よければ軽く自己紹介して行ってくださいね」

『趣味は読書のショートと申します!よろしくです!』

「あっ!私も読書好きなんですよ〜!」

そして会話は弾んだ

「あっ、今日は終わりますね!みなさん見ていただきありがとうございました!」

配信が終わり、一息つく俺

「ミライさん、可愛い声してたなー」

俺はミライさんにかなり興味を示していた


ーーー数日後

「ショートさん、配信コラボに上がってみませんか?」

『え?良いんですか?』

コラボとは、リスナーと配信主が一緒に声で会話できる機能だ

「はい、ショートさんとだったら楽しいお話ができそうなので」

『ありがとうございます!ぜひ上がらせていただきます!』

こうして俺はミライさんと初めて自分の声で話した

すると配信後、連携してるSNSアプリのメッセージ機能に、ミライさんからこんなメッセージが来ていた

『よければ今度会いませんか?ショートさんと実際に会ってみたいんです』

仲良くなってきたし、会うのもアリかな

『大丈夫ですよ、いつにしましょうか?』と返した

俺とミライさんのリア凸が確定した

場所は、互いにメッセージで伝えあった住んでるところの間のカフェになった


そしてリア凸の日、俺は朝早くに家を出て、電車に乗り、カフェに向かった

意外にも2人の住んでるところは近く、電車で20分のところにあるカフェで話すことになっていた

「ここで合ってるかな」

そう言い、メッセージに送られていた画像を見る、画像と見比べても違ったところは見当たらないので入ることにする

今やカフェは、リア凸の場所となっていた

カフェで俺は10分ほど待った

「すみません、ショートさんですか?」

「は、はい!ミライさんですか!?」

「はい、そうです」

俺が見たのは車椅子姿のミライさんだった、その容貌はとても美しく、可愛い系の美人と言ってもあながち間違いではなかった

「驚き.....ましたか....?すみません、足が...不自由で....」

「正直驚きました....でも、僕は別に気にしてないですよ」

そんな会話から始まり、小説の話に花を咲かせていた2人

するとミライさんのお付きの人が言った

「もう6時ですよ、未来(みく)様」

「もうそんな時間ですか....」

「あっ、ほんとだ....あっという間ですね....」

「また、会ってくれますか?」

「ミライさん、僕も同じこと考えてました」

「では、ショートさん今日はありがとうございました」

「翔で良いですよ、先駆 翔です、ありがとうございました」

「では私も恋野(こいの) 未来(みく)、未来と呼んでください」

こうして2人は何回か会い、交際に発展し、楽しい日々を送っていたある日...

チローン

未来さんのメッセージだった

『すみません、未来の母です、未来の容体がすごく悪いんです、病院に来て話をしてやってくれませんか?』

俺は電車で彼女が入院している病院へ向かった

そして病院に着いて部屋に入り、彼女の母から告げられたことは、とても残酷だった


不自由な足に入ってた菌が心臓に転移して、もう長くはないらしい

治すには、既に廃病院となった建物にある禁断のワクチンを入手するしかないそうだ

明朝までに帰らないといけないが、時、既に夕方、時間がない、しかしこのままじっとしてても彼女を見殺しにするだけだ!そんなのできない!

そうして俺は呪われているという廃病院に向かう.....

とりあえず廃病院の前までは電車で4本乗ってあっさり来れた、さあ、勇気を出せ、ここで出さなきゃいつ出すんだ!

そして、病院の先生に言われた通りに進むと、ワクチンを発見、型番が合ってる、これだ!俺はワクチンをあるだけリュックに詰め込んだ

「ふぅ、帰るか、っっ!!」

帰ろうとしたが、ドアが開かない!?

これは幽霊なのか、それとも単純に古いからなのか、いや、そんなことを考えてる時間はない!

ここは3階、飛び降りれば怪我をして明朝に間に合わないかも....でもこのままじっとしててもどうにもならない!


下に木が何本か生えている、これだ!

俺は木に向かって3階から飛び降りた

少し擦り傷を負ったが、その程度!である

そして明朝まで後2時間!終電を逃してしまった!最大のミスだ!

「このまま歩いても間に合わない...どうすれば....!!いや、考えても無駄だ!」

そして俺は走り出した

しかし走り慣れてない俺はすぐに疲れてしまう

「はぁ...はぁ....疲れた....けど...ここで諦めるわけにはいかないんだ!俺の未来さんへの愛はそんなもんじゃねえ!」

そしてもう一度走り出す俺、しかしいくら走っても病院は見えて来ない、そこでふと目に留まったのが、レンタルサイクルだった

「これって、今から乗れますか!」

「金さえ払ってくれれば大丈夫だよ」

「借ります!」

自転車は6年ぐらい漕いでなかったけど、なぜかものすごいスピードが出る、愛の力なのか、自転車の性能なのかはわからないけど、これで間に合う....!!

そして病院に着いた俺、明朝まで残り1時間だった、手術時間を考えるとギリギリだった.

..

「先生!このワクチンで未来さんを治せるんですよね!?」

「あぁ!これがあれば足も動くようになるかもしれない、私たちに任せなさい!」

「ありがとうございます!」

「とりあえず先駆君、汗だくだね、シャワールームで汗を流して仮眠してなさい」

「わかりました、頼みます!先生!」

「先駆さん、うちの未来をこんなに思っていてくれてありがとう....!!」

「好きな気持ちに嘘はつけません!」

そうして俺はシャワーで汗を流し、仮眠を取った



ーーー次の日の昼

「....うーん」

未来さんが目を開けた

「未来さん!?良かった!」

「きっと翔さんが助けてくれたんですよね....私、いつも助けられてばかり....」

「未来さん...そんなことないよ....僕は君の笑顔にどれだけ助けられたことか....」

「翔さん....私はあなたが大好きです!」

「未来さん....僕も....」

そして先生が部屋に入ってくる

「恋野さん、足は動かせるかい?」

「え??...え??あっ!!!嘘!?でしょ...?」

なんと、彼女の足が動いたのだ

「ありがとうございます先生!」

恋野さんは泣きながらありがとうと言っていた

しかし先生は酷なことを告げる

「....ごめんね恋野さん、そのワクチンは汎用性も高く強力な代わりに不老不死になるんだ....」

「え....」

恋野さんは驚いて固まった

俺は思わず口を開いた

「先生、僕にもそのワクチン、お願いします」

「いいのかい?不老不死になると前みたいな生活を送れなくなるかもしれないんだよ?」

「僕は彼女と生きる、そう、決めたんです...」

「...わかった、そこまで覚悟ができてるならワクチンを投与するよ」

「ありがとうございます」

「翔さん、本当に良いんですか?」

「良いんですよ、僕はあなたと幸せになれれば、それで良い...」




こうして不老不死となった2人は、配信活動を続けながらもひっそりと永遠を過ごしましたとさ

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