あてのないストーリー
詩的な表現を心がけたエッセイです。
ほしぞらをぐっとこらえて見るようになった。押さえていたみょうなエネルギーをときはなって。
そこでは時代が十分な星空を呼んでいたのかもしれない。しみわたるどうくつの陰から雨にちゅうちょする汚れなき透き通ったしずくが洞窟の縁からしたたり落ちる。わたしは髪が濡れたのをタオルで拭くことを拒絶した。そんな世界を楽しんでいた。どうくつでは本当に奥の果てしなさを放置したままにして、私は何かに怯えていた。なんなら洞窟に流れてゆく水の跡をついて行こうか。やっぱやめとこう。そんな運命の大きさに抗えるはずもない。
やはりそれは失敗だった。
愛があるならどこへいっても同じ水面上の物事だと想っている。確かにそうだ。勇気がたとえ恥になろうともそれが幸せの第一歩ならそれでいいだろう。賑やかさが雑踏になる、とある人気商店街。ぼくは染まらずに行こうと決めている。ジャッジは下されずにすんだ。地球を丸だとするのはもう馬鹿げている。どうせなら地球はもはや生命になったといいたい。吹き出す青の生命体。または取り込み浄化する生命体。 向かう場所はひとりの人間が望むところ。われわれはそう言いたい。
あてのないストーリー 完