2話 下調べ
小さい頃食べ物を残した時におばあちゃんは言っていた。「食べたくても食べられない人がいるの。生きたくても生きることができない人がいるんだよ。」
この世の中には生きたくてもそれが難しい、できない人がいる。逆にいじめによって自殺したいと考えている奴だっている。だったら自殺したいと考えている奴が臓器を提供して生きたいと思っている人を助ければいいじゃないか。自殺したらただそいつが死ぬだけになるが、臓器を提供することで1人の命は失われるがもう1人の命は助かることになる。だったらプラマイゼロの方がいいだろう。それに痛いのは嫌だからな。臓器摘出をするには麻酔が必要だから、痛みとかはないだろう。そうと決まれば下調べだ。臓器一個って何円なんだろう…命と引き替えにするんだ。だいぶ高い値段になると思う。そしてお金は親にやれば親孝行になるだろう。段々未来について考えることが楽しくなってきた。夢ができるってとても生き甲斐になる。よし。早く家に帰って調べることを調べよう。そうして俺は夕方の帰路を早歩きで帰って行った。
家に着いた。一応一軒家に住んでいる。俺の家族構成について説明しよう。この家には俺と母親の2人で暮らしている。父親は俺が物心つく頃ぐらいに離婚した。理由はわからない。母親からは話さないし、俺からは一回も聞いたことがない。そういうことを聞くのは気まずいから。それにもし父親の浮気で離婚したなら、俺にはその血が流れていることになるから、また俺が俺に対して嫌いなことが増えることになる。まぁ地球上で一番嫌いなのは自分自身なのだが……。一方母に関しては優しすぎる。よく同級生の話を盗み聞きしていると「親が勉強しろってうるさいんだよね〜」「勉強しろって言われると逆にやりたくなくなるよね〜」というのをよく聞く。まぁ長期休み期間中は「早く宿題しなさいよ」とは言うが、勉強しろとは言わない。それに掃除しなさい、洗濯物出しなさいなど細かいことも言われない。俺には自由すぎるくらい自由にさせてもらっているから、母親に関しては文句の一つもない。もし生まれ変わっても母親がいいと心の底から思う。……いやもう生きたくないが。
家は二階建てになっている。俺は晩御飯やトイレ、お風呂以外はあまり下に降りず、部屋に引きこもって携帯をいじっている。もちろんWi-Fiも完備だ。こんなの引きこもって当たり前である。こんな便利になりすぎる世の中が悪い……とゆとり世代代表のクズが思い込む。そして自分の部屋に入る。部屋はと言うと…机の上には空のペットボトルが5,6本やお菓子のゴミ、勉強机の上には机の表面が見えないぐらいにバラバラに置かれた教科書……しかも中学校時代のものをまだ片付けていない。……むしろ母親に「掃除しろ!」と言われないとヤバイのかもしれない……掃除は今週の休日にしよう。
「ふぅ…」
と床に寝そべる。慣れない生活のせいか疲れがどっときた。まだ夕方なのに目を瞑ればすぐに寝付けるぐらい疲れている。しかし、俺にはやることがある。臓器提供について調べてみよう。スマホを取り出し早速調べてみた。