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改めて俺の交友関係のヤバさを実感した

 

 「(わらわ)と契約して魔王にならぬか?」

 

 「すみません。そういう宗教はお断りしていますので」


 それじゃ、といってから扉を閉めた俺は、ついでとばかりに鍵も二つ閉めた。


 直後、再び鳴るインターホン。


 これが、もし見た目からして怪しそうなおっさんだったりおばさんだったりすれば、別に無視を決め込んでゲームを続けているのだが、現状、そうできない理由がある。


 はぁ、と軽く息を吐き出してから、再び扉を開ける。するとそこにいたのは、先程と変わらずに腕を組み、堂々としたたたずまいを見せるちんまい(・・・・)幼女の姿がそこにあった。

 しかも、黒く丈の長いマントみたいなものを羽織っているため全身が隠れているせいか、違和感がすごい。

 

 「わ、妾とけ、契約して、魔王にならぬか?」


 「……」


 ごめん、ちょっと泣いてたわ


 どうしてこうなったかなぁ-、と、俺は目の前の涙目幼女を眺めながら考えるのだった。



 まぁ、ここで回想に耽るほどのことがあったわけじゃないのだが。

 要は、大学の休みの日に、ゲームをしていたらこの幼女がインターホンを鳴らした。ただそれだけである。回想終わり。な? そんなたいそうなことじゃなかっただろ?


 「…む、無視はやめてほしいのじゃが…」


 「ん? …あぁ、そりゃ悪かったな。で? 迷子かなんかか?」


 一人で誰に向けてかもわからないこと考えていたせいか、幼女のことを放置していたままだった。おかげさまで涙目だった目が更に潤んでいた。

 友人の下原ならありがとうございますなめますprpr! とか言っていることだろう。  


 違う、そうじゃない


 「迷子なら、こんなとこ尋ねるよりも、交番に行ったほうがいいぞ。ほれ、そこの通りを右に行けばつくからよ」


 もしかしたら母親とはぐれて適当な誰かに道を尋ねようとしたのだろう。何故、それで一言目があれなのかは理解できないが、見ず知らずの人が相手なのだ。緊張するのも仕方ない。

 緊張してあれな幼女もどうかと思うがな。


 とにかく、こんな幼女が迷子なら警察に任せるべきだろうと、俺は交番までの道を教えた。


 友人である高崎なら、迷わずお持ち帰りぃぃ! と言い出しそうなかわいらしい子供である


 違う、そうじゃない。


 とにかく、こんな子をほっといたら大きなお友達(主に高崎と下原と野村)が出張ってくるかもしれん。早いとこ交番に行ってもらったほうがいいだろう。

 

 …俺の友人についてのコメントは控えさしてもらおう。


 「ち、違うぞ! 妾は主に用があってきたのじゃ!」


 ご丁寧なことにのじゃロリである。野村が大歓喜だろう。


 「…ん? 俺?」


 「そう、主に、じゃ」


 友人たちの性癖に頭を抱えたくなったが、幼女の言葉で我に返る。何やら、俺に対して用があるとのこと。

 迷子じゃなかったのか、と思いつつ、もう一度幼女の姿を見る。


 日本人では高齢者以外では見ない白髪。…いや、銀髪か? 目は綺麗な赤色。真紅といってもいい。アルビノなのだろうか?

 肌は雪のように白く、その体はマントによって全身が覆われているためにわからないが、身長は140もないだろう。


 結論、どう見てもただの幼女だな。

 俺の親戚にもこんな特徴的な人はいないし、知り合いにもいない。俺が知らないだけで、実は親戚が生んだ子だったりする可能性もないわけではないが、少々無理があるんじゃなかろうか。


 まさか、育てられなくなったから、俺に預けようとかいう話になった?



 …ねぇな、うん。


 一通り頭の中で考えてみたのだが、接点もない幼女と俺が関わること自体がないはずだ。なら、違う視点で考えてみよう。そう、俺が原因じゃないパターンだ。


 ………心当たりしかねぇ!!


 「すまなかった」


 「…え?」

 

 突然俺が誤ったことに、困惑する幼女。だがしかし、俺の友人たちが犯した過ちは誤らなければなるまい。


 「俺の友人たちが君に何かやらかしたんだろう。だが、警察だけは勘弁してやってくれないか?」


 「え、いや、そうではなく…」


 「あいつらは、かわいい幼女を見るとつい本能で行動してしまうだけで、普段はとてもいいやつらなんだ! ちょっと性癖があれだが……悪気があったわけじゃないはずなんだ。ちょっと、あふれるハートが抑えられなかっただけなんだ!」


 「いや、それはそれで問題がある気が…いや、話を聞いて…」


 「俺からもそういうのは二次で満足しておけときつく言って殴り飛ばしておこう! だから、警察だけは勘弁して…」


 「話を聞かんか!!」


 ズドンッ、と鈍い衝撃音が俺の腹に響いた。

 突然のことに息がつまり、呼吸がままならない。


 原因を確認しようと目線を下げると、そこにはすらりとした綺麗な脚が見事に俺の鳩尾を捉えていた。

 脚の出所はマントの中。当然、この幼女のものなのだろう。

 あと生脚。川島が喜ぶ。

 違う、そうじゃない。


 華奢な見た目でありながら、とんでもない威力を秘めていらっしゃる。何それ怖い。


 フンッ、と鼻を鳴らした幼女が、呆れた目で俺を見ながら脚を引っ込めるのだが、その脚を引っ込める瞬間、翻ったマントの隙間から幼女の服装が垣間見れた。


 幼女のビキニ……ありかもしれん。


 心の中の友人たちがそれだ! と叫ぶ幻想を見た


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