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7(by Meu)
「いらっしゃいませ」
二度目のバーの店員は、変な顔することなく、二人を出迎えてくれた。
二人は席に着くと、酒を注文した。真里はジン・トニック、タケシはモスコ・ミュール。二人とも、喉が渇いていた。真里が、
「じゃ、改めて、乾杯」
二人はグラスを合わせた。タケシに寄り添う真里。さっきよりも、明らかに親密になっているのは、バーテンダーの目からも明らかだった。
あの新入りバーテンダーが、声をかけてきた。
「お二人は仲がよろしいようですね」
「いや、そんなことないんだけど」
真里が照れながら笑う。
「それより、この店、ラーメンはないのか」
タケシが腹を押さえて呻く。
「あるよ!」
この店では異色の、頭の禿げ上がった男が登場した。
「特製ラーメンでいいかい」
タケシは頷いた。
程なくして、醤油とんこつの特製ラーメンが二人分出てきた。
タケシは、ラーメンをすすると、言った。
「そうか、俺の胃袋は、これを求めていたんだ!」
「タケシ、ラーメン好きだもんね。懐かしいな」
真里は笑顔で頷く。
「な、俺たち、やり直さないか?」
タケシが言った。