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黒猫センチメートル。Pasted/cm  作者: 三番茶屋
398ページ
10/10

あとがき

 人格とは本来、幼少期から長い年月を経て形成されるものであって、そこに環境が入り込む余地はあれど、他人が及ぼす影響など些細なことに過ぎないものです。

いくら尊敬できる人物から感化されることがあっても、人格そのものが丸っきり別のものへと変化することは極稀でしょう。

その中で、本編のひねくれた少女が自らのことを歪んだ人格だと言ってます。

言っちゃってます。

彼女は本当に、『事故』が原因で歪んでしまったのでしょうか。

事故や事件に巻き込まれたり、大病を患ったりすると人間誰しも心境に変化があることでしょう。

少なからず私も過去に大病を患った経験があり、当時は命の重さというのを幼くして突きつけられたものですが、しかし、長い歳月を経て私は本来の『私』へと戻ったかのようです。

しかし、それが元々「そう」だったのか、或いは「そう」なってしまったのか、そんなこと自覚できるはずもなく――そもそも、自分の人格が変化していることに人は気付かないものだと思います。

勿論、幼少期と比べれば、多大な変化が見られるでしょう。

或いは、あまり変化のない人だっているでしょう。

少なくとも、惰性で過ごしてきた一年前と比べて自分に人格の変化が見受けられるかなんて、問うまでもありませんし、確認するまでもありません。

誰も、変わっていないのです。

前述の通り、人格は幼少期から長い年月を経て形成されるもので、趣味思考の変化はあれど、根本的な根底のそれは正しくそうだと言えるかもしれませんね。

幼少期から大好物だったものが突然大嫌いになることなど有り得ません。

これは人格とは少し違う理屈かもしれませんが、例えそれが嫌いになることがあっても、それもまた長い年月をかけて次第に変化することなのでしょう。

だから、例え交通事故に遭ってしまった彼女だからと言って、突然、世界を侮蔑するようになったわけではないのかもしれません。

元々彼女はそういう人種で、それが露になってしまっただけと捉えることもできましょう。

しかし、そんなことをつらつらと述べていると、あたかも私が『交通事故など人格には何の影響も及ぼさない』と言っているようですが、そうではなく。

勿論、交通事故や大病がその人の人格を歪ませることがあるということは承知の上で、しかし、だからと言って、その人が元々「そういう風」だったかどうかなんて誰もわからないことではないでしょうか。

周囲は変わったと思うでしょう。

当人も変わってしまったと思うでしょう。

しかし、果たしてそれは本当に変わったのでしょうか。


というのが、本日のクイズです。

ちなみに、正解の発表は差し控えさせてもらいます。


 さて、何はともあれ本編『黒猫センチメートル。 Pasted/cm』最後までお付き合いくださいありがとうございました。

『黒猫センチメートル。』でまったく語らなかった、黒猫と少女を主人公とし、登場人物など他に皆無である作品でしたが、果たして需要はあったのでしょうか。

本来は『黒猫センチメートル。』を読了した方々に向けた作品で、しかし、新規の方でも読めるよう精一杯の配慮をしようと思った結果、こんな風になってしまいました。

こんなの、新規が読めるわけないじゃん!

配慮はどこへ行ったのでしょうか。

わかりませんが、このような作者の趣味が十二分に詰まった作品を新規様の目に留まってしまうようなことがあれば、何やらよくわからない罪悪感に駆られてしまいます。

人が一生の内に読める活字量は決まっているようで(正確な数字は忘れましたが)、それを少しでも無駄にしてしまったかと思うと罪を感じざるを得ません。

まぁ、読んでくれてる人少ないし、いいよね!?いいのかな……。


 あとがきのくせに長々と述べてますが、これにて『黒猫センチメートル。』シリーズ(?)は完結となります。

二作品合わせて、およそ二十万字くらいになりますが、最後までお付き合い下さった方々、本当にありがとうございました。

感謝しても仕切れません。

画面を前に私は「ありがとー!!」と叫んでおります。

次回作の投稿は未定ですが、現在新連載に向けて新たに執筆中ですので、機会が整いましたらいずれ発表させていただきます。

それよりもまず、連載中の作品を無事に終わらせる方が大切ですね。

最後までのお付き合い、ありがとうございました。

また他作品共々、お手すきの際には三番茶屋をご利用下さい。

それでは、また。




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