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31話

結局駒墨は俺が帰宅してすぐにやってきた。 


「随分早かったな、家には帰らなかったのか?」


「ああ、やはりそんな気分にはならなくてな……ところで」


「うん?なんだよ」


「例の殺人鬼を捕まえたあとどうするのだ?」


「まあ殺人を止めるよう説得して、それが無理なら……」


「無理なら?」


 俺は右手を首のところに持っていき横に動かす。


「そうか……まあ当然か、人殺しだからな。たとえ食事だとしても」


 少し落ちたトーンで駒墨が下を向く。


「仕方ないさ、こうしている間にも街の人が殺されてしまうから……早く凶行を止めないと……」


 苦笑が浮かび上がるのを我慢しながら答える。


 嘘だからだ。


 別に街の人間がいくら殺されようが俺は関係ないと思っている。


 恭介の方はまた少し違う考えをしてはいるようだ。


ただ街中で連続殺人が起きていたら、いずれはマスコミがかぎつけて騒ぎになるだろう。


 そうすれば何かの拍子に俺達のことが知られてしまい家業に差しさわりが出てくる可能性がある。


 あくまで鬼上の力は裏世界の中だけでしか知られていなければならない。


 快適に殺しをするためにも、俺は俺以外の化け物を狩り倒さなければならない。 


 そうすることでしか生きることのできない自分が空しくなることはあるが、諦めるしかない。


 何故ならそれは本能だからだ。


 人間が生きるために樹木を切り倒し、有害な動物を駆除していくように俺はこれからもそうやって生きていくのだろう。


 それこそ自分がその化け物に返り討ちにあう日まで……。


 いつか必ずそういう日が来るのを覚悟して殺し続けるしかないのだ。


「それじゃボチボチ行くぜ?」


 制服から動きやすい服装に着替えた俺達は家を出た。


 駒墨は着替えを持ってきていなかったが、黒水鬼がいるので問題はないだろう。


 何より放逐されたとはいえ宗家の人間を矢面に立たせるわけには行かないので、あくまでサポート程度に戦ってもらうつもりだ。


 とりあえずは犯人を捜しに俺達は街に繰り出す。


 特に注意深く周囲を見たりはしていないが、所謂殺気というのだろうか、そんなような物を意識して身体から出してぶらついている。


 普通の人間ならばよほど勘の良い奴が感じる程度だが、俺達のような化け物だとそれは数百メートル離れていても感じられる不快な感覚を作り出す。 


 奴と戦ってからすでに数日が立っている。


 前の殺人から何日も立っている。 

 

 これだけ時間が立っている以上、奴はすでに限界を迎えているはずだ。 


必ず獲物を求めて外に出て脳みそをフル稼働させて動いているだろう。


 だが凶暴な本性を露にして狩りをすればそれは俺達に感づかれる。


 落ち着いて殺しをするためにもあいつは先に俺達を始末しようとするだろう。 


 その時があいつを殺すときだ!




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