第7話『謎の組織』
【柏木】
部隊長の挨拶が終わり、みんなは指示された戦闘機に乗り込んだ。俺はF-15戦闘機、だけどひとつ府に落ちないことがあった。
木
「かず、周波数を3428.5に」
かず‥とは東郷一則のあだ名だ。
「どうした?」
東郷が応答する。
「暴動が起きて、なんで戦闘機で出動なんだ?」
「さぁな。この積んであるもんに秘密があんじゃねぇのか?」
確かにミサイルは積んでないものの、なにかタンクらしきものが翼からぶら下がっている。
「まさか猛毒とか‥?」
「んなわけねぇだろ」
出撃前に少し笑ってしまった。だがその笑いは虚しく消えていった。
「さて、行くか」
「お前の故郷じゃなきゃいいな」
「あぁ」
隊長機が先に離陸し、次に俺がタシキングして滑走路内に侵入した。マニュアル通りの英語で管制塔に離陸許可を求めた。
管制塔
「Take off.Good luck」
スロットル全開、離陸成功して基地を飛び立った。
【???】
「はぁ‥‥はぁ‥‥!!」
まさかこんなことになるなんて‥でもなんとか助かったわ。まだ追いかけて来てるのかしら‥‥。
「あいつはこの路地の裏だ。見つけたら‘アレ’を奪って即殺せ!!」
‥ちっ。もう来たのね。
女は撃たれた背中を押さえながら走る。でもあまりの激痛にうまく走れない。
「これ‥射つしかない‥か」
ポケットのなかに唯一あった注射器と液体子ボトル。それを注射器にセットし、腹部に針先を向けた。そして頬を一筋の涙が流れた。
「あなた‥ごめんね。もうわたしじゃなくなるけど許してね‥‥。あと、り‥」
パァン!!!!!!
一発の銃弾が頭を貫通した。そして前に倒れた女の腹部には注射器がささり、液体を注入していく。
「やったか?」
「完璧だ」
片方の男は女のポケットを探るが。
「ないぞ?!」
「そんなはずはない」
ポケットから手を出すと女は横に転がり、仰向けになった。
「注射‥まさかっ!!?」
男は女に向かって銃弾を何発も浴びせる。
「もうその辺でいいだろ」
「くそっ‥」
「まだ【あと1人】いるんだ。行くぞ」
男たちはその場から走り去っていった。
「‥‥うっ‥‥」
女はその場で少し痙攣したあと、治まるとスクッと立ち上がった。
「傷は‥治ったわね‥」
身体中を手で確認するが、さっき撃たれた傷は全くない。
「あと‥‥2時間」