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幻惑世界  作者: KOM
2/9

第2話『探索』

その日の夜、今日はなかなか眠りにつけなかった。

漫画を読みながら眠ろうと思っていたが全然ダメだ。今は8月。残暑で厳しい。

「今日は暑いからなぁ…」

暑い…暑いと思いつつ漫画を読む。

………………。

………ぉぉぉ。

……うぉぉぉ。

ん?なんの音だ?風…?


うう…ぉぉぉぉ!

声だ。

あの時のことを思い出した。

真夜中に町を叫びながら歩く男…。

ガラガラッ!

とっさに窓を開けて周りを見回す。しかし誰もいない。

「風…なのかな?」

しかし声に聞こえた。本当にいるのか?

次の日、俺は龍に会った。昨日とは大違い、立場は逆転していた。


「ほんとだって!信じろよ…」


「でも風かもしれないだろ?」


「そうだけど…お前が言い出したんだ。どこで聞いた?」


「鳥見町のインターネット開発知ってるだろ?」

現在インターネットが普及してるのもあって鳥見町が行っているのがインターネット開発。鳥見町のホームページは前からあったが、町民だけで創る相互通信が可能な媒体(掲示板みたいなもの)を開発したばかりだ。

だが、俺がビックリしたのはそんなことじゃない。


「…あんなの見てるのか?」

なぜなら、確かに町民同士のコミュニケーションはとれるが、目立った話などないからだ。

しかも公共が作ったホームページ。面白そうなんて思わない。それが現実だ。


「いやそれがさ、なんとなく見ようと思ったのよ。ほら、考えもなしに無駄なことやることあるだろ?それと同じ」


「…いやいや…!ってもういいや…。んで?」


「そこにこの記事があったわけ!気になるじゃん?だからこの話を涼に話したんだ。」


「まぁ気になるが…」


「じゃあ決まりだな!今日の夜9時にうちに集合!忘れるなよ!!」

言われるがままに約束をしてしまった。

しかし、本当にそんなやつがいるのか?第一そいつの情報が‘声’だけ。他は全く知らないのだ。……情報。龍の言っていた鳥見町の掲示板…確認してみるか。

パソコンなんて久しぶりだ。最近は勉強に追われてなかなかできなかったのだ。

「えっと…これだな。」

021:真夜中の不気味な声!?

投稿者:名無しの権兵衛

内容:あなたは知ってる?この町は呪われてるんだ。

真夜中には不気味な男(?)が声をあげて町を歩く。

そいつに遭遇したらおしまい。見たら死んじゃうよ?死ぬってのはおかしいかな……。

取り込まれちゃうんだ。

だからみんなも気をつけてね。夜の散歩にはご注意を…なんてね。

-------------

なんて生々しい文章だ。

読んでて少し恐怖を覚える。

投稿者は名無しの権兵衛…一体誰なんだ??ここに書き込めるのはこの町の町民だけ。

それは町が開発のために作ったプロバイダを通さないと繋げられないからだ。しかし疑問が残る。龍が話した‘行方不明の人の声’はここには書いていない。どういうことだ?

時間はあっと言う間に過ぎていった。

今は9時10分前になる。

夜の町だから懐中電灯と携帯電話を持って龍の家に向かうことにした。

「龍!着いたぞ!」

家の前に着いたが誰もいなかった。


「悪い悪い!情報を詳しく調べてたんだ!それにしても準備いいな、懐中電灯まで持って」

ケラケラ笑いながら言う。


「探すなら当たり前だろう。とにかく、行くか」

この町はそれほど広くなく、行こうと思えば歩いてどこにでも行ける。今日は家の近くを見回ることにした。

それにしても…俺はなんで協力してんだ…。

いつもそうだ。関心のないことにでも耳を向けてしまい、しまいには熱中してしまう。


「よし、異常なーし」


「そんな簡単には見つからないと思うけどな」


「よし、じゃあ二手に別れよう!おまえはあっち、俺はこっち。」そう言うと龍は暗闇に消えていった。

鳥見町は3つのエリアに別れる。

中心街・工業地域・住宅街となっている。

この町の主な利益は工業によるもので、全ての支えとなっている。

俺がいるのは住宅街で、龍は工業地域に向かった。

「怪しいやつはいないな」

歩いていても出会うのは近所のおじさんなどでいつもと変わりがない。

逆に俺が懐中電灯を持っているため怪しくみられる。そんなんだったら持ってこないほうがよかったな‥と、ちょっと後悔した。そういえば、みんなこの男について知ってるのかな…?

ブーーー…

携帯電話のバイブが鳴っている。

「もしもし」

《涼か?何か見つかった?》

相手は龍だった。

「いやなにも。怪しいやつは1人もいないな」

《そっか…実はな、聞き込みをしたんだ》

「なにか情報でも得たか?」

《ビンゴ!さっき変な声を聞いた人を見つけたんだ。それで聞いた場所に今いるんだけど》

「誰かいた?」

《いや、誰もいない。静かすぎて不気味なくらいさ》

少し笑いながら言っている。

「もう11時だからそろそろ帰らないか?」

《そうだな…よしっかえ………………》

んっ?突然声が途絶えた。

「おい、どうした?」

《‥‥‥‥‥‥》

返事がない。

「龍!どうした!?」

《う‥‥‥‥ぉぉぉ‥》

ブツッ‥‥‥

電話が切れた。一体何が起きたんだ!すぐに俺は工業地域に向かうことにした。

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