序章
時は創世期、宇宙には数えられるほどしか星がない時代。そんな宇宙に「イニティウム」という星があった。その星は緑も資源も豊かで、「魔法」というモノもあった。
この星には大きく分けて二つの勢力が存在している。「悪魔軍」と「死神軍」だ。
悪魔軍のリーダーはライガ。彼にはルイナという妻とライトという娘がいる。
一方、死神軍ではレジガスというリーダーが率いていた。レジガスには兄のレジガーがおり、レジガスはレジガーを兄として「丁重に」扱っていた。
この二つの勢力の間では戦争が起こっていた。なぜならレジガスは世界を自分の物にしようとしているからである。これに対して悪魔軍は反発し、死神軍に宣戦布告を行った。
戦争が長引く中…戦場でライガとレジガスが一騎討ちを行いライガが敗北した。レジガスはライガを戦場の真ん中で見せしめとして公開処刑した。
そして、ついに悪魔軍の本部まで死神軍が攻めてきた。
ライトは冷たくなったルイナの手を掴む。
「お母…さん?」
ルイナは何回呼ばれてもピクリとも動かない。
「このガキがライガの娘か…魔法の才が高いな。生かしておくとのちに厄介なことになる。今ここで消しておくべきか」
レジガスは自身の目の前に魔法陣を展開する。魔法陣全体に魔力が行き渡り、中心から炎に変換された魔力が発射された。が、炎は透明な壁により阻まれた。そして壁の向こうにはレジガスの左手でもあるレジガーがいた。
「お前には金も地位もやった。なぜ裏切った?」
レジガーはため息をついて当たり前のように言う。
「命令されるのが嫌だからさ。それに子供が目の前で殺されそうな所を黙って見とくのは、僕でも流石に良心が痛むからね」
「そうか。なら…ここでお前を殺る。実はもっと前からお前を邪魔だと思ってたんだよ。」
レジガスは自分の出せる最大量の魔力を魔法陣に込める。レジガーの得意魔法はバリアや結界などだが流石に防ぐことはできない。
ドォォォン!
大きな爆発のような音が鳴る。そこには見知らぬ緑の髪の青年とその青年に蹴り飛ばされたレジガスがいた。
死神軍の部下が慌てるようにレジガスを運びながら、軍全員に撤退を命令した。
「どこだここ?確か…ディメイションシャードに飲み込まれて…」
青年はそういうと後ろを振り向く。と、今にも消えそうに光っている時空の裂け目を見つけた。青年は急ぐように時空の裂け目に入っていった。
レジガーは咄嗟にライトを抱えてその裂け目に走っていった。
裂け目に入った瞬間、眩しい光がレジガー達を襲う。
レジガーが目を開けるとそこには草原が広がっていた。
彼はライトを下ろす。二人はゆっくりとこの広い草原を歩み出した。




