カーベクス編
『着きました。ここが「カーベカス」です。』
「あ、あぁ…ありがとうC.T.…ありがとうなのだが、
少し着地が乱暴すぎないか…?」
すごい振動と共にたどり着いたところは、
「コーデイル」の隣の惑星、「カーベクス」。
この惑星はコーデイルと同じく、「コスモ社」が作った
惑星の3つ目だ。
この星を一言で表すなら、
「生きるには寒すぎる」
ここは、一年中雪が降るぐらい寒く、
なんて場所にコスモ社は惑星を作ったんだ…って
ぐらい暮らしづらい惑星らしい。
『着地にもバッテリーを使用します。今後のことを
考えると、バッテリーの使用は最低限、節約していく
ことを考え、着地はすこし乱暴にしました。』
「乱暴にしたことは認めるんだな…」
ちなみに、どうやって「コーデイル」から「カーベクス」に
来たのかと言うと、それは…
無理やり資源運搬用の宇宙船の中にC.T.を
押し込んでカーベクスの近くまで来てから、
そのままC.T.と一緒に飛び降りた…っていう感じだ。
乱暴というより無理やりすぎる…
そうしてガルムたちが降り立ったのは森の中。
C.T.の背よりも少し低いほどの木がたくさんある。
足元は雪に覆われており、普通の人だと
歩くのが困難だ。しかし、タイタンならそんなこと
気にする必要はない。
すると、少し遠くの方に何か大きな建物が
あることに気づいた。
真っ白な外壁に、平べったい屋根の上には
なにやらアンテナのようなものがある。
にしてもかなり大きな建物のようだ。
「なぁC.T.、あの建物…敵のじゃないよな?」
『分析中…結果、あれはコスモ社のビーコンです。』
「コスモ社…」
コスモ社、訓練していた時に襲撃してきた
「オーバースターズ」とやらと一緒に降りてきた
タイタンがいたが、そのタイタン、確かコスモ社製造
のやつだった。
「オーバースターズ」が敵だとわかっていて、
そいつらと同盟やらなんやらを組んでいるのであれば、
明らかな「敵」である。
しかし…
「ビーコン…か、確かビーコンって、この星にどこになにが
あるか調べれるよな?」
『肯定。ビーコンを使えば、この惑星にいる仲間を
探せる可能性があります。推奨、今から
あのビーコンを乗っ取ることをおすすめします。』
「乗っ取る…?そんなのできるのか?
敵、いるだろ。人はともかく、タイタンとか…」
「否、コスモ社製造のタイタンは非常に造りが簡単で
脆く、増産型とされています。
しかし、我々「ノア」のタイタンは非常に頑丈であり、
特にその中でも、私のような「クロニカル」のタイタンは非常に高性能。
よって、コスモ社のタイタンの攻撃にはびくともしないでしょう。』
「すごい自信だな…」
C.T.にはかなりの自信があるようだ。
まあ、この最強タイタン様が言ってるのであれば、
問題ないだろう。
「けど、内部の構造とか…わからないだろ?」
『内部の情報についてはビーコンを乗っ取ってから
取得し、順次敵を始末しながら完全にあの建物を
乗っ取ります。』
「C.T.…お前、本当はかなりのやり手だろ…」
まあ詳しいことはその時だ。
今はこの星についてもっと知るためにビーコンを
乗っ取らねば。
ガルムはC.T.を操縦し、森の中を進んで行った。
*
ーコーデイルー
「おいバイロン!クーパーはどうした!」
「おいおい、よそ見してる暇あんのかぁ?!」
「オーバースターズ」のタイタンがフローバル大佐に向かって銃を打ちまくる。
「クーパーには、全てを託した。」
「は!?おいバイロン今なんて?」
「おぉ!バイロン総隊長様のお出ましじゃねぇか…?
大人しく死にに来たか?」
なんと、フローバル大佐のタイタンの後ろには、
完全生身のバイロン総隊長がいた。
武器も何も持っていない。
「彼には鍵を預け、惑星の外に逃げてもらった。」
「鍵だと?それはなんの鍵だ?」
「いかんバイロン、教えるな。」
「それは…
この宇宙を変えるための鍵だ。」
*
「クロニカルタイタンだ!逃げろ!!」
現在、コスモ社のビーコンの建物の外壁をよじ登っている
最中だ。
C.T.には1発も敵の銃の攻撃は当たっていない。
なぜなら、見張りをしていたであろうコスモ兵が
C.T.をみるなり、建物内へと逃げて行くのである。
「これがムスカ大佐の気持ち…!」
『ムスカ大佐のネームを検知。決め台詞を流します。
「人がゴミのようだ。」』
「C.T.そうゆうところノリいいな…」
なぜムスカ大佐のことをC.T.が知っているのかは謎だが、
それよりまずはビーコンを乗っ取らねば。
登り始めて間も無く、ビーコンのすぐそばまで来た。
するとC.T.が、
『提案、このビーコンの厚さはあまりないと見られるため、
ここからは別行動をし、パイロットはビーコンの上に行き、
制御盤を操作、私はこれから来るであろう敵兵の
排除を先導します。』
「役割分担ってことだな。だがC.T.、ビーコンが高くて
届かないように見えるのだが?」
『そこはパイロットが背負っているそれを使えば
よいでしょう。』
「背負ってる?」
コックピット内だからあまり自由に動けないが、
少し体を拗らせて、背中にあるものを確認した。
「…これは、あっ!ジェットスイングか!」
ジェットスイング、ガルムが射撃訓練場に行く前に
背負った四角い箱のようなもの。確か、扱いが難しい代わりに、壁を走れたり、少し高く食べたりする代物だ。
すると、コックピットの扉が開き、外の空気が流れ込む
「待ってくれC.T.!流石に寒すぎ…る?あれ?」
『コックピットの中は寒くありません。』
「え、扉空いててもちょうどいい温度なのすごいな…」
『高 性 能、ですから。』
「あはは…」
いや高性能は高性能だけども!これは苦笑いするしかない…
『しかし、この中から出ると一瞬でパイロットが
凍りついてしまいます。なので、現在パイロットがきている迷彩柄の服はジェットスイングとリンク後、
ジェットスイングを使う時にでる熱を利用し、
自身の体を温めることをお勧めします。』
「いや服も高性能だった…」
『ノ ア 産ですから。』
「…そろそろ役割分担を始めないといけないんじゃないか?」
『パイロットの呆れを検知、少し黙ります。」
「そうしてくれると助かるよ…よし、行こう。」
*
「やっぱりビーコン狙いにきたかぁ…
ここきちゃうのかぁ…えぇ…」
ビーコンの建物内の最深部、暗い部屋にポツンと置かれた
椅子に座っている人物がブツブツと独り言を並べる。
髪はボサボサ、目元にはクマ。
まさに限界人とでもいうのだろう。
「あんまり人殺しとかしたくないんだよなぁ…
けど、任務なんだよなぁ…僕オーバースターズなんだよなぁ…」
彼は頭を抱えて俯く。
「…いや、もうここまできたんだ。」
彼は椅子から立ち上がり、真後ろにある光の差し込む扉へと向かう。
「鍵は僕が回収しないと…」
つづく_____
こんにちわ。読んでいただきありがとうございます。
葉月ネルでごさいます。
今回の「オバスタ」はちょっとギャグ方面と言いますか、
あまり伏線とか関係なく、C.T.とガルムさんの対話を
書きたいように書いて見た次第でございます。
人物整理と行きたいところなのですが、
…今回新キャラ(新しく名前が出た人)いないんですよね。
なので今回はなし!次回は絶対新キャラ出します…
言葉の使い方やら誤字があったときは感想等で
報告してくれると飛び上がるほど嬉しい気持ちに
なる上に非常に助けになります。
なのでぜひぜひよろしくお願いします!
ではまた、一週間後に!




