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第二話

おはようございます。第二話のお届けです。ブキターの銃砲店を訪れるジョー一行。お楽しみに!


 「ファンタジー系5」

       (第二話)



         堀川士朗



ジョー一行は武器弾薬補給のため、タム屋アリエ支店に立ち寄る事にした。

グエナ台地のだだっ広い荒野に、ポツンとその店はあった。

今は夜だが、辺りは見晴らしが良かった。

到着前、軍用バギーを運転しているアパムがジョーに話しかける。


「ジョー。あんたが連れているの、ホヰップ族の妖精だろ?」

「そうよ」

「珍しいの連れてるな」

「この子とはもう長いわ」

「アリエは激戦の地だ。俺もホヰップには世話になるかも知れねえな」

「良いわよ。その時は助けてあげるから」

「ん」

「どうしたのアパム?」

「ジョー。どうもつけられているような気がするぜ。かなり遠くからだ」

「誰に?」

「暗黒連合の奴らに。これは傭兵としての俺の勘だ」

「さすがねアパム」

「俺は鼻が利くんだ。あんた今、生理中だろ」

「……馬鹿」


砂漠仕様の六人乗りの軍用バギーを停車させる。

タム屋に到着した時刻は夜八時を過ぎていた。

みな、腹もすいている。


店内へ。

一階はダイナーになっていて、食事が出来るようだった。

ジョーたちの他に客はいなかった。

階段を昇った二階がタム屋アリエ支店だ。

アリエ人のブキター・ドルバッキが店主だ。

太い梁には、今は亡きタム屋の創設者キョンタムの肖像画が飾られていて店内を睨んでいる。

店内にはありとあらゆる銃器が並んでいて壮観だった。

質もまた良い。

ただ、質に見合った値段で、おまけにブキター・ドルバッキはカネにうるさい男だった。

ジョー・ヴァンニーは一挺のライフルを手に取る。


「そのM106ライフル通称ペガサスは良質だぜ!東方諸国の特殊部隊はみんなそれを使ってる!ブレが少ねえ。一挺37500ミルキ。ビタ1ミルキまけねえからな!」

「少し高いわね」


ジョーはわざと弾の入っていないライフルをエドゥに一瞬だけ向ける。

エドゥは、おや?という複雑な顔をした。

半田が質問する。


「わしの三八式歩兵銃に使える弾はあるかね?三十式か三八式実包なんじゃが」

「何だいずいぶん年代物の銃だな。博物館行きだぜ。スカー騎兵銃に使う弾丸なら流用出来ると思うよ。同じ6.5ミリの小銃弾だからな。100発で900ミルキだ」

「ありがたい。三八式実包はもうどこにもなくてのう。500発もらうよ」


エドゥが店をうろついているのを見てドルバッキがすかさず声をかける。


「そっちの背の高い旦那は何をご所望で?」

「そうだな。454カスール弾をもらおう。13ミリ爆裂鉄鋼弾だ。こいつに使いたい」

「馬鹿デカイ拳銃だな!トーラス・レイジングブルか?反動がデカそうだ」

「まあな。こいつは俺にしか扱えない」

「カスールは値が張る。100発で1500ミルキになるよ」

「ああ、構わない。1000発くれ」

「あいよ、任せな」


アパム・ベラジオが弾帯を手に取り質問する。


「このKATO弾は俺のガトリングにも使えるかい?」

「大丈夫だとも。チャンバーに叩きこみゃ銃の口径に合わせて弾体付属シリコンが自動圧縮するシステムになってる。炸薬はオア・イナマイト。500発で2500ミルキだ!」

「9000発もらおう」

「あいよ!弾丸はジャム検証済みの高品質だぜ」

「そいつは嬉しい仕事だな」


皆に商品の弾丸が行き渡った。

するとブキター・ドルバッキがアパムに質問した。


「あんたらどっち側についてるんだ?」

「ん?北の国側だ」

「ふうん」

「やっぱり気に入らないか?アリエびととしては」

「いんや。俺は中立だしタム屋アリエ支店としては銃や弾丸さえ買ってくれればそれで良い。むしろ途中から横やり入れてきた暗黒連合の奴らの方が粗暴で何ひとつ買って行かなくて大嫌いなくらいだ」

「正しいな」

「一階の店で腹ごしらえでもしなよ。ダイナーだ。弟がやってる。何だってあるぜ」

「そうするわ」

「長い戦争になるぜ」



           続く



ご覧頂きありがとうございました。また来週土曜日にお会いしましょう。

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